ivへ
(リユース)ロケットと(超高度)エレベータ(用新素材ケーブル)
時計の針を衝突3時間後まで巻き戻す。
ビル管理、ビル内のホテル、カジノ施設、各ショップ、クリニックなどスタッフだけでは人数的にもスキル的にも足りない。
エレベータ研究者は建築のプロでもあるからリニア車両衝突フロアで計算のヘルプをしていた。作業上、倒壊の危機に直面している事実を知る側になり、作業の合間に破損個所を新素材ケーブルのサンプルで補強できないか、部分的な補強をしても倒壊を止める、またはユニット交換を可能にする補強を検討したがこのフロアより上1.9㎞分の偏った荷重の前では焼け石に水な計算結果が出るだけだった。
真実を知る側の覚悟として、何も知らずに避難の順番を待っている人々がいる間はビルを出るつもりはない。だからと言って新築超高層ビル倒壊予測時間の更新以外出来ることもないので作業の合間に大事な人々にメモを残すことにしたが、それも済ませてしまったエレベータ研究者。
微妙なバランス部分のモニタ映像を見ながら、真実を知る側だけに使用が許可されている有線の利用者リストに宇宙飛行士の名前を見つける。シンポジウムでは腹を立ててしまったが、高名な物理学者でありながら宇宙飛行士でもある博士の見解を前向きに引き出す努力をすれば良かったと今更思う。
謝っておこう。
連絡を取ると今のところ、絶対にビルから避難しないと言い張る超VIPを最後の最後、力づくでも避難させる際にロケットによる避難を頼まれているらしい。秘密なのに教えてくれた。
だからというわけでもないが、破損箇所を実際の見て、全員避難完了予定時間である12時間まで建物が保てそうでないことを伝える。
このままでは、多くの犠牲者が出ることが間違いないのに宇宙飛行士のリユースロケットにもエレベータ研究者の丈夫なケーブルにもできることがないのだ。
それなのに宇宙飛行士は超高度エレベータを、エレベータ研究者はリユースロケットを罵ってしまったことを後悔する二人の探求者は今一度、相手のアイテムを思い浮かべる。
宇宙飛行士はロケット+(とても丈夫な)ケーブル。
エレベータ研究者はケーブル+(優れた操縦士が操る)ロケット。
!?
衝突から3時間と42分経っての出来事。
viへつづく
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