○MMTでゴーゴーゴーゴー
Modern Monetary Theory (MMT、現代貨幣理論)というのが持て囃されている。
https://economicpolicy.jp/wp-content/uploads/2019/05/report-012.pdf
中央銀行を有する国家はいくらでも通貨供給できるのだから、国債を中央銀行に引き取らせて、財政を通じてあらゆる政策を行うことができる、ということなんだそうである。
1970年以後、金どの兌換を断ち切って変動相場制に移行したが、先進国はハイパーインフレになっていないから大丈夫、なんだそうである。
だが、ドルの価値はどうなったか?他の通貨やゴールドに対して切り下がってきてはいないか?
○緊縮財政という事実錯誤
緊縮がイカン!緊縮がイカン!と連呼する向きがあるが、一般会計規模は増大しており、102兆円に達しようとしている。
税収も幾分伸びたが、過去最高の60兆円には達せず、50兆円台に留まっている。
特別会計の社会保険費などの予算も増大している。
使われ方はともかく、規模だけいえば、「超豊満財政」なのである。
何を持って緊縮と言うのか、錯誤も甚だしいし、意図的で無いのなら、事実認識力の問題がある。
現在の財政は税収に対して規模が大きすぎるし、使われ方(リニア・F35・辺野古基地埋め立て)も問題なのである。
○中央銀行の役割は通貨価値の安定
通貨供給規模は経済規模に準じて行われなければならない。だからGDPと公債発行残高の比率を気にするのである。
銀行の貸出による行為を信用創造として取り上げられることがある。その事は事実だが、返済されて債権債務関係が解消されれば、その分の通貨は消滅する。不況期は借入金の返済が行われて通貨量が減少する。好況・不況による通貨量変動によって産業が不安定化する。
基本的には産業全体の規模を「通貨供給の尺度」としなければならない。
中央銀行が通貨供給量を調整して「通貨価値を一定に保つ」のである。
だから、通貨価値が減少するような「インフレターゲット論」とかは、中央銀行が果たす役割とは真逆であって、暴論でしかない。
また、国家を1つの経済主体として見た場合、貿易収支が黒字であることが望ましい。日本は既に貿易収支が赤字に転落している。対外債権の収入などの貿易外収支で赤字分を補って、経常収支はかろうじて黒字である。
経常収支の赤字が常態化すると、その国の通貨価値は中長期的に漸減していく。
○MMTの結末は円の国際通用力の喪失
とどのつまりが、国と言えども一法人と同じ事であり、国際間の貸借額や、公債の返済可能性等の信用があって成立するのであって、国内外で信用を失えば、その国の通貨は国際通用力を失う。つまり、日本銀行が野放図に国債引受を行って、事実上の財政融通を常態化させれば、いずれ円は国際的に通用しなくなる。そうなると、外貨保有分しか輸入できないので、ハイパーインフレの可能性は高まる。
ただ、日本には対外債権という「過去の貯金」があるので、一本調子で円安に進むというわけでもない。短期的には円高を予想するアナリストもいるし、私も黒田緩和が続いても、ここ1・2年は円高を予想する。
だが、2025年頃には日本国債の暴落(金利上昇)や日本産業界の弱体化によって円安が想定されている。
○なぜ、このような暴論が巷間で流布されるのか。
2007年頃から顕在化したRMBS (Residential Mortgage-Backed Security、住宅ローン担保証券)の信用不安は米国の問題であり、RMBSを買って破綻したリーマン・ブラザーズや再保険不安でベイルアウト(Bail-out)方式で救済された AIG (American International Group)も米国の問題である。
RMBS問題が飛び火して経営が不安定化したフランスやドイツの金融機関については欧州の問題である。
日本の金融機関はバブル崩壊を経験している関係から金融規模に比較して、欧米の金融機関ほどにはRMBSを買っていなかったと言われている。であるから、国際金融の不安定化に伴う量的緩和政策によって行われる救済政策は米FRB(The Federal Reserve Board)と欧州ECB(European Central Bank)が実施すべきものであったはずだ。
しかし、FRBもECBが実施していた量的緩和政策は黒田緩和が引き継ぐ形で、日本銀行が肩代わりする形で実施している。それにより、円の通貨価値が下がってしまったし、投機資金が円安を嫌って逃げ出した。
FRBは公定歩合の引き上げを行い、一部MBSを売却していると報じられている。買い込んだ金融資産は米GDPの3分の1程度である。日銀は既にGDPの1倍を超える当たりであり、絶望的な状態である。
中国は米国債を100兆円規模で売却し、中国・ロシア政府は共に1000トンのゴールドを買い増ししている。つまり、この先の世界的な通貨安を見越した動きを行っている。そういった動きを知りながら、日本だけが、年率90兆円規模の量的緩和(借換債買い入れを含む)を行って、将来的な通貨安要因を増大させている。
今は、放漫財政で日本経済は回っているが、日本国債が暴落すれば、本当の収支均衡どころか、過去の国債償還も同時並行に行う超緊縮財政に転じざるを得ない。
MMT理論なる暴論がまかり通る背景には、阿呆の日本国に量的緩和を持続させて、世界的な金融不安の先送りをさせることと、『日本の金融機関や大企業が保有する外債を売却させない』事が狙いである。円安が予想される間は金融機関はドル建ての外債を保有するのである。
アホン人を騙すには3文字で事足りるのである。リニアしかり、MMTしかり。内実を把握させないために、3文字で表現して、アホン人に対して「水戸黄門の印籠」状態にして平服させている。その間に米国は日本の公的金融機関からカネを抜き出しており、日本は急速に干からびて没落していくのである。
Modern Monetary Theory (MMT、現代貨幣理論)というのが持て囃されている。
https://economicpolicy.jp/wp-content/uploads/2019/05/report-012.pdf
中央銀行を有する国家はいくらでも通貨供給できるのだから、国債を中央銀行に引き取らせて、財政を通じてあらゆる政策を行うことができる、ということなんだそうである。
1970年以後、金どの兌換を断ち切って変動相場制に移行したが、先進国はハイパーインフレになっていないから大丈夫、なんだそうである。
だが、ドルの価値はどうなったか?他の通貨やゴールドに対して切り下がってきてはいないか?
○緊縮財政という事実錯誤
緊縮がイカン!緊縮がイカン!と連呼する向きがあるが、一般会計規模は増大しており、102兆円に達しようとしている。
税収も幾分伸びたが、過去最高の60兆円には達せず、50兆円台に留まっている。
特別会計の社会保険費などの予算も増大している。
使われ方はともかく、規模だけいえば、「超豊満財政」なのである。
何を持って緊縮と言うのか、錯誤も甚だしいし、意図的で無いのなら、事実認識力の問題がある。
現在の財政は税収に対して規模が大きすぎるし、使われ方(リニア・F35・辺野古基地埋め立て)も問題なのである。
○中央銀行の役割は通貨価値の安定
通貨供給規模は経済規模に準じて行われなければならない。だからGDPと公債発行残高の比率を気にするのである。
銀行の貸出による行為を信用創造として取り上げられることがある。その事は事実だが、返済されて債権債務関係が解消されれば、その分の通貨は消滅する。不況期は借入金の返済が行われて通貨量が減少する。好況・不況による通貨量変動によって産業が不安定化する。
基本的には産業全体の規模を「通貨供給の尺度」としなければならない。
中央銀行が通貨供給量を調整して「通貨価値を一定に保つ」のである。
だから、通貨価値が減少するような「インフレターゲット論」とかは、中央銀行が果たす役割とは真逆であって、暴論でしかない。
また、国家を1つの経済主体として見た場合、貿易収支が黒字であることが望ましい。日本は既に貿易収支が赤字に転落している。対外債権の収入などの貿易外収支で赤字分を補って、経常収支はかろうじて黒字である。
経常収支の赤字が常態化すると、その国の通貨価値は中長期的に漸減していく。
○MMTの結末は円の国際通用力の喪失
とどのつまりが、国と言えども一法人と同じ事であり、国際間の貸借額や、公債の返済可能性等の信用があって成立するのであって、国内外で信用を失えば、その国の通貨は国際通用力を失う。つまり、日本銀行が野放図に国債引受を行って、事実上の財政融通を常態化させれば、いずれ円は国際的に通用しなくなる。そうなると、外貨保有分しか輸入できないので、ハイパーインフレの可能性は高まる。
ただ、日本には対外債権という「過去の貯金」があるので、一本調子で円安に進むというわけでもない。短期的には円高を予想するアナリストもいるし、私も黒田緩和が続いても、ここ1・2年は円高を予想する。
だが、2025年頃には日本国債の暴落(金利上昇)や日本産業界の弱体化によって円安が想定されている。
○なぜ、このような暴論が巷間で流布されるのか。
2007年頃から顕在化したRMBS (Residential Mortgage-Backed Security、住宅ローン担保証券)の信用不安は米国の問題であり、RMBSを買って破綻したリーマン・ブラザーズや再保険不安でベイルアウト(Bail-out)方式で救済された AIG (American International Group)も米国の問題である。
RMBS問題が飛び火して経営が不安定化したフランスやドイツの金融機関については欧州の問題である。
日本の金融機関はバブル崩壊を経験している関係から金融規模に比較して、欧米の金融機関ほどにはRMBSを買っていなかったと言われている。であるから、国際金融の不安定化に伴う量的緩和政策によって行われる救済政策は米FRB(The Federal Reserve Board)と欧州ECB(European Central Bank)が実施すべきものであったはずだ。
しかし、FRBもECBが実施していた量的緩和政策は黒田緩和が引き継ぐ形で、日本銀行が肩代わりする形で実施している。それにより、円の通貨価値が下がってしまったし、投機資金が円安を嫌って逃げ出した。
FRBは公定歩合の引き上げを行い、一部MBSを売却していると報じられている。買い込んだ金融資産は米GDPの3分の1程度である。日銀は既にGDPの1倍を超える当たりであり、絶望的な状態である。
中国は米国債を100兆円規模で売却し、中国・ロシア政府は共に1000トンのゴールドを買い増ししている。つまり、この先の世界的な通貨安を見越した動きを行っている。そういった動きを知りながら、日本だけが、年率90兆円規模の量的緩和(借換債買い入れを含む)を行って、将来的な通貨安要因を増大させている。
今は、放漫財政で日本経済は回っているが、日本国債が暴落すれば、本当の収支均衡どころか、過去の国債償還も同時並行に行う超緊縮財政に転じざるを得ない。
MMT理論なる暴論がまかり通る背景には、阿呆の日本国に量的緩和を持続させて、世界的な金融不安の先送りをさせることと、『日本の金融機関や大企業が保有する外債を売却させない』事が狙いである。円安が予想される間は金融機関はドル建ての外債を保有するのである。
アホン人を騙すには3文字で事足りるのである。リニアしかり、MMTしかり。内実を把握させないために、3文字で表現して、アホン人に対して「水戸黄門の印籠」状態にして平服させている。その間に米国は日本の公的金融機関からカネを抜き出しており、日本は急速に干からびて没落していくのである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます