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先日、広島県呉市のとびしまへ行った際、マラソン大会により全面通行止めになっており、
目的地だった、豊島,大崎下島へ行くことができず、
足止めを食らった上蒲刈島の物産店で色々買い物をして帰った。
その際、見つけて購入したご当地ラーメン、"豊島ラーメン"。
細長い紙箱でイラストに味のあるパッケージ。
豊島でよく水揚げされる、タチウオが描かれている。
ほぉ、特産品のタチウオを使うてラーメンを開発したんか!
20年近く前、自分が居た頃から、島の婦人部の人たちが中心となって、
特産品である、みかんやひじきを使って、商品の開発に積極的だったのを覚えている。
とうとうラーメンなんて作っちゃったか!
並んであったしょうゆ味,しお味,
そして漁師うどんなるものもあったので、迷わず三つとも購入した。
添付されていた骨粉を加えてみても、あんまり味も香りも判らなかった・・・。
まずは"豊島ラーメン 漁師風タチウオしょうゆ味"。
ちょい長めの干麺にスープとスパイス・・・じゃなくてタチウオの骨粉付き。
タチウオの骨粉を最後にトッピングするのだとか。
漁師風って、豊島の漁師がこんなん作りよったんか?
あの荒くれのおっさんらが?
船で魚さばいていると思ったら、おもむろに立ちあがり、
人目をはばかることもなく、ぽこちん出してその場で放尿。
で、何事もなかったかのように魚さばき再開。
もちろん手はそのまま。
「@×&*#なんしよんならぁ!!」
「こんなぁ、*@$かいの!!」
朝、通勤していたら、ワケ解んないこと大声で怒鳴りながら絡んでくるんだぜ?
すでに漁を終えていて、朝っぱらからできあがっており、
顔真っ赤でねじり鉢巻き、一升瓶片手に肩組んで千鳥足でさ。
トッピングが多過ぎて判らないが、
スープには背脂がたっぷりで、尾道ラーメンそのものだった。
無難に美味しい。
しょうゆ味のラーメンで最も好きな、尾道ラーメン。
あっさりした魚介スープに、こってりした背脂がブレンドされ、
なんともいえない、コクのある味。
あれに限りなく近いな~と思った。
尾道も同じ広島、まあ似てしまうかもしれないな。
写真映えするよう、色々乗っけたが、
市販のチャーシューやメンマを入れてしまうと、
その濃い味付けがスープに移ってしまって邪魔になるので、
具材は抑えて食べた方が、純粋にスープの味を愉しめるはず。
しお味には、特製スパイス付き。
こっちも、あまりよく判らなかった。
舌バカになっているのか?
亜鉛摂らな。
次いで、"豊島ラーメン 瀬戸内海産 藻塩使用タチウオ塩だれ味”。
これは美味しい!
しお味スープなので、より魚介の味を強く感じることができる。
あっさりしていて、それでいて濃厚な魚のだし。
漁師町の味を想像すると、しょうゆ味よりも こっちの方がしっくりくるかもしれない。
ベースのしお味には、蒲刈町特産の海人の藻塩が使用されている。
海藻由来の成分がたくさん含まれているため、ふつうの塩よりもまろやかな藻塩。
たしかに、このタチウオしおラーメン、まろやかな感じだ。
最後にラーメンと並んであった、"漁師うどん タチウオしょうゆ味”。
こちらは特に変わった調味料など添付されておらず、しょうゆ味のスープが添付されているのみ。
平打ち中細めん、コシは弱めだったか。
というか、若干 茹で過ぎた?
干麺って茹で加減が難しい。
まあまあ、可もなく不可もなく。
魚介のダシが効いていたのは確か。
三つの商品食べて思ったのが、タチウオってどんな味だっけ?
いや、島に居る頃よくいただいて食べていたし、
うちのお母んも、タチウオのソテーをよく作っていたし、
しょっちゅう食べる魚ではあるのだけど、これといった味のイメージがない。
刺身なんかでは、歯ごたえがあるっていうのが印象的であるけれど、
実際、魚のなかでも淡泊な味の方で、あまり特徴がないような・・・。
自分の舌がその程度なんだろうが、魚介スープは判るんだけど、
タチウオの味だ!っていうふうにはならなかったな。
パッケージの裏に書かれている商品の説明。
豊島ラーメンも漁師うどんも知らないんですが。
豊島ラーメンの商品のパッケージの裏側を読んでみる。
>豊島に語り継がれる懐かしい昭和のラーメン
>海の男が愛した島の味このたび復活!!
・・・。
5年ほどおったけど、はっきり言って豊島ラーメンなんて知らん。
いや、"復活"とあるので、自分が居た頃に一時途絶えていたというのなら納得できる。
"語り継がれ"って書いてあるのだから、やはり途絶えていたと考えるのが普通か。
売り場にあった商品パンフレットの方には、地元特産のタチウオの一夜干し。
それの製造過程で出る廃棄されるアラを利用して、地元企業と商工会が商品を企画。
そうしてこの豊島ラーメンが生まれた云々とある。
どっちなんだよ?!
「昔、食べた**とこのラーメンがうまかったのう。」
「**とこの母ちゃんが作りよった うどんがうまかったのう。」
そんな漁師たちからのリサーチを得て、地元の商工会が動く。
「ほいじゃあ復活させて、ご当地グルメにせんかいや!」
「どうせなら特産品を使うた方がそれっぽくなるわいや!」
「豊島言うたら、タチウオじゃわいや!」
「ほうじゃ!ほうじゃ!!」
昨今のB級グルメ・ご当地グルメブーム、
何十年も愛され続けたとか、地元のソウルフードとか、
色々と謳っているメニューもあるけれど、真相はこんなものかもしれないな。
※注1
商品パンフには、つい最近商品が生まれた記載が。
民宿と食堂を兼業している店をのぞくと、豊島に一店舗だけ飲食店があった。
海岸沿いのメインストリートからはずれ、迷路のような住宅街に入った場所にある。
およそ観光客などが辿り着けるとは思えない、地元のひとにしか判らない場所にあるお店。
自分も島に来たばかりの頃、このお店に行こうとして何度ラビリンスでぐるぐる廻ったことか。
お好み焼き店なんだけど、ラーメンが美味かった。
たしか普通の鶏ガラ醤油味だったと思うんだけど、
とんこつ醤油の典型的な広島ラーメンだったっけ?と記憶があいまい。
このお店で、豊島ラーメンが供されているとのことなので、今度行ったら食べてみよう。
※注1
全国で乱立するご当地グルメ全体に対する個人的な想像であり、
本記事で紹介した豊島ラーメンはじめ、ご当地グルメ全部がそうであるとは限りません。
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