今日は2020年初の読書交換会だった。楽しかった。ひとまず年末年始に読んだ本の感想投稿。
4冊目、そして最後。下村敦史さんの小説「真実の檻」(角川文庫)を読んだ。
この本は読書交換会でいただいた小説。そして本日の読書交換会で旅立っていった。
⇒東京読書交換会ウェブ
テーマは冤罪。何気ないところで何気ない人の行動がふと大胆だったりして、はっとさせられた。というかその行動に至るまでの苦悩が描写されず、いきなり行動が来る感じ。それが複数の人についてある。
だからこそかえってリアリティがあって、読まされてしまった。
なんというか、あたしたちは相手の心や頭のなかを覗けない。そして濃い付き合いもほとんどない。だから、多くの人の行動を気にせず、そしてその行動の意外さにあるときふとびっくりしたりする。
けれども、当たり前だけど、ひとりひとりのなかには理由や真実、葛藤や哲学、独自の考えがあって、ものすごい複雑な生命体。だということを思い知らさせてくれる本だった。
ある行動をとる理由はさまざまで、どれも本人のなかではもっとも優先すべきことであり、理にかなっている。
テーマは重い。なのに、全体的にさらっとしていて、しかも裁判のこともよくわかり、エンタメ小説として読める。このバランスの取り方、きっと神業なんだろうな。
読んでいるあたしはただ楽しませていただきました。家族への愛がこみあげてくる小説でもあります。
お正月の読書日記はこれでおしまい。本年も本の年にしてまいります。「本年」も「本」の「年」にするというのはダジャレのつもりで言ったり書いていて、それなのにみんなにスルーされ続けているというのは、よくあることです。
ではまた
東京都豊島区池袋で読書交換会を開催しております。人にあげても差支えがない本を持ち寄り交換する読書会です。
⇒東京読書交換会ウェブサイト
※今後の予定は2020年1月25日(土)夜、2月7日(金)夜です。
◆臼村さおり twitter @saori_u
思考していることを投稿しています。