MARY HOPKIN - "Ocean Song" (from David Nixon's Magic Box, 5 Oct 1971)
メリー・ホプキンのCDアルバム『EARTH SONG/OCEAN SONG 』を入手した。ここしばらく毎晩聴いている。メリー・ホプキンというとポール・マッカートニーがプロデュースしたデビュー曲「Those Were The Days」とセカンドシングル「Goodbye」が世界的ヒットを飛ばして、その可憐さ溢れるアイドル的存在が強調される。しかし有名なエピソードだけどポールが次にポップにアレンジした「ケセラセラ」ではホプキンサイドは発売を渋り、音楽性の相違からポール・マッカートニーとは決別してしまうのだ。その後、夫となるトニー・ヴィスコンティが『EARTH SONG/OCEAN SONG 』を制作する。映像の『OCEAN SONG』はそのアルバムの最後の曲であり、ブリティッシュ・フォーク漂う、英国の乾いた寒風が吹きすさぶ中で孤独に佇む風景のような哀愁を帯びた名曲で、ベースの低音とホプキンのやさしい美声が淀みなく心に沁みこんでくる。メリー・ホプキンが本当に歌いたかった歌。これが本来の姿なんだろうなと。運命の罪深さとは、ポール・マッカートニーが制作した1stアルバム『POST CARD』と2ndの『EARTH SONG/OCEAN SONG 』。この2枚のアルバムをどちらも好きとは決して言ってはならないと囁くメリー・ホプキンとの約束のようなものなのである。