べんきょうなせん(='ω')

べんきょうは論理で考えるトレーニング
熊本県山鹿市中高大学受験の "あすく" です

平衡を助ける、病院の処方(しょほう)薬

2015年06月03日 | 理科
並行(へい-こう):2つ以上のものが並(なら)んで進むこと、同時に行われること

平行(へい-こう):どこまでいってもずっと交(まじ)わらないこと

平衡(へい-こう):バランスがとれている様子

[例1]平衡を保(たも)つ。
[例2]平衡感覚を失(うしな)う。

 
 ふたつの仕事が並行する。話が平行線をたどる。今回は、あなたのからだがかたむいたとき無意識にバランスをとる平衡感覚の"平衡"のお話です。

 ヒトのからだは、ボタンAを押したらどうなるとかボタンBを押したらこうなるとか、そんなに単純にはできてません。全体でバランスを保(たも)とうと、からだがガンハっていつも調節し続けているからです。からだに菌(きん)が入って暴れ始めても、すぐ高熱にならないよう調節している。食べ方に偏(かたよ)りがあっても、血液の濃さを一定にしようとしガンバり続ける。

 外からはなにも起こっていないように見えて、中でなにかが進行中なのが"平衡"です。


[病気はひとつの症状だけではない]

 ひとつの薬がやってくれることはあまり広くありません。薬Aを飲んだら症状Aがおさえられるとか薬Bを注射したら臓器(ぞうき)Bのはたらきを助けるといった限られた効果です。ひとつの薬だけでは、病気全体の症状をおさえたりその原因までいっぺんに治せるかわかりません。

 たとえば風邪(かぜ)は、ひとつの病気ではなく似た症状(しょうじょう)を起こすいくつか病気や症状の総称(そうしょう)です。

 風邪には寒気(さむけ)という"症状"があります。高熱という症状から次に周囲の空気が冷たく感じるのです。その高熱の原因は、菌がからだのどこかをこわしたからかもしれないし全身にふえた菌(多くは熱に弱い)を殺そうとからだが体温を上げたからかもしれない。薬で直接菌を攻撃するのか菌と戦っているからだのはたらきを薬で助けるのか。治療(ちりょう)方法もひとつではありません。さらに年齢やアレルギーやほかの症状などそのひとの状況により、どの治療が最適かが決まります

 薬Aを飲んだら病気が治るとか薬Bを注射したら治るとか、そう単純にはいかないのです


「こん薬は効かんもん」

「これ俺に効いたからあんたも使いなっせ」

 病院から処方された薬を自分の判断で止めたり他人の薬を使ったり、処方に無頓着(むとんちゃく)なひとビックリするくらいいるんだね。意外。

 処方(しょほう)なしに買える街のくすり屋さんの薬は、薬Aを飲んだら症状Aがおさえられるといった比較的単純な成分です。一方病院で処方された薬は、薬Aが効きはじめたらそれから薬Bが効くとか薬Aは良く効くけど便が出にくくなるから薬Bとセットでとか、からだの平衡を助ける成分を組み合わせています。最近は飲んで何時間後に効くとかかなり細かく指定できる薬もあって処方される薬も増えました。これは一昔前にあった薬価稼ぎの薬漬けとは違います。いまは病院が不要な薬を出すと保険の点数が付かないよう法改正されています。


 血液や血管に異常があっても、心臓や脳のように生死にかかわる重要な器官は影響が最後に現れます。あなたに異常が感じられなくても少しずつ状況は進行していきます(無理がとうとう症状として現れてくるのが厄年だと思います)。からだの見えない部分に効いていたり、一見症状とは無関係なからだの働きを助けていたり。ヒトのからだは"平衡"を保(たも)とうとバランスをとり続けています。病院の薬はそれを助ける処方がされているのです。

 処方を守って助けてあげましょうよ。あなたのからだ休まずガンハってるんだから。(塾長)


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