高校総体は、言うまでもなく高校生にとって一番の大会であり、入学した時からこの大会に照準を合わせ目標を定めるのである。
目標のそれはチームによって優勝から1回戦突破まで様々であり、それぞれの学校やチーム事情により異なるが誰もがその目標をクリアできるように全力で戦うのである。
特に3年生にとっては、ここで負けると終わり(引退)そして勝てば東北大会やインターハイに駒を進めるもの、その後国体選手として岩手県代表になるものまでが決まってくる、まさに集大成の大会なのである。
この観点から今大会を振り返ってみると、男子団体では、第3シードの盛岡市立を下して3位となった大野は女子の華々しい活躍に埋もれがちで、それなりに苦しい時期を乗り越えての大活躍である。これといったエースもいないチームがめげずにコツコツと努力した結果である。
この精神の土壌が大野には確かにある。それは、全国の強豪チームの中で絶対的エースがいない中、女子団体で全国選抜3位を勝ち取ったことで証明されたのである。
それを支えているのは、もちろん子供たちの努力が一番ではあるが町長さんも滋賀の大津に応援に駆けつけるくらいの町全体のバックアップや大野の温かな人情、そして学校の先生方、もちろん顧問の小坂・細川両先生に至ってはまるで自分の子供を育てているかのような愛情を注ぎ、お正月も東京合宿に帯同しており、家庭を犠牲にしてまで奮闘している姿には尊敬の言葉しか浮かんでこないのである。
一方、準々で敗れた盛岡市立も4月末の県リーグでは今大会第2シードの花農に勝っており、虎視眈々と決勝進出を狙っていたに違いないのであり、その前での敗戦はよもやのことだったと思われ、本当に悔しく残念の一言に尽きるであろう。
また、第5シードの盛岡北は第4シードの宮古に3-0で圧勝し準決勝の専北戦でも果敢な試合を挑んでいた。ベンチの女性監督は私の教え子の一人でもあり、ひそかに応援をしていたが堂々とした采配は誠に立派であった。
さて、女子団体では大野の完全優勝となったが、そのほかはいつもの大会より接戦が多くある意味面白い大会であった。
結果的にベスト4はシード通りであったが、ドラマは他にあった。
まずは、3回戦の大東と水沢の対戦だがどちらが勝ってもおかしくない展開であったが、結果は3-2で大東が勝利した。
また、久しぶりに有力な1年が入学した専北が今大会の台風の目になるのではないかと思っていたが、そこは第7シードの一関一が最後まであきらめない総合力を発揮3-2で下した熱戦も記憶に残った。そしてその勢いのまま次戦の花北戦も3-2の接戦をものにしてベスト8に進出した戦いは素晴らしいものであった。
そして、準決勝だが第2シードの盛岡誠桜と第3シードの一関二、昨年末の選抜県予選では一関二が盛岡誠桜を下していたが、今回もまた大接戦となったがまたしても勝利の女神は一関二に微笑んだ。
準決勝で雪辱が成らずガックリときた盛岡誠桜だったが、それでもその後の3位決定戦(東北大会出場権)では盛岡二を下し伝統の力を見せてくれたたことも非常に感動的であった。
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*開会式優勝旗優勝杯返還