白花と紅花が一木の中で咲きわける源平桃、咲きわけ桃とも言われます。
満開の桜と時を同じくして、咲き誇っている我が家のこの桃の木の生い立ち。
特に苗木を植えたという訳でもなく、何かの折に種が落ち、小さな芽からいつの間にか
大きくなった言わば、野生の桃の木。
その木が、1メートル程になった頃のこと。こんなところに生えて邪魔だわと言う母の主張
を、父がなだめて、なんとかその桃の木は伐採されずに済んだのです。
庭木や花などには、どちらかと言えば無頓着な父がこの時ばかりは、何故か桃の木に味方
したのです。
その命の恩人とも言うべき父は亡くなって、はやくも10年の歳月が経ち、あの源平桃は今や、
樹高も枝幅も優に5メートルを超えるまでに成長しました。
青空の中、紅白に咲き分けたこの桃の木、今は私が大切に育てています。
今日は、父の命日。