有言実行三姉妹シュシュトリアンの24年越しの追っかけ視聴。1993年8月15日放送の第31話は「山吹家・真夏の悪夢 ―シュシュトリアン名場面集―」です。まあ、いわゆる総集編ですね。
今回は総集編。と、いうことで、オープニングはいつもの「思い立ったが吉日!」の英語版である「Today is the day」です。第28話「猫姫の野望」でシュシュトリアンが特訓していたときのBGMにも使用されていました。やっぱり、いいなぁ、この曲。
英語版なんで当然歌詞は英語になっているのですが、「有言実行三姉妹シュシュトリアン」という部分は、そのまま「Yugenjikko sisters Shu shu turian」となっています。元々英語の「三姉妹(シスターズ)」と、固有名詞の「シュシュトリアン」がそのまんまなのはともかく、「有言実行」もそのまんま「Yugenjikko」なんですよね。
それでちょっと気になるのは、日本語版でも途中で合いの手のように入る「有言実行スリーシスターズシュシュトリアン」というフレーズで、ここは「シスターズ」じゃなくて「スリーシスターズ」なんですよね。ちなみに、主題歌を歌っている「三姉妹」も、読みは「スリーシスターズ」。ま、どっちでもいい話なんですけど。
「母さん、長い間、世話になった」
「私のほうこそ。あなた」
「さようなら」
「さようなら」
黒い背景に大きく「離婚」の文字を浮かべながら、互いに別れを告げる英三郎と恵。三姉妹はそれを、正座をしながら眺めています。
去ろうとする二人を追いかける雪子と月子。花子も二人の後を追いかけます。
「嫌な夢見ちゃったな」
ボヤキながら階段を降りてくる花子。どうやらさっきのシーンは、花子の夢だったようですね。
しかし、キッチンでは、英三郎と恵が激しく口論しています。警察官としての職務を全うするためには、多少は家庭を犠牲にしなくてはならないと主張する英三郎に対して、家庭より仕事を優先するのかと食ってかかる恵。英三郎はこんなことを話していても時間の無駄だと、出て行ってしまいました。そんな英三郎の態度に、恵も怒りの表情で「絶対離婚してやる!」と、二階へと登っていってしまいます。
花子は両親の様子に「正夢だったんだ」とつぶやきますが、夢のほうは割と円満離婚みたいな雰囲気だったので、結構違うような気もしますけどね。
「ねえ、私たちがカラオケボックスで、初めてお酉さまに会ったときのこと、憶えてる?」
雪子の言葉をきっかけに、第1話「涙の妖怪・ザ・お正月」 のお酉様初登場のシーンが回想で流れます。
第1話では、山吹家の三姉妹がシュシュトリアンとして酉年の平和を守ることと引き換えに、お酉様の力で年中喧嘩していた英三郎と恵を仲良くさせたのです。それなのに、こんなケンカをするのはおかしいのではないかと雪子は言うのです。つまり、二人のケンカを、陰で操っている者がいると怪しんでいるのです。
まあ、おかしいと言えばおかしいけど、この二人、離婚話までは行かないけど、割としょっちゅうケンカっぽいこともしてるんですよね。第25話「命短し、コイせよ乙女!」でも、お互いの顔を見たくないとか言い出したり、ね。
怪しい奴……、ということで、月子はまっさきに、ETおばさんの名前を挙げます。ETおばさんならやりかねない、と。
ここでETおばさんの回想シーン。ETおばさんは第10話「ETおばさん見参」で初登場し、第18話「ETおばさんのカーネーション」、第24話「ETおばさんと扇」と、計3回登場していて、シュシュトリアンの敵としては最多登場キャラクターとなっています。
さっそくETおばさんを当たってみる三姉妹ですが、ETおばさんのアパートの扉には、「ETおばさんは夏休みの為宇宙の田舎に帰っております」という張り紙が。どうやらETおばさんは帰省中なので、今回の英三郎と恵のケンカとは関係なさそうです。
ちなみに、ETおばさんの連絡先は、「銀河系の隅っこの角 フォンファー惑星0番地」となっています。ETおばさんがよく言っている「フォンファー」っていうのは惑星の名前だったのか。
ノートに書かれた「ETおばさん」という文字に×印をつけ、三姉妹はさらに犯人の洗い出しを続けます。
第5話「謎の女形・金平糖夫人」に登場した金平糖夫人や、第14話「シュシュトリアンの父現る!?」に登場したシュシュトリアンの父なんかが候補に上がります。金平糖夫人は特に否定されなかったのですが、シュシュトリアンの父は「だって、あれは警察の署長さんでしょ」と雪子が否定します。って、いやいや、シュシュトリアンの父として悪事を働いた過去があるんだから、署長だからという理由で犯人から外すのはおかしいでしょ。
さらに第16話「怪人カメラの犯罪」 に登場した怪人カメラ、第4話「妖怪ヘリクツ、現わる」に登場した妖怪ヘリクツ、第26話「妖怪魍魎と写真の美女」に登場した妖怪魍魎、第22話「妖怪おやじ虫、若返りの秘宝」に登場した妖怪おやじ虫と、これまでに戦ってきた妖怪たちを、回想シーンで振り返っていきます。
こうして振り返ってみると、シュシュトリアンってサブタイトルに妖怪の名前が入っているパターンが多いですね。例外も無いわけではないのですが、数えるほどしかありませんよ。
さらに話は、三姉妹それぞれに深く関わってきた人たちにも及びます。
まずは雪子と結婚一歩手前まで行った、宇宙の王子・ハインリヒ。第7話「誰かがあなたを愛してる」に登場しました。
雪子は、ハインリヒは今回のこととは関係ないと否定しますが、花子に「ムキになっちゃって」と言われてヒートアップ。月子がなんとかなだめようとしますが、「月子お姉ちゃんだって、子供とジジイに人気よねー」と、今度は火の粉が月子に降りかかります。
子供というのは、第17話「まくら大王、夢見るぞ」に登場した安藤君。そしてオヤジというのは、第25話「命短し、コイせよ乙女!」に登場した妖怪イモリ男のことです。まあ確かに、月子は変なキャラとの絡みが多いという印象がありますよね。実際にカウントしたらどうなるのかはよくわからないけど。
これだけ攻撃して、花子だけ無傷というわけにはいきません。月子に「花子にはね、三バカトリオがお似合いよ」と言われてしまいます。そう、いわずと知れた、荒木、加納、篠山の、カメラ同好会の三人です。
この三人は皆勤ではないものの、ほとんどの回に登場しています。第12話「働く小学生のユーウツ」では花子と一緒に金比羅船船を歌い踊り、第2話「怪人大相撲」ではセーラー服を着ながら四股を踏んで大相撲ファンの女子中高生に扮するなど、2話分しか回想がないのがもったいないくらい、まさに三バカと呼ぶにふさわしい活躍です。
月子と花子がケンカしそうなところを、今度は雪子が制止します。今大事なのは、両親のケンカのこと。姉妹同士でケンカをしていても仕方がありませんからね。
その頃、川べりにデッキチェアを置き、水着姿で日光浴をしている一人の人物がいました。そう、我らがフライドチキン男です。って、なんで女物の水着を着とんねん。
「さてと、泳ぐか」と、手すりによじ登ろうとしたところで、三姉妹からの呼び出しがかかり、フライドチキン男は山吹家へとやってきました。
シュシュトリアンたちに恨みを持っていそうな人物に心当たりがないかと言われ、フライドチキン男が思い出したのは、まず、第3話「蜂妖怪・ザ・不幸」に登場した蜂妖怪。そして第7話「誰かがあなたを愛してる」に登場した、宇宙の王子・ハインリヒ、第13話「好き嫌いのあるゴミ箱」のゴミ箱、第19話「妖怪・理想の主婦」の妖怪・理想の主婦と、次々に挙げていきます。しかしフライドチキン男の回想は、徐々に妖怪のシーンではなく、シュシュトリアンの説教後の、自身の諺の解説シーンが中心になっていきます。
そんなフライドチキン男を、雪子がスリッパで一撃。まあ、フライドチキン男のことを思い出しても意味がないですからね。しかしながら、「それでしたらね……」と思い出したのが、第6話「光源氏のバレンタイン」での、自身の悪行だというのだから……。今度は三姉妹全員から、スリッパでツッコまれるのも、止むなしですね。
ここで月子が、スリッパで叩く快感に目覚めて、フライドチキン男を殴りまくります。まあ、いつもはスリッパで叩かれることはあっても、自ら叩くことはありませんでしたからね。流石にフライドチキン男も切れて「やめろよ」と低い声で凄みますが、ここで思い出したのが、第27話「紫外線の正体」と、第28話「猫姫の野望」に連続して登場した怪猫・猫姫です。まあ、恨みということなら、猫姫が一番恨んでいそうではありますよね。
「私たちを猫魔術で暗黒シュシュトリアンに変え、自由に操ったように、お父さんとお母さんも」
雪子の言葉にみんなうなずき、ここでいきなり、三姉妹はシュシュトリアンに変身します。フライドチキン男を家に残し、シュシュトリアンは英三郎のところへと向かおうとします。いや、いや、いや。いくらなんでもそれは決め付けが過ぎるでしょ。
しかしそのとき、玄関のチャイムが鳴り、シュシュトリアンは慌てて階段の陰に隠れます。恵が玄関に向かうとやってきたのは英三郎。英三郎はむっつりとした表情のまま家に入ってきて、ダイニングで恵と口論の続きを始めてしまいます。
そこへ割り込んできたシュシュトリアン。雪子が「英三郎さんも、恵さんも、猫姫の猫魔術にかかっているのです」とか真面目な顔をして告げるのですが、英三郎は笑ってそれを否定。そして、「これを見てください」と、冊子を手渡します。
その冊子の表紙には、「俺は刑事だ!! 嗚呼夫婦の絆」と書かれています。そう、警察署に演劇部ができて、その記念すべき1作目に、英三郎と恵が抜擢されたと言うのです。仕事に追われ、家庭を顧みない刑事と、その妻の苛立ち。しかし最後には、家族が一番大事だということに気付くというストーリー。びっくりさせようと思って、三姉妹にはナイショにしていたと言うのですが……、シュシュトリアンも言うとおり、そりゃまあ、びっくりするでしょうね。
本番は明日だということで、再度練習する為に2階へ行く二人。残されたシュシュトリアンは呆れたような表情で腰掛けます。
月子がおなかをすかせてしまった……、ということで、フライドチキン男が勝手に冷蔵庫を開け、宴会をしましょうかと提案。図々しいことこの上ないのですが、シュシュトリアンもこの際パァーっといこうと、宴会に乗ってきます。
ここでエンディングに突入。今回は特殊エンディングで、ここでかかるのは、日本語版のオープニング「思い立ったが吉日!」です。映像も過去の回想シーンで、本編の回想シーンでは登場しなかった、第2話「怪人大相撲」に登場する怪人大相撲や、第8話「謎の2・29事件」の誕生日怪人、第21話「いじけたジューサー」のいじけたジューサー、第19話「妖怪・理想の主婦」の妖怪・理想の主婦、第15話「普通戦隊サラリーマン」の普通戦隊サラリーマンなども登場します。第20話「原料魔がゆく!」だけは、原料魔ではなく、白骨化した英三郎と恵のシーンでしたけどね。インパクト重視だったのかしらん。
エンドロールで流れるキャストには、今回の回想シーンで使われた人たちの名前もクレジットされているのですが、本編で回想シーンのあった妖怪たちは役名がクレジットされているものの、エンディングの回想シーンのみに登場する人たちは役名がクレジットされていません。どういう違いがあるんだろう? 何かそういう決まりでもあるんですかね。
最後に、第14話「シュシュトリアンの父現る!?」で、シュシュトリアンに扮する三人のおばさんたちのシーンで今回はおしまい。なんで最後にこれをもってきたんだろう?
今回は総集編ということで回想シーンの連続でしたが、一応ストーリー仕立てでオチもつき、良かったのではないでしょうか。ただ、どうせなら、諺も入れて欲しかったところですね。フライドチキン男の水着シーンを入れるくらいなら、ねぇ。
この記事も、総集編ということで、過去記事へのリンクを増量してお送りいたしました。せっかくなので、最後に、回想シーンが無くてリンクを貼れなかったエピソードへのリンクも貼っておきます。
第9話「フライドチキン男の青い鳥」
第11話「なにか妖怪?」
第12話「働く小学生のユーウツ」
第23話「アジサイ仮面の心」
第29話「嘆きのスイカ」
第30話「涼電話の夏」
[次回予告]
「どういうことだ、やっぱりお前は俺だ」
「お父さんこそ、それ、私よ」
「花子、大変。猫姫よ」
「パンダ男よ」
「猫姫? パンダ男?」
有言実行三姉妹シュシュトリアン、「山吹家の秘密」。お楽しみに。
「シュシュトリアン。今度こそ、お前たちの最後だ」
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