お元気ですか?
今朝昔送った辞書etcの参考書と、おじちゃんたちの送ってくれたプリントが届きました。久しぶりに日本語の印刷物を目にしてなつかしい~気分になりました。小包にはいっていた朝日新聞など読むと、朴大統領事件の頃の記事が載っていましたが、はるか昔に感じます。それからプリント、どうもありがとう!もう藁にもすがる気分だったので大助かりです。ポイントもぴったり合っているの。ざっと目を通しましたが、昼食の後でゆっくり吟味してみます。
一ヶ月もたつのに、授業を理解するどころか、まだ読み終わらない本がどんどん溜まって悲鳴をあげています。今はCooperの"The Last of the Mohicans"を必死で呼んでいます。もうとても辞書など引く時間がなく、わからないところはとばして読むので、大混乱よ。400ページもあるのに、まだ50ページあたりをウロウロしているの。今日届いた本の中に、留学についての本があったけど、そこに「一時間に20ページはこなさねばならない」とあって、ショックを受けましたが、本当です。津田で英語の本を読んだといったって、お話にならないことを改めて感じました(また、何か参考書があったら、送ってーーー)。
23日にFocus Forumという講演で、Jack Andersonのスピーチがあり、2ドル出して聞きました。Washington Postの有名なニュースコラムニストだそうですが、私は知りませんでした。なんでも、ウォーターゲート事件を最初に暴露した痛烈なニクソン批判家らしいです。歴代のアメリカ大統領と常に行動をともにしていたようで、ケネディーやジョンソン、ニクソン等のエピソードや裏話なんかをして笑わせたり、インフレに憤慨したり、非常にpassionateな話し家でした。でも、同じ寮のJenniferという女の子は、後で"He smoothes everything!"と不平らしく、どこが本音でどこが嘘か信じられない、と言っていました。
政治の話になって、私が(ブロークンイングリッシュで)アメリカ人は大統領に政治的手腕だけでなく人格的な理想像も求めるみたいね、と言うと、もちろんだと言っていました。そして、自分は政治についてあまり知らない、今の世の中では誰を信じていいのか分からない・・・"I can't believe anybody, but I have to believe somebody, so I believe my father."なんて言っていました。日本人の我々の世代で、人前で「自分の父を尊敬し、信じている」と言える人はあまりいないでしょう。さすがにアメリカだな、と感じました。彼女のお父さんはニクソン派なので、彼女もニクソンを支持していたし、今でも残念に思っているそうです。
次の24日にはDr.Ruth BaconというUnited States Center for International Women's Year 1975のディレクターだという婦人がキャンパスに来て、夜Dr.Anthonyと"US Policy in Asia"というテーマでパネル・ディスカッションをしたので聞きに行きました。とてもわかりやすかったけど、U.S.Policyそのものはあまり出てこず、アジア経済の発展についてばかりしゃべっていました。たとえば、World War II以後、アジアは目覚しい発展をしたけれど、それはほとんどヨーロッパやアメリカなど外部からの援助によるものだった、しかし今やアジアの国々は互いの国勢に関心を持ち、互いに助け合おうとする傾向が生じてきて、アジア内部での連結が生まれつつある・・・などなど、といった内容でした。R-Mの学生は10人にも満たなかったのですが、この付近に住んでいる町の人たちがずいぶん出席していました。ほとんどが60~70歳くらいの銀髪のOld ladiesです。聞くところによると、大学の付近に住んでいる人たちは、この大学が何か「急進的かつ改革的な」考えを広めやしないかと心配して、警戒しているんですって。大学で行われる一般向けのスピーチや催し(J.Andersonのときもそうでした)には、歳とった人たちがコゾッテ聞きにくるのです。
次の日にはなんとDean Hudsonのお招きで、そのDr.Ruth Baconと一緒にとる夕食に招かれました。Dean HudsonとDr.Ruth Baconと、私のほかに4人の学生とで、大学の真向かいにある小さなInnで食事をとったの。Dr.Ruth Baconは20年ほど前に日本にも来たことがあるそうです。45歳くらいだけどすごいインテリという感じの女性でありました。Dean Hudsonとの会話によると、R-MWCはリベラル・アーツだけど、特にダンスとアートが有名らしいです。有名なモダン・ダンサーもずいぶん出ているらしいです。でも私の印象では、学生は哲学なり心理学なり、自分の専攻分野にすごく熱心で、(日本の大学生のようにいい加減ではない)、食事の間も心理学をとっている女の子が夢中になってなにやら説明していました。ところで、Pearl Buckがここの卒業生の一人だなどということは、それほど関心をもたれていないようです。何人かの学生にきいたけど、知らないという人がほとんどで、たまに知っていても「ああ、知ってる」くらいなものでした。変なの。Dean Hudsonはとってもおっかない顔をしているけれど、実はとても親しみやすい方です。こちらでは「3歩下がって師の影踏まず」なんて習慣はないから、学生と教授間がとても親密です。お互いに冗談を言っては肩をたたきあったりして・・・日本ではとてもできそうもありません。
そうそう、今日はInternational Studentsのお茶会があり、招待されました。そこでDr.Quillian(学長)とお話しをしたの。Dr.Quillianもとても親しみやすい方です。津田のことをとても誉めていました。そういえば、Intermediate Japaneseコースの生徒の一人Alisonが、日本の大学にapplyする手続きをとっているとききました。慶応、早稲田、ICU,上智のどれかにするそうです。この大学では3年生で外国語を取っている人のために、外国で一年間生活するアレンジメントがあるの。イギリス、フランス、ドイツなどとexchange studentsをお互いに派遣しあうのです。Dr.Anthonyは日本ともそういうarrangementを作りたいといっていました。津田とできたら一番いいと言っています。私も何かのお役に立てたらいいとおもうけど、でもexchange studentのsystemはお互いの大学が学生の学費を出し合うのだから、日本の大学で果たして学費を出してくれるかどうか、あやしいわね。それに上智やICUと違って、津田はinternational studentsのための組織もないし、外人も少ないし・・・今すぐとはいかないけど、Dr.Anthonyと話し合って、いずれそういう制度を作れたらいいのだけど。小林先生か前川先生に手紙を出して聞いてみるつもりです。
まだ書きたいことはいっぱいあるけどまたにします。"The Last of the Mohicans"に取り組まねば。またね。