迷っていることがある。もう数カ月くらい、するかしないか迷っている。
それは、音楽配信サービスに申し込むか…ということ。なーんだ、そんなことって思われるかもしれない。モノやサービスを買う前に、それが本当に要るのか、したいのかをいつまでも考え続け、決断しないのは、私の癖(楽しみ)だ。音楽好きだけれど、そうそうCDが買える訳でもなく、でも聞いてみたい曲はいくつもある。たくさん聞けると思うと、貧乏性の私はあれこれ欲張ってしまい、じっくり聴けなくなってしまいそう。聴かなきゃ損とばかり、曲数を気にしそうで嫌だな。余裕のなさは、私の嫌な一面だ。
だいたい、○○放題というのは(私にとって)曲者だ。食べ放題、携帯のかけ放題、映画見放題…どれも私の欲望を刺激する。たくさんサービスを利用しないと勿体ないと思ってしまい、楽しめる適量が自覚できなくなる。楽しめなくなるほど過剰な娯楽は、それこそ人生を損させる。それを誤楽という(うーん、ウマい!?)。
こんなことを考えてはいるが、おそらくここに書いている時点で9割がた、加入しようと思っている。どの会社もだいたい月に1,000円程度。それが高いのか安いのかは、自分の気持ち次第。
ところで、何故サブスクのことを言い出したのか。数年前にある演奏家のピアノCDを買った。とある作曲家のソナタ全集、全部で10枚くらいのセットだった。高かったのよ、結構。それなのに、聞いてみたら、私の好みの演奏ではない。慣れるかと何度も聞いたけれど、どうも好きになれない。高い出費だったのに、ガーン。…こういうことがあると、配信サービスの方が安心できる。好きな演奏に出会えるまで聴けるから。
もうひとつ。先日あるコンサートへ行った。それまでオーケストラにあまり関心がなかったけれど、縁あって、ゲネプロの現場から見せてもらえた。奏者の息遣いまで聞こえそうな現場で、曲を聴き、迫力を肌で感じ、ラフな格好なのに曲はぴたりと決まるそのギャップに魅せられてしまったのだ。格好いい!
コンサートの曲目は、組曲の中の有名どころのピックアップだったが、これを聴いたからには全曲味わいたいと思うよ。そして、同じ作曲家のほかの曲も聴きたい。
こんなことがあってからずっと、サブスクに加入しようか迷い続けている。加入して暇さえあれば聴いている自分を想像している。