「ザ・タワー・オブ・ドルアーガ」復刊決定記念、というわけでもないですけど、テンションが高いうちに手をつけてしまおうということで、創土社刊、鈴木直人著のゲームブック「チョコレートナイト」をプレイ開始。創元版の「悪魔に魅せられし者」を始めるとかいうトチ狂ったことも一瞬頭をよぎったのですが、それはさすがに、ねぇ。
ちなみに私、ゲームブックマニアみたいな顔していますが、鈴木直人の作品をまともにプレイするのは今回が初めてだったりします(「悪魔に魅せられし者」は5階か6階まではプレイしたような……)。
「チョコレートナイト」はかつて日本のゲームブック界をリードした鈴木直人が10年前(今からだと15年くらい前ですか)に完成しながら出版されることのなかった作品で、近年のゲームブック業界をほぼ一手に支えている創土社が刊行したアドベンチャーゲームノベルの記念すべき第1弾です。
表紙は剣に布が巻きついた、シンプルながらかっこいいデザイン。帯には「巨匠帰還!」の文字が刻まれていますが、この文言がかつてのゲームブックファン以外にどのような影響を与えたのかは不明です。
前書き? を書いているのはここ数年のゲームブック展開の立役者である創土社の酒井武之氏。これを読むと、ゲームブックが冬眠していた当時に刊行するという冒険を前にした手探り感が出ていて面白いですね。
キャラクターシートは特に存在せず、適当なメモ用紙でOK。ただ、どれだけの情報をメモすることになるのか見当がつかないので、私は落ち着かなくてちょっと嫌です。シンプルなものでいいから、何か用意して欲しかったところです。
用意するサイコロは1つ、と書いてありますが、戦闘の処理はサイコロ2個+技量の比べあいなので、やっぱり2個用意した方が望ましいでしょう。
シンプルなシステムのようですが、パラグラフ数は500。ボリュームもたっぷりで、遊び応えはありそうです。
主人公は猫のような姿をしたファジィ族の勇者・ポポレイポラ。父の病を治すために魔法使いとの望まぬ婚姻をしようとしているお姫様を救うために立ち上がったのでありました。
本編はほのぼのとした童話チックな雰囲気。私の好みからすれば、ほのぼの過ぎるくらいほのぼのとしています。登場人物が読者の存在を口にするのは私はあまり好きではないのですが、それを許容できるくらいほのぼのとした世界を描けているのは上手いと思います。ゲーム的な箇所ではありませんが、作家としての力量でしょうかね。
で、とりあえずプレイ開始。
冒頭はチュートリアルっぽく進行していきます。イラストを利用したパズルもあり、なかなか惹きつけられるものがあります。しかしながら、おそらく楽勝だった筈の最初の戦闘でサイコロが振るわずにあっさりと敗北。早速パラグラフ4へGO! ですよ。って言うか、ハンデ無しのサイコロ2個の振り合いで、5連続敗北ってどういうことよ?
意外と難易度が高いという噂もありますが、なかなか面白そうな感じです。なにより「死のワナの地下迷宮」あたりと比較して、『クリアできないんじゃないの?』っていう感じの絶望感が無いのがありがたいところ。いやホント、「死のワナの地下迷宮」なんて、クリアするの無理だよ。
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