オスのはかなきこと、この上なし。ここに来てのこの雨、オスには弱り目に祟り目であったようで、梅雨の合間にケージを覗いてみれば、地面に紫の羽の死骸の山。10頭は下らない。他方メスの元気なこと。羽根先もきちんと残っており、健康体そのもの。おそらく卵を産んだ後か、これから産むところかもしれない。自然界の摂理の厳しきことを見せつけられた。
今年は昨年のようなヘマは繰り返さないぞとの思いで、エノキの枝に
付く葉っぱの量と幼虫の数とのバランスを取ることに気を配りました。弱ったエノキから元気の良い、すなわち葉っぱの沢山付いているエノキへの強制的疎開を頻繁に進めました。30匹の幼虫を常時確保しておく作戦を堅持して、20個のサナギを得ることができ、その全てを羽化させることができました。ホッチギスを使っての引越作戦の成功で、ヤッと自信が得られた、という気が湧きました。そして先日、飼育免許を発行交付するかのごとくに、オオムラサキが胸や肩に留まってくれました。その人なつっこさに、仲間にしてもらえた気がして、思わず頬の筋肉が緩み、感謝の気持ちが湧いてきました。