今日で全日本選手権が終了した。
今年の大会は、テレビでの放映時間も多くビデオに録画したりライブでも男女シングルスと男女ダブルスの決勝を観戦することが出来た。
しかも、卓球の醍醐味)が余すところなく発揮され卓球人のみならずその素晴らしさを理解し感動したのではないかと思っている。
それは新しいシングルスチャンピオン男子の吉村真晴選手(野田学園)と女子の福原愛選手に象徴されており、二人とも前年の王者を決勝で破ってのものであり、その内容もそれはそれはレベルの高い熱戦であった。
昨日の女子シングルス決勝では、福原愛選手が今まで見せたことのないようなアグレシェブな戦いを見せ、石川佳純選手につけ入る隙を与えなかった。強化したフォアハンドも打点の速さでパワー不足を補い、得意のバックハンドとのコンビネーションは絶妙であった。
全日本になると必ずと言っていいほど出ていた精神面の弱さも、練習に裏付けされた自身で満ち溢れており、崩れる気配さえ感じさせなかったのである。
その点、石川選手の卓球は以前と余り変わりなく少し期待外れではあったが、まだまだ若く才能のある選手なので、負けた悔しさをバネとして今後の発奮に期待をしたいと思っている。
一方、先ほど終わった男子シングルスは本当に衝撃的な一戦であり、まさか水谷選手がよもやの敗戦を喫するとは想像だに出来なかったのである。
最終セット、10-7から1本を取られてタイムアウトを取り、慎重に作戦を立てて臨んだはずなのだが、余りにも慎重すぎたのか珍しく弱気のプレーでジュースに追いつかれ、最後のレシーブは得意のドライブがオーバーミスして終わった。結局最後は5本連続失点だったのである。
準決勝が終わってからの水谷選手のインタビューの受け答えは、まさに自信に満ち溢れていたのであり、これが気負いとなって現れたのかもしれない。
しかし、吉村選手の卓球は本当に衝撃を持ってしか受け止めようがなかったのであり、今の水谷選手に勝つにはこれしかないというようなプレーの連続であった。
それは、まるで水谷選手が中国選手と試合をしているような錯覚にさえ陥るようなスーパープレーの連続であり、ラリーでの強さは抜群であった。
最終セット、チャンピオンシップポイントを握ってからのまさかの逆転負けである。
今まではこの反対の逆転勝ちのパターンはあっても水谷選手がこのような敗戦の結果は今だに信じられない気持ちである。
吉村選手の優勝は、本当に驚きであり今は只々祝意を表するのみである。