２５日
歯が痛い。前の歯が風に当たる丈で凍みる。凍みてる丈じゃなく浮いてるんじゃないのか。連休前に、と近所の歯医者行。
「あーんして！そのまま噛んで」
孫娘が爺さんにいう口調だぜ。重い鉛の前掛けをしてレントゲン。
「体温はからせてください」
「歯医者に来て体温かい」
「ウィルス警戒です」
「象牙質の露出で神経を刺激している」というご宣託。えっ！浮いてる感じでグラグラしている奴も？口から出かかったけど飲み込んだ。処置は軟膏を塗っただけで釈放！痛み止め薬もくれない。ウィルス防御態勢なのか、いつもより立っている技術補助員？も少ない。そういえば待合室にいたとき、医者が俺の前まできて患部の具合から、あそこから歩いて来たんですか、などといつもと違う言動は察するに爺さんの体調を暗に探りに来たわけか。
「処理している歯はなんというの」
「側切歯です」
「どんな字を書くの？］
「そば、の（側）に～切」
「聞いたことねぇ歯の名前だ」
しばし間が開く。医者のもの問いた気な表情を見て
「ブログに書くから」
「まぁブログ！やってるの！えらいわ」
「エライことねぇだろ、日記だもん」
マスク顔で肝心の美醜が判然としない女医さんとの会話の一端だけど、すっかり爺爺扱いされて憮然たる思いを抱きながら、早くも痛みだした歯を気にしての帰り道。