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Capsule『Starry Sky』

2021-03-07 04:46:59 | 音楽・CD

Capsule Starry Sky OTONOKO 2017

 これがいわゆる「電子ドラッグ」というやつである。言い換えればエレクトロ二クス・ドラッグ。実は思うことがあってPerfumeを語りたいのであるが、語る上でさまざまな解釈の誤解を避けたいためにその前にどうしてもこのCapsuleを取り上げないといけないと思ったしだいである。誤解というのはざっくりというと、唐突にでもPerfumeを語りたいと呟いた瞬間、おいおい年齢50を超えたおっさん(私)が何を今さらPerfumeて恥かしくないのか?…とあたかも隠れキリシタンよろしく恐る恐る踏み絵をふまなければならないような思いに追い込まれるのを避けるためであって、じゃあ今さらCapsuleかよと言われてしまえばそれはそれでアンダーグラウンド(地上波TVではなかなかお目にかかれないという意味で)な部分で開き直ることも可能であるので、そこは十分に切り返しはできる。しかしPerfumeはメジャーなのでそうもいかない。広島県出身の美女3人が歌って踊れるテクノポップユニットの括りを軽く超越してしまっているのは、少なくとも『edge』や『Game』、『Butterfly』を聴けばすぐにわかることだ。Perfumeに裏も表もないのだ。

 Capsuleの話に戻すと、 曲は本当は『Presure ground』が一番好きなのだけど、これといったLiveを撮った動画がなかったので、もうひとつ名曲の中の名曲として断然譲れない『Starry Sky』を載せた。少し前まで街中でたまにこの曲が聞こえる状況があったのではなかろうか。ひとまず結論を言おう。中田ヤスタカを知らないとPerfumeは語れないのだ。いや、容易に語れるけど語り切れないはず。これは間違いのないことである。

 CapsuleはPerfumeの「エレクトロワールド」を聴いた時にそのサウンドの迫力に驚き、すぐに作曲者はどんなプロフィールなのかと調べて初めて中田ヤスタカの存在を知った。初期の頃の作品はすべて後付けで聴いてきたけど「東京喫茶」なんかは完全にピチカートファイブにインスパイアされている印象があった。エレクトロニックに転向した過渡期に『Starry Sky』を初めて聴いた時は頭をかち割られる衝撃が走ったものだ。クラブ系の音楽は詳しくなくあくまで趣味の領域は当然なので恐縮してしまうが、とにかく飛び出すサウンドのスケールが大きく、今までの音楽シーンには存在しなかったものが突如発生した覚醒感のあるインパクトは計り知れないものがある。すべて中田ヤスタカの完全コントロール配下にある。イントロとか間奏とかAメロだのサビだの要素間のボーダーを消失させて繰り返されるサウンド。それは楽器機材や演奏者の実体は無く、すべてビット化されて中田ヤスタカの手元のマウス操作でフワッと作成されている。チャーミングな容貌と小柄で細身なわりに力強い声質のボーカリストであるこしじまとしこの声さえもあわよくば電気信号に変換されて表現されるのだ。Starry Sky。まさに見上げる広大な星空までもが仮想世界の現実。気揺れる身体は気持ちのよいmusicに支配される。深淵な世界観を脳内に注入しつつ、Perfumeを語る上でのプロローグのさらにプロローグといったところで今日のところは着地しておこう。



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