一昨日の夜は、ひたすら本を読んでいた。小説の世界に没頭するの好きー
深町秋生さんの小説「探偵は女手ひとつ: シングルマザー探偵の事件日誌」を読んだ。
探偵は女手ひとつ: シングルマザー探偵の事件日誌 (光文社文庫) | |
深町 秋生 | |
光文社 |
深町秋生さんは2004年に『このミステリーがすごい!』大賞を受賞された作家とのこと。この度、初めて作品を拝読した。
「探偵は女手ひとつ: シングルマザー探偵の事件日誌」は、山形市で探偵事業を営む女性を主人公とした連作短編集。彼女は元警官。警官との結婚を機に退職したが、夫は死んでしまい、シングルマザーとなる。その後、探偵稼業で一家の大黒柱となっている。女性探偵は探偵とは名ばかりで、実際は生計を立てるために、農作物の仕分け、歓楽業で働く女性の運転手、家屋の雪下ろしと山のような副業をしている。本の中では、かつての同僚・上司・部下(つまり警官)、補導していた元少年と一緒に事件解決をサポートするストーリーが綴られていたよ。
まずなんといっても、山形弁が新鮮だった!!
小説に出てくる会話はほぼ山形弁。最初は会話の意味がわかりかねるほどだったのだけど、途中から気にならなくなった。
関東でしか暮らしたことがないあたしからみると、正直なところ、ここまで山形弁だと誇張というか、やりすぎではとおもってしまう。本当に年齢を問わずこんなに山形弁だらけなのだろうか。。。。とおもってしまう。
自分を関東代表のようにして語ってしまいおこがましいけれど、これが関東で暮らす一般的な温度感な気がしている。でもひょっとしたら、そもそも、あたしのように自分のルーツが関東しかないという人も少ないのかもしれない。(父方は金沢だったのですが、詳細知らず、金沢には一度観光で行ったことがあるだけなのです)
山形ご出身の方と、この本について語る機会があればうれしいな。
記憶にある限り、方言が主体の小説は初めて読んだ。これからもっと出てくるのだろうか。
けれども、まったくもって余計なお世話だけど、方言を主体にすると、読みくいわけであって、小説の売れ行きが落ちるのではないかともおもってしまう。気になる。余計なお世話ですよね、本当に、すいません。
とはいえ「探偵は女手ひとつ: シングルマザー探偵の事件日誌」については、方言でもストーリーがわかりくいとならないのは、それだけ小説がわかりやすく書かれているからなんだろうね。あたしも一度も飽きずに読んだ。すばらしい!
コミカルなのに、そこにふと地方の悲哀、貧困のことがなにげなく登場し、剃刀の刃でハートを切られたような衝撃が何回かあった。そして、一見自分とは設定が大きく違うのに、自分自身もおもいあたり、胸がジーンとすることも。
山形の様子がよくわかったというべきなのか、いやいや、「これは誇張なんじゃないか?」「デフォルメしすぎなのでは?」とおもうべきなのか、判断しかねている。そして気になるー
ではまた
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