はぐれ雲

毎日世界のどこかや身の回りで起きることを自分のことばで書いていきます。かなり過激な場合もありますがいつも本音です。

浅草 尾張屋 海老天蕎麦

2022-01-17 14:36:12 | グルメ

尾張屋 上海老天蕎麦

池波正太郎は、『散歩のとき何か食べたくなって』で、
次のように書いている。
私がよく足を運ぶ神田・須田町の蕎麦屋〔まつや〕
には、この一品がメニューにあって、
それがまた、うまい。うまいといえば 〔まつや〕で
出すものは何でもうまい。
それでいて、蕎麦屋の本道を踏み外していない。
だから私は、子供のころに連れて行かれた諸々の
蕎麦屋へ来ているようなおもいがする。
そのころの蕎麦屋の店構えが〔まつや〕には残っている。


この一品とは「カレー南ばん」のこと。
池波先生は、もちろん、「もり」も好きだったのだが、
天ぷら蕎麦などから蕎麦をぬいて、
汁と種物だけにした「ぬき」で一杯やるのも好んだようです。

では、わたしの「うまい」はというと
寿司は築地、蕎麦なら浅草。浅草なら尾張屋の海老天蕎麦。
幕末の明治3年に創業した蕎麦屋「尾張屋」がおすすめです。
わたしは京都、金沢、仙台などから遠方から来た友人は必ずここへ案内します。
蕎麦は永井荷風や円朝師匠がこよなく愛した二八蕎麦で、白い麺で、コシが強め。
そば粉には、そばの実の中心部のみを挽いた更科粉を使っているそうです。
個人的には「大海老蕎麦」がお薦めです。

出汁やかえしには特徴も無く、ネギと三つ葉が乗っていて
上品な香りを放っているくらいしか特徴が無いけど
隠し味に柚子が入っているのが好きですね。。
本当は、そば殻まで挽き込んだ黒い蕎麦が好みだし
濃いめのかえしをベースにした蕎麦が良いのですが
それを大きく凌駕るす要素が3点あります。
一つは、大海老天二匹。丼からはみ出すレベルのサイズの車海老は、サクサクブリブリで
なんと、胡麻油で揚げられているため、風味も格別なのです。
二つ目は、ボリューム。蕎麦の大盛りは、
他のお上品な蕎麦屋とは趣を異にして好ましい。
最後に価格。2400円は安いと感じてしまいます。
富士そば常連のわたしでもこの味なら納得のお値段です。

納得行けば野口英世何枚でも。
納得いかない支払いは100円でもイヤや。
これが江戸っ子(元)なのかな?


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