お元気ですか?
私は今Lynchburgよりずっと東にあるWakefieldという農場に住んでいるMrs.Pondという方の家にいます。私とAunt Sallieは27日にLynchburgをあとにして、車で4時間ほどドライブしてWakefieldにやってきました。
Mrs.Pondは彼女の友達です。息子さんが2人いるのですが(養子とのこと)、もう結婚してしかも去年ご主人を不慮の事故で(農場で働いていた時、機械に巻き込まれてしまったそうです)亡くし、広~い農場に一人で住んでいます。私はいっぱんで彼女が気にいってしまいました。老婦人には違いないけれど(Aunt Sallieと違って)頑固でないし、底抜けに陽気でユーモアの持ち主です。ご主人を亡くしたばかりなのに、とってもしっかりしているの。私は食事の手伝いやお皿洗いをしながらよくおしゃべりしたのですが、すばらしい婦人です。
【WakefieldのMrs.Pond宅にてMrs.Pondの愛犬と】
彼女の農場は500エーカーもあると聞きましたが、見渡す限り広々とした畑が続いていて、映画やTVで観た通りの農場風景なのです。こんな所に住めたらステキでしょうね。奴隷が住んでいたという小屋や台所もある大きな家です。
【Wakefield】
【食事時を告げる鐘と奴隷小屋】
Mrs. Pondはとてもお料理が上手で、着いた日はターキーのご馳走をしてくれました。(クリスマス以来、連日七面鳥攻めで、ちょっとうんざりでしたが、でもとてもおいしかった)。七面鳥の料理方法や典型的なメニューなど、すっかり覚えこんでしまいました。
昨日は朝早くからドライブして、Williamsburgへ行きました。Wonderful!!の一言に尽きます。Williamsburgは小さな半島(大きな河に囲まれているの)なので、カーフェリーでJames Riverを渡ります。 James RiverはLynchburgの街中も流れている河ですが、ここは河口なので海のように広いの。無数のカモメが飛び回っていました。James RiverはもちろんKing Jamesにちなんでつけられたので、植民地時代はたくさんのPuritanたちがこの河に沿ってVirginiaに入ってきたわけです。
フェリーはまずJamestown(Virginiaで最も古い町だそうです)に到着しました。この町もとても歴史的な町なのですが、今回はただ走り抜けただけでした。まもなくWilliamsburgに着きました。この町はすべて観光用に、昔のままの姿をとどめているの。電信柱などないし、家々も古いままです。ちょうどクリスマス休暇の時期なので、たくさんの観光客がアメリカ中から来ていました。家々のドアの飾り付けのリースなどもここでは決して人工的なものを使わず、本物の果物を使っています(林檎、レモン、胡桃など)
5ドルの切符をMrs.Pondが私のために買ってくださったので(彼女とAunt Sallieは何度も訪れたことがあるので、今回は買わなかったのです)それでいろんな家の中に入ることができました。といっても、一つの家の中を見学(ガイドつき)するのに45分ほどかかるので、私が見たのは、Capitol, Raleigh Tavern, Peyton-Randolph House,の3つだけでした。Capitolは植民地時代のself-governmentの中心地です。ガイドは植民地時代の衣裳をつけているの。男の人は三角形の帽子をかぶり、膝までのズボンをはき、白いソックスをつけ、四角いバックルのついた靴を履いているの。女性はもちろんロングドレスを着ています。
Capitolの中では、meeting roomやcourt roomなどを観ました。ここにWahingtonやThomas JeffersonやPatrick Henryらが座って独立戦争をめぐる議論をしたわけです。(もっともオリジナルの建物は焼けてしまって、再建されたそうですが)
Raleigh Tavernは、とおりに沿った大きな酒屋で、玉突き場などもあり、Thomas JeffersonやWilliam Byrdなどがよく出入りしたそうです。William Byrd家はVirginia第一の富豪かつ政治家だったそうですが、William Byrd IIIはここの酒屋で勝負事をし、家の財産をすっかり摺ってしまったんだそうです。フラッシュが無いので、カメラで取れなかったのが残念ですが、無理に暗い中で写したので、ボンヤリと写っているとは思います。
Payton-Randolph Houseとは、最も古い典型的な植民地時代の邸宅です。Paytonはspeaker of the House of Burgessesだったそうです。Everything was wonderful!! 外の通りは4頭建ての馬車が当時のように走り回っていますし、あるサークルでは昔の野外遊びをコスチュームをつけた人たちが演じています。すばらしいhistorical placeです。
3時半頃Williamsburgをあとにして、車で少し行った所にあるCarter's Grove Plantationというところに行きました。Plantationの広大な敷地に囲まれた大邸宅です。Carter BurwellはHouse of Burgessesの一員でしたし、大富豪だったわけです。この家は1755年に建てられたオリジナルで、当時のままに家具調度も飾られているの。1階2階合わせて部屋が20室もあり、中でもおもしろいと思ったのが、Refusal Roomというものです。この部屋ではWashingtonとJeffersonの2人がプロポーズをして断られたというエポイソードがあるの。JeffersonはBurwellの姪のRebeccaという娘に恋をして、この部屋で求婚したんですって。とにかく私にとっては、ついこの前の学期のコースで苦労して読まされた本の著者たち(Jefferson, Burdなど)の名前がまだ記憶にあったので、とても興味深く見学できました。American Civilizationを学ぶには、もってこいの州に留学できたわけです。本当にいい経験でした。
40分くらいかかって家内を見学し終えた時には、もう夕闇に包まれていて、外に出るとすばらしい夕暮れの景色でした。家のフロントドアの向こうには、この家の敷地である平原(庭なんてもんじゃない)が広々と広がり、その向こうの夕闇の中にJames Riverが悠然と横たわっています。まるで映画のような光景でした。
それからMrs.PondとAunt Sallieとで夕食を取りに出かけました。再びフェリーで河を渡り、しばらくドライブしてHouse of Old Surreyという名前の可愛らしいレストランで(ここの女主人はMrs.Pondの友達なの)お食事をしました。すべてここの女主人のお手製の料理だそうです。デザートに食べたレーズン・ピーナッツ・パイ(ものすごくコッテリしているの!)は、彼女のご自慢で、作り方は秘伝だそうです。言い忘れましたが、この付近はピーナッツの産地です。どこへ行ってもピーナッツを売っています。
お食事を終えてから、帰りにMrs.Pondの友達の家にちょっと寄って帰ってきたら9時過ぎでした。
さて、今日27日は日曜日なので、朝10時から教会に行きました。Aunt Sallieは教会で別れて礼拝にでかけ、私はMrs.Pondと教会の裏の日曜学校の建物に行きました。Mrs. Pondは日曜学校の先生をしているの。
【教会の前でMrs.Pondと】
最初は幼稚園程度の子どもたち(4、5人しかいなかった)のクラスを見学して、オルガンに合わせて子供用の賛美歌を歌うのを聞きました。とても可愛かったわよ。それが終わってから、2階のMrs.Pondの教室(小さな部屋)に行きました。そこで10~13歳の子どもたちのクラスで(といっても10歳のGrennをはじめ、 Christie, Mark, Andyという4人だけ)机を囲んで、私が日本について話しをしたの。はじめはみんなモジモジしていたのですが、慣れるとすごく好奇心旺盛で、日本の学校の制度、家の様子、食べ物のことなど、質問攻めに合いました。「日本の政治制度は?」なんて質問も出てギョッとしました。中でもMarkという子は、すごい興味を持っているようでした。みんな自分の名前をカタカナと平仮名で書いてもらいたがって、私がみんなの名前を書いてあげたの。それから数個の日本語を教えてあげたり、最後に折り紙で千羽鶴を教えました。折り紙はどこで教えても好評です。もっとしゃべりたかったのですが、時間がなくて終わりになりました。
【日曜学校の生徒と】
そのあと、下に降りて遅い礼拝に出ました。大きなチャペルですが、もちろんMrs.Pondはそこにいる人たちと全員知り合いなので、立って私とAunt Sallieを紹介してくれました。 Aunt Sallieはといえば、彼女はR-Mを卒業してすぐここWakefieldに来て、一年間ここのハイスクールで教えたことがあるのです(気の遠くなるような昔!)。だから彼女のかつての教え子(今では60歳を過ぎてるけど)がたくさんいるわけです。
礼拝から帰って、簡単な昼食をとり、今日の午後はtea partyを開くので、その準備をしました。Aunt Sallieを知っている人がみんな合いに来るのです。私とMrs.Pondとでdining hallの飾り付けをしました。10種類もあると思われるクッキーズを、Mrs.Pondが1人で作ったのです。それらをたくさんのお皿にきれいに並べてパンチを置きました。2時半から5時まで、自由にいつでもゲストが来られるので、こういうパーティーを「Open House」というそうです。
Wakefieldに住んでいるたくさんの人が入れ替わり立ち替わりやってきました。25、6人は来たと思います。いろんな人としゃべる機会があっていい経験でした。引退したministerだというおじいさんは、今朝5匹の鹿を殺したと言って、夢中になって自慢していました(牧師だというのに、なんだか矛盾を感じないでもない)。今は鹿猟解禁の時期なのです。彼は、今朝向かいの森で21匹のdeerを見たといって得意になっていたら、隣りに座っていた婦人が「同じ鹿が行ったり来たりしてたんじゃないの?」とやり返して、「絶対にちがう!」とretired ministerがムキになって怒り、実に愉快な光景でした。
農場に住んでいる人たちらしく、Lynchburgの人たちとは違って、のんびりしている感じ。性格的にも典型的アメリカ人らしく、ユーモアを好み、大袈裟な言葉を使い、底抜けに人の良い人たちです。Mrs,Pondは私を全員に紹介してくれましたが、彼女は決して私の名前Kumikoをまともに言えません。20~30回私の名前を呼んだくせに、一度としてまともに言わなかったというのは称賛に値します。キュミロとか、クミヨとかキャミヤとか・・・Aunt Sallieはそれを聞くたびに訂正しなければならず、最後にはすっかり頭にきてしまって「もう、彼女には何にも言わない!!」と怒っていました。私のほうも、紹介されてもまるで名前など覚えられず、名前を覚えようなどと努力もせず、ただ挨拶だけしました。
6時半頃までいろいろな人と会い、楽しく時を過ごしました。それからオイスタースープの夕食を軽く済ませ、片づけをし、8時頃から今度は別のお宅の(Mrs.Pondの友達でHannaという名前で呼ばれている婦人の家)のopen house partyに3人で出かけました。行ってビックリ!通りには客人の車がズラリと並んでいます。隣町からも客が来ているの。すごくおおきなマンションで、中に入ると、なんと全員盛装してるの。100人はいたのではないかと思われます。家自体がもんのすごく豪華で、家具調度から柱、階段、壁、シャンデリアがすごく凝った造りなの。「風と共に去りぬ」で観たような典型的な南部の家です。電気はまったく使っていなくて、各部屋に無数のろうそくだけが使ってあります。たくさんの部屋があって、一つの部屋に軽食が並べてあって、自由に食べられるのです。その他の部屋はどこも各人でいっぱいで、老いも若きもみんな素晴らしいドレスを着ていました。Mrs.Pondの家に来ていた人たちもほとんどここに来ていて、再会しました。ここでもいろんな人に紹介されましたが、私は片っ端から忘れました。とにかく、豪華絢爛とは、このことだという気がしました。これもアメリカの生活の一部なのでしょうね。まさに富める国です。
今はそのパーティーから帰ってきて、シャワーを浴びてベッドの中です。もう12:00過ぎです。おやすみなさい!