「友と寮歌を歌いたい」
先日、大学のサークル同期で、現在はブログ仲間であるHさんからLINEが届きました。
それは、朝刊に掲載されていたコラムで、コラムの主は、佐賀大学の卒業生で70歳の方です。
「佐賀大の不知火(しらぬい)寮は、旧制佐高の伝統を継ぐバンカラの自治寮だった。
寮歌を歌って踊った。あれから50年、もう古希。思い出すと胸が躍り血が騒ぐ」
高校を卒業して佐賀大学に入学した私は、実家を出て一人暮らしをしたかったので不知火寮に入りました。
寮は6畳の2人部屋で、寮費(光熱水込み)は1800円、朝食120円、夕食180円ぐらいでした。
Hさんが部屋に遊びに来ていた時、酔っぱらった先輩達が「ストーム、ストーム」(これから嵐が起こるぞ・・)と言って、部屋にいる寮生全員をたたき起こす。
Hさんを急いで押し入れに隠し
寮生は全員、赤ふんどし一丁になってすぐに集合。
先輩に焼酎「白波」を飲まされ、酔って旧制佐高の寮歌「南に遠く」を歌う。
「巻頭言」
仰げば星斗蘭干として
永久の真理をささやく
こうべを巡らせば不知火
永遠として若人の熱を語る
自然の恵み豊かなるこの筑紫野の一角
天地の精気こめて建つるもの
実に我が佐大不知火寮なり
いざや歌わんかな我らが朴訥の歌「南に遠く」
いざや踊り狂わんかな我らが熱血の舞「南に遠く」
アイン・ツバイ・ドライ そーれっ
「南に遠く」
南に遠く辰古より
ゆえ不知火の起こりたち
明け暮れ若き血に煮ゆる
おのこのこうと促せば
健児つどえるこの野辺を
人あがめたり火の国と
ああ青春よ我にまた
胸に燃え立つ日のありて
行く手はるけき人の世の
旅のしるべを求めてぞ
伝えも奇しき不知火の
何を寮にこもりたり
当時19歳
高校を卒業したばかりで、酒を飲んだこともなかった
こんな世界があるんだと驚いた
Hさんとサークルボックスで焚火をしながら酒を酌み交わし、「南に遠く」を歌った。
あれから45年経って、もう一度焚火を囲みながら、Hさんと肩を組んで「南に遠く」を歌いたい。