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シーズンズ ~2万年の地球旅行~

2016-02-19 20:37:52 | 映画

先日、仕事帰りに映画を観てきた。

ネイチャー・ドキュメンタリー、"シーズンズ~2万年の地球旅行"だ。

キャッチコピーは、"さあ、時空を超えるタイムトリップへ――"。

 

 

数年おきくらいに度々公開されるネイチャー・ドキュメンタリー。

これまで、ライフ~いのちをつなぐ物語~や、日本列島いきものたちの物語など観てきた。

基本的に自然やいきもの好きではあるので、

絶対観たいというわけではないが機会あれば観ておきたいという感じ。

このシーズンズも、四季を通じて描かれた、いきもののドキュメンタリーだろうと勝手に思い込み、

面白そうだなと思い、急遽観ることにした。

 

タイリクオオカミ Canis lupus

 

監督はオーシャンズジャック・ペラン氏とジャック・クルーゾ氏。

今作もまたタッグで、監督・制作・脚本を手掛けた。

日本語ナレーターは、木村文乃笑福亭鶴瓶

総スタッフ400人,構想4年,総製作費40億円!

なんだか4に拘った?数字の羅列を謳い文句に公開されたこの映画、

期待して鑑賞に臨んだ。

 

トナカイ Rangifer tarandus

 

2万年前の地球。

氷河期が終わりを告げ、大地に四季が訪れる。

草木が芽吹き、森が生まれ、その森で数多くのいきものたちが、

春夏秋冬、生命の営みを続けて行く。

出産,子育て,狩り,ひとり立ち,メスをめぐる争い,冬の蓄え,・・・。

肉食動物,草食動物,哺乳類,鳥類,爬虫類,昆虫・・・。

いきもの達の生活は四季を通じて、鮮やかに彩られていた。

 

ヨーロッパオオヤマネコ Lynx lynx

 

そんななか、森のいきものの一種に過ぎなかったヒトが、

高度な知能を持ち、狩猟生活から農耕生活へと移ろう。

森を破壊し田畑を広げ、いきもの達は棲み家を失い、山奥へと追いやられる。

森のいきものの冬の時代が再び到来した。

あるものは絶滅し、あるものは人里に順応し、またあるものはヒトとの共存を選ぶ。

ヒトが森を恐れて破壊し、森のいきもの達を害獣とみなし駆逐し、

高度な文明社会を築いて繁栄した。

だが、この現代、ヒトは過去の森やいきものに対する行為をあらため、

森を蘇らせ、絶滅の危機に瀕しているいきものを保護しようと動き出し始めている・・・。

冬の時代は終わった――。

 

アカギツネ Vulpes vulpes

 

・・・・。

うーん、想像していたものとまったく違った・・・。

確かに見応えのある野生動物の映像がたくさんあるのだけど、

明らかに意図的に作られた映像も多くて興ざめする。

なので、ヒグマやシカが激しく争うシーンも、オオカミやヤマネコの狩りのシーンも、

そのシーンを待って撮影したのではなく、

そうけしかけてから撮影したのではなかろうか?と思えてしまう。

 

ヒグマ Ursus arctos

 

また、原始人~現代人としてヒトが登場するのだが、あれが要らない。

ネイチャー・ドキュメンタリーを鑑賞するにあたって、

人工物やヒトというものが、どれだけ邪魔な存在なのか、制作陣は解っていないようだ。

この界隈では名の知れた、ヒットメーカーなようだが、

四季というテーマで、このストーリーはいかがなものかと首をかしげてしまう。

 

コキンメフクロウ Athene noctua

 

いちおう四季がテーマなので、春夏秋冬のある地域のいきものしか登場しない。

というか、撮影はヨーロッパ限定なので、

キリンだのゾウだの、サルにライオン,トラ,サイにパンダなどを期待しても登場しない。

まあそれでもいいのだけど、親子で鑑賞に臨もうとしていて、

子どもがそういういきものを期待しているならば、

そうじゃないということを予め認識しておかなければいけない。

 

キタリス Sciurus vulgaris

 

子どもは500円という特別料金で鑑賞できるので、

小学生の子どもを持つ親御さんにはお勧め。

よくよく観ると、子ども向けの内容だったかもしれない。

純粋にネイチャーものが好きな大人だと、やっぱりどうしてもヒトの存在が邪魔だし、

野生ではない、訓練した動物を使って意図的に撮ったように見えるシーンが気になってしまう。

だが、子どもはそんなこと気にしないだろうし、

ヒトが自然破壊していきものの棲み家を奪っていることなどを、

リアルな動物目線で学ぶこともできる。

 

シロエリハゲワシ Gyps Fulvus

 

あと、これは仕方ないけれど、

笑福亭鶴瓶のナレーションがいただけない。

いや、鶴瓶師匠は大好きなタレントなんだけど、

こういうのに関西弁でナレーションされるのはちょっと・・・。

しかもすごく、ぎこちない。

なんでもナレーション自体は関西弁でOKだったのだが、

"クマ"とか"ウマ"とか、いきもののイントネーションは共通語に矯正させられたらしく、

それがうまくできなくて、かなり苦労してしまったとのこと。

ぎこちなく聞こえたのは、そのためだったのかもしれない。

どうせなら、ふだんの口調で自由にやらせた方がずっとよかった。

クリスタル・ケイの主題歌はよかった。

 

ヒグマ(仔) Ursus arctos

 

公開から1ヶ月経ち、公開終了の劇場が増えてきた。

いきもの好きのお子さんが居るならば、

500円という特別鑑賞料金を考えると、ぜひ見せておきたい作品。

バイソンの群れに、ヒグマの戦いに、オオカミの狩りに、トナカイの大移動に興奮するはず。

 

ハイイロガン Anser anser

 

グッズ売り場で購入したバイソンのフィギュア。

1,144円也。

 

同じく購入したアカシカのファミリー。

全部で2,590円也。

 

くしゃくしゃのザラ紙と段ボール片、このチープな緩衝材がたまらない。

 

アカシカ(仔):604円と、チョコエッグのニホンジカ(仔):158円との比較。

さすがに価格の差がクォリティにはっきりと表れている。

いや、チョコエッグのオマケもクォリティ高いと思うよ。

  



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