ベランダの花々は、どれも美しく、可憐だ。
「おはよう」と呼びかければ、
まぶしいほどの陽の光を浴び、ニッコリしながら
「はーい、おはようございます」と答えてくれそうだ。
陽の光は植物を育ててくれるだけでなく、
人をも幸せにしてくれる。
「セロトニン」というのは、神経伝達物質の一種だが、
これが増えると、人は「意欲的になる」「快感が増す」
「気持ちが明るくなる」「闘うファイトが湧く」などが起こり、
逆にこれが減ると「うつ症状が出る」「衝動的になりやすくなる」
「体の痛みや不調を訴えやすくなる」「無気力になる」そうだ。
それで、「幸せホルモン」と言われており、
陽の光がこの「セロトニン」の分泌を促すのだという。
早速、梅雨の晴れ間を縫い、「セロトニン」を求めて
ウォーキングに出かけることにした。
いつもの川沿いの道。風もなく水面は穏やかだ。
だが、暑い。額や背にじわじわと汗がにじみ出、
やがて滴り落ちてくる。
熱中症対策はしっかりしてきているが、
この季節、「セロトニン」を求めるのも楽ではない。
道すがら、街路樹の幹に目が止まった。
コケが幹を覆い、強い日差しから守っている。
この老木には、なにがしかの味わいがある。