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→♂♀←_no.3_2010:時の娘_ロマンティック時間SF傑作選

2010-08-18 21:49:36 | 今月のお薦め_XX.20XX
ロマンティック時間SF傑作選
時の娘

ジャック・フィニィ、R・F・ヤング他
中村融 編 創元SF文庫

時間SFの短編集です。いろんな有名作家さんの作品、それも
あまりお目にかかったことがないモノばかりで、オモシロメズラシお得な一冊です
(稚拙な英語力のため、原文を読めないせいでもあるのですが)。

ウィリアム「チャリティのことづて」は読んでいると
フレッシュな気分になります。ジャック・フィニィの「ラブ・レター」を思い出し、
同作品のオモシロさも再認識。

ジャック・フィニイ「台詞指導」を読んで、フィッツジェラルドの「冬の夢」を思い浮かべてしまった。
美しい女性が相手にされない悲哀を見事に描いているのが両作品に共通する特徴と思う。
と同時に書き手の技量の高さに改めて感心させられる。しかも、「台詞指導」は時間ネタの妙を活用。
フィニィは偉大である。

ロバート・F・ヤング「時が新しかったころ」を読んだら手塚治虫の「W3」を読み返したくなった。

その他に
ウィルマー・H・シラス「かえりみれば」は楽しかったし、
デーモン・ナイト「むかしをいまに」、
チャールズ・L・ハーネス「時の娘」、
C・L・ムーア「出会いのとき巡りきて」は、なんとなく
装甲騎兵ボトムズのキリコとフィアナを連想して、
ロバート・M・グリーン・ジュニア「インキーに詫びる」では
悪気がない、その悪気がないことが感覚的に分かっていても、
口から出る言葉や、そして、その言葉に基づいてしまう行動や反応は・・・。
時を戻したり確認したくなるのは、そんな時かも、と。
“詫びる”は巧い邦訳です。

ナカナカのコストパフォーマンスのとれた文庫であります。

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