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大正14年生まれの戦争

2020年08月24日 | ソーシャルワーク
大正14年生まれが語る戦争
彼女は、現在の元号も、数十年前に亡くした夫の名前も、先ほど食べた物の名前もしっかり記憶に刻むことができない

それでも、昭和20年8月15日は忘れない
軍部によって主導された戦争統治を憎み、我が子は国の為に死んで幸せだった、としか口にできなかった世情を憂い、本当は戦争に殺されたと悲しみに暮れた親の気持ちを諭し、夜半繰り返される空襲警報でまともに眠ることもできず、防空壕の入り口で押し合う人々の怒声と悲鳴を昨日のように記憶している

「終戦記念日なんておかしい。あれは敗戦の日なんだ」
同じ話は2度、3度と繰り返される。しかし、毎回、初めて聞く物語のように聞き、彼女も毎回、古くて新しい物語を語っている