べんきょうなせん(='ω')

べんきょうは論理で考えるトレーニング
熊本県山鹿市中高大学受験の "あすく" です

いまの小学生が大人になるころ

2015年08月08日 | 私から保護者へ
 今年小学一年生が大学を卒業するとき、65%の児童がいま存在しない職業に就くそうです。

 10-15年後のごく近い未来です。お子さんに直接関わる未来です。10年後になって、あわてて対応はできない未来です。


 2015年5月、安倍首相が直接開く「教育再生実行会議」と文部科学大臣の諮問(しもん※専門家に意見を求めること )に応える「中央教育審議会」との意見交換会がありました。国の教育の大枠が決まっていきます。中教審の委員として出席した櫻井よしこさんの記事から引用します。未来予想はニューヨーク・タイムズとおなじオックスフォード大学が13年に発表した論文のようです。

櫻井よしこオフィシャルサイト(個人サイト・パソコンむけ

>下村文科相が、3つの未来予想を示した。(1)今年小学一年生の児童が大学を卒業するとき、65%の児童がいま存在しない職業に就く、(2)今後10年ほどで47%の仕事が自動化される。この中には頭脳労働も含まれ人間の知的労働がコンピューターによって代替(だいたい)される、(3)2030年までに、週15時間労働の時代が到来し、現在のように週40時間労働をすれば、失業者を生み出す結果となる。(ここまで引用)


(1)今年小学一年生の児童が大学を卒業するとき、65%の児童がいま存在しない職業に就く

 かつて学生が持つものではなかったケータイもいまは子どもも持っています。Webデザイナーやケアマネージャーといった職業や資格も存在しませんでした。ほんの数年前まで田舎に住んでいれば外国人と仕事で接触するなんてまずありませんでした。いま存在する仕事さえ求められるチカラは大きく変わっていきます。わたしたち大人の頃より変化のサイクルが速くなっているのです。こうした変化が十年単位でやってきます。子どもたちは20代から60代まで三回の波にあいます。自分が悪いことをしていなくともそれは避けられない。よのなかの変化を乗り越えるチカラを身に付けることがお子さんの幸せへとつながります。

 あなたの好きな仕事をなさい。間違ってはいませんがたとえばコピー機の販売をやってる方ってコピー機が好きだからその仕事を選んだのでしょうか。わたしは先生になる気なんてまったくなく、向かなそうな仕事を消去して残っただけした。教えることは嫌いではありませんでしたが好きでもなかった。仕事はやりながらだんだんと面白くなりました。大半の仕事はよのなかと自分との折り合いをつけたものです。夢の実現じゃない。職業選択においては、わたしたち大人の"常識"は当てにならないということです。


(2)今後10年ほどで47%の仕事が自動化される。この中には頭脳労働も含まれ人間の知的労働がコンピューターによって代替される

 頭脳労働と一口に言っても範囲は広い。ひとが直接やらなければムリだと思われていた仕事が自動化され、または本社へ一本化され営業所や地方の仕事は確実に減っていきます。ひとは減らされます。機械は最初こそ高くつきますがよのなかの変化に合わせ仕事量の増減に対応しやすいからです。ATMで銀行の支店業務は減り縮小統合が進みましたし、ケータイや家電の電話サポートもすでに一本化されています。保険や書店のネットへの移行は止まらない。法人化が進む農家も割の良い労働から機械に変わっていきます。店舗でお出迎えするロボットや輸送用自動運転システムさえ夢物語ではないのかもしれません。

 それでも機械では代われない仕事はあります。すべてが自動化されることはありません。ですが給料の良い"おいしい"仕事や単純な作業から自動化は進みます。運やカンに頼って変化の波を三回も乗り越えることは難しい。ひとに残された53%の仕事を担当できるのは、大人になってからも学ぶことができるひとだけです(学校での学びとはすこし違うかもしれません)。次の10年後も"知識"は変わっていくからです。大人になってからも学びは続きます。知識量より"学ぶ"こと。それができるなら機械になんか仕事は奪われません。


(3)2030年までに、週15時間労働の時代が到来し、現在のように週40時間労働をすれば、失業者を生み出す結果となる。

 ひと同士では仕事のシェア(共有)が進みます。非正規雇用がさらに広がり、中途採用と就業規則にのっとっておこなわれる"普通解雇"が増えます。技術をみがき知恵と人脈を積み重ね雇われ先に左右されない働き方を覚えるか、学びを続け海外も含めた広い働き方を受け入れるか。いずれにせよ自分で決め自分の武器になるものは磨かなきゃならない。そして自分なりの幸せをみつけること(これが一番大切だと思います)。多くの親御さんが望む「ひとなみ」ではこれから難しくなるのでしょう。

「ひと並み」って、なんなんだろう?


 子どもたちに自分で決める経験をもっとしてもらいましょう。経験に乏しい子どもですから失敗は当たり前。小さな失敗をたくさんさせましょう。見ててハラハラしますがこらえて見守るのがわたしたち大人の役割です。子どもの小さな失敗は大きな成長を生みます。失敗を含めもっと広くよのなかに関わってもらいましょう。ご相談ください。方法はいくらでもあります。わたしたち塾業界でも"知識"は自動化が進みます。一方自動化できない積み重ねた"知恵"もあります。経験のあるプロを使うのはこういう時です。

BenePa来たる

 昔にくらべ失敗からやり直すチャンスははるかに増えました。平均年齢が伸びました。終身雇用が崩れるのは不安でもありますが仕事を変えることは珍しいことではなくなるわけです。もちろんなにも身に付けずに職だけ転々とするのはおすすめできません。「どこかに自分に合う仕事が用意されている」、自ら学ぶことがない運をあてにする生き方です。宝クジが当たるひとはどこかに存在はしますが、わたしならそんなものをあてに生きてはいかない(ささやかな楽しみとしてなら別です)。持っている才能は使いましょう。しかし磨くことのなかった才能は簡単にあせていきます。そのため"子どものうちに"自分で決める経験と失敗を含め広くよのなかに関わってもらいましょうなのです。

待ってあげましょう


 子どもたちの努力をほめること。結果より努力や工夫を"意識をして"ほめること。カンやいまある才能だけで100点取ったで伸び止まる子を大勢見ました。小学生のカンなんて小学校までしか役に立たないからです。仮に磨かなくともビリにはならないでしょう。でも「昔は出来た」にしがみつくばかりならずっと伸び止まったままです。60点でも努力と工夫で取ったのだとしたら、大人になってからも伸びることになります。これからの10年で有利なチカラです。

 また周りの人と協力ができること。もめごとをおこさない仲良くや「空気を読む」ではなく、他人のチカラを上手に借り自分のチカラを貸せるようになることです。仕事のコミュ力ってただのおしゃべりとは違いますからね。たとえば、周りの大人が察してあげることは避け、自分から上手に質問ができる状況を整えてあげること。親子だけのセカイから外のセカイへ送り出さないとこれを整えることは難しいと思います。

 わたしから保護者の方への提案です。無理のない育成には数年はかかります。10年後、あわてて対応はできない未来が確実にやってきます。まず親御さんから変わってみましょう。親御さんが変わるのを見て子どもたちは学びます。わたしたち塾講師にはかなわない領域です。(塾長)


かつて部活は就職に有利、でした

時間を守るということ


「さあ、始めましょう」

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