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2019.2.15気づきの事例検討会備忘録

2019年02月16日 | ソーシャルワーク
「クライエント本人、家族に関わったからには、もう第三者ではいられない。支援者は常にそのことを念頭に置いておかなければならない」
昨日の公開「気づきの事例検討会」で最後にそう発言した
いやいや、支援者は家族じゃないんだから第三者でしょ、という意見もあったけど、それは違う
少なくともクライエント・システムに関わった時点で、何らかの情報をインプットしてしまうし、特にアウトプットからのフィードバックを受け、更にインプットしてしまう

昨日の検討会でも事例提供者にこう投げかけた
「あなたはクライエントをどう見ているのか?」
「クライエントは、あなたをどう見ていると思うか?」

これは非常に重要
自分が支援者としてクライエント・システムにどう影響を及ぼしているか自覚しなければならない
支援者は時に無作法にこう投げかける

「〇〇してはダメですよ」
「〇〇しましょうね」

専門職である限り、無意識の投げかけであってはならない
クライエントが、あなたを「支援者として見ている」限りにおいて「〇〇してはならない」という情報インプットは重い
だから、関わった限りにおいてはそのシステムに対して「第三者」ではいられない。支援者もまた当事者になってしまう

昨日の事例では、支援者はクライエントに良く関わっていた
クライエント・システムの信頼も絶大だった
だからこそ、支援者のゆらぎはクライエントに影響を及ぼし、クライエントのゆらぎが、支援者に影響を及ぼしていたと思う

システムに対する情報のインプット、フィードバックはケアマネジメントにも通じる
支援チームというシステムに対して、それをマネジメントするCMがどのような情報をインプットし、フィードバックするかによってチーム機能は変化する
ある意味余分な情報、過度に主観に基づいた制御できない情報はチームを混乱させる
出来ないCMの仕事を見てると、ここが多々上手く機能していない
つまり、自分が境界の内にいるのか、外にいるのか、そういう俯瞰が出来ていない
そのくせ「CMは第三者だから」と言い切るんだから、大したものだと思う