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 暑いし比較的軽めのRPGでもプレイしようかと思い、X68000のRPG「ブルトン・レイ」(システムソフト)を開始しました。




「ブルトン・レイ」とは


「ブルトン・レイ」は、ブルトン人のレイ(Lai)、ブルトン人とは、フランス西部のイギリス海峡に大きく突き出た半島、ブルターニュ地方に住んでいた人々のことで、彼らの大多数は、イギリスからの移住者で、後のウエールズ人と元を同じにしています。レイとは、ケルト、ウエールズ人たちと同じように、民間信仰、伝承を語る吟遊詩人たちの小物語詩のことです。
 彼らブルターニュの詩人たちは、騎士や貴婦人たちとの恋物語や冒険譚を語り歌いました。そのほとんどに、特殊な能力を持った人間や、超常現象、妖精や小人が登場します。物語に登場する人々は、人間の世界と妖精たちの世界とを、自由に行き来することもしばしばで、その度に現実の世界との境目は、登場人物にとっても、聞き手にとってもあいまいなものになっています。これらのエピソードの多くは、物語全体に象徴的な意味合いをこめたもので、十二世紀のアーサー王伝説にも影響を与えたともいわれています。
 多くのブルターニュ人たちの詩歌は、フランスの女流詩人、マリ・ド・フランスの手によってフランス語の韻文に訳され、それをイングランドの王、ヘンリー三世に献上したことによって、イギリスで広まりさらに装飾を施され浸透していったようです。
 「ブルトン・レイ」は、はるか昔、まだ人々が、妖精たちとの対話を忘れていないころの物語です。あなたがこの物語に触れることで、さらに新たなブルトン・レイが生まれるのです。

「ブルトン・レイ」ガイドブックより




 ブルトン・レイは大戦略シリーズなどシミュレーションゲームの雄として有名な、システムソフトから出たRPG。システムソフトから出たRPGとしては1988年に「ティル・ナ・ノーグ」が発売され、翌1989年に発売されたのが「ブルトン・レイ」となります。

 RPGとしては後発だったためか、「ティル・ナ・ノーグ」はシナリオジェネレーターにより無数のシナリオをプレイできるという意欲作でした。そして「ブルトン・レイ」も、ひとつの大きなストーリーをプレイするのではなく、独立した小さなシナリオを一つ一つプレイしていくという、一風変わった形式になっています。まあ、前年に日本ファルコムから発売された「ソーサリアン」と同じと言えば同じなんですけどね。
 「ブルトン・レイ」は後にシナリオジェネレーターが発売され、ユーザーが自分でシナリオを作ることもできました。またユーザーからシナリオを募集し、優秀作を集めたシナリオ集も発売されています。この辺りの展開の仕方も、「ソーサリアン」と似ていますね。

 今回は、プロジェクトEGG で購入したX68000版の「ブルトン・レイ」をプレイしました。
 実は昔、PC-9801版の「ブルトン・レイ」を所有していました。「ティル・ナ・ノーグ」と「ブルトン・レイ」、どちらを購入しようか迷った末、「ブルトン・レイ」を選んだんですよね。(MSX2版ですけど)「ティル・ナ・ノーグ」をプレイした感じからすると、「ブルトン・レイ」を選んだのは正解だったような気がします。
 ただ、当時は全部のシナリオはクリアできませんでした。途中のどのシナリオだったかは憶えていませんが、どこへ行けばいいのかわからなくなって、詰んじゃったような気がします。今回は当時のリベンジで、全シナリオをクリアできればと思います。





 ゲームを開始すると、シンプルな画面が表示されます。
 「ブルトン・レイ」では複数ある小シナリオを遊ぶという都合上、まずはユーティリティーでシナリオの準備をする必要があります。





 まずはプレイシナリオを選択。本作には、全部で7つのシナリオが収録されています。それぞれ推奨レベルが設定されてるので、まあ低いレベルのシナリオから順番にプレイするのが順当でしょうかね。



 まずは最初の「魔導士デミトル(行方不明になった領主の孫娘)」を選択します。
 プレイヤー欄は空欄ですが、新規に作成するか、別シナリオで使用したキャラクターを転送するかすることになります。

 初プレイなので、まずはキャラクターを作成しなくてはなりません。



 選択できるのはこの5人。
 違いは見た目だけかと思いきや、それぞれ初期能力値に差があります。





 力が高かったり、器用さが高かったり、知性が高かったり。見た目のこの実よりは、能力値優先で選ぶ必要もあるかもしれません。見た目と能力値は別扱いにして欲しかったなぁ。



 と、いうわけで、このキャラクターを選択。初期能力値に、ボーナスポイントを割り振って、自分好みの性能にしていきます。
 「ブルトン・レイ」では主人公キャラは一人だけなので、ある程度万能気味の能力にしてみました。ただ、今考えると、ちょっと器用貧乏にしすぎたかもしれません。



 シナリオと使用キャラクターを設定したら、ゲームスタートです。





 まずはプロローグ。
 身も心も清らかな乙女だけが受けられるという、ユニコーンの洗礼。その乙女の周りのものは、幸福を約束されるという。



 その町では領主の孫娘・クレアがユニコーンの角に触れたということが話題になっていました。



 そんな町中に、ぽんと放り出される主人公。主人公は名もなき旅の冒険者。まずは街中を歩き回って、いろいろと情報収集に励みます。



 すると、ユニコーンの洗礼を受けたはずのクレアが行方不明になっていました。さらにクレア以外にも、町中の娘たちが誘拐されてしまっています。



 領主・アドルから依頼を受けた主人公は、とある場所に捕らえられていた娘たちを救出。しかしそこに、クレアの姿はありませんでした。



 クレアの友達で、捕まっていた娘の一人・ゼナを仲間に加え、この事件の謎を解明するために主人公は旅立つのでありました。





 ゲームはアクション性のないRPG。画面はスクロールせず、画面の端から画面の外に出ると、次のエリアに切り替わるという方式です。普段はテンキーで上下左右に移動させますが、カーソルキーの上下左右を押すことで、自動で隣のエリアまで移動してくれます。何気にこの移動方法は便利です。

 モンスターなどはフィールド上にうろうろしているので、戦闘画面などには切り替わらず、そのままシームレスにタクティカルコンバットに移行していきます。
 行動は素早さの速い順に動いていきます。またそれはそれとして、素早さの高いキャラクターほど次の行動順も早くなります。また、テンキーの0を押すとオートで戦闘してくれます。
 戦うのが面倒なら、カーソルキーを押せば戦わずに画面外へ逃走していきます。



 プレイヤーが操作するのは主人公のみで、同行しているNPCは勝手に行動します。そっちまで動かすとなると煩雑になるので、助かりますね。
 隣のエリアに移動したときの画面の切り替わりは主人公の位置に依存するので、画面を切り替えた直後は画面上に仲間がいなくなったりします。仲間は画面外で敵と戦闘状態になったりはしないので、しばらく待っているとひょっこり画面に登場します。ついでに外から敵が出てくることもありますけどね。



 キャンプ画面はこんな感じ。

 特徴的なのは、いつでも地図を見ることができることですね。この機能はPC-9801版にはなかったのですが、追加シナリオを購入すると使用できるようになるそうです。移植版であるX68000版には、最初からこの機能が搭載されています。
 このゲーム、フィールド画面が切り替わり制なのですが、これだと実は結構道に迷いやすいんですよね。なので、この機能が付いているのはかなり助かります。

 で、衝撃的だったのが、フィールドとダンジョンが同じマップ上に存在しているということですね。マップ上部中央にあるダンジョンみたいなものは、マップ北西部に入口がある鉱山の中だったりします。
 確かに、内部データとしてはこういう形にしておくのは効率が良いと思います。しかし、それを「地図を見る」というコマンドでそのまま見せちゃうのは、大胆というか、何というか。

 あとは、いつでもどこでもセーブ/ロードが可能という点でしょうか。セーブスロットが一つしかないという点は要注意ですが、こまめにセーブできるというのは助かります。下手なところでセーブしちゃうと詰んでしまうという可能性も無いではありませんが、雑魚敵はそれほど強くないのでまあなんとかなると思います。



 主人公のHPがゼロになったらゲームオーバー。セーブポイントからの再開となります。
 仲間が死んでもゲームオーバーにはなりませんが、何かしらの方法で復活させないといけません。



 時間経過によって、昼と夜が切り替わります。あんまり意味のあるギミックとも思えませんでしたけど、シナリオによっては時間で何かが発生したりするギミックもあったりするんですかね?





 とりあえず最初のシナリオだけクリアしました。ただですね、プレイしていて、「こんなんだったけ?」という思いがどうしてもぬぐい切れませんでした。当時はもっとサクサクプレイしていたような気がしたんですけど、全体的にプレイ感覚がもっさりしているんですよね。

 基本的には、味方と敵とが順番に行動するので、誰もいないところで主人公が単体で動くときと比べて、時間がかかってしまうんですよね。その際に攻撃を受けたりすれば尚更です。
 カーソルキーを使って移動すれば自動で進んでくれますが、敵の行動が混じるとトロくなってしまうのは変わりません。

 あと、マップが必要以上にデカいということもあると思います。
 基本的には、○○に行って誰かに話を聞くとか、○○に行って何かのアイテムを入手するとか、そういうイベントの積み重ねでシナリオは進行していきます。でも、シナリオの内容を見てみると、その構造はかなりシンプルです。シンプルなシナリオ構造の割にマップがデカいので、なおさら移動するのが面倒になってくるのです。



 ついでにもう一つ、どこに行って何をするのかがわかりにくいということもあります。洞窟とか、町とか、複数ある内のどこのことを指しているのか。ここかなというところへ行ったけど何も起こらず、実は別の場所だったということもありました。
 それをわかりにくくしている要因として、「○○で△△をしろ」と教えてくれた人が、1回話すと2回目はもうそれを話してくれないことが多いということもあります。なので、後になって確認しようと思っても、正確に何と言っていたのか確認できないんですよね。仕方がないので、重要そうなセリフはちょいちょいスクリーンショットを撮りながら進めていました。

 他にも謎がわからないわけではなく、ゲームのシステム上で何をすればいいのかわからない場合があります。実際にあった例としては、とある人物に話しかけるだけじゃダメで、攻撃しなくちゃいけなかったとかね。
 町にしろ洞窟にしろ数は限られているので、総当たり的にそれっぽいところを試していけばクリアできないことはありません。でも、あちこち動き回るだけでもかなり手間がかかってしまう。この辺りがサクサク動いてくれたなら、だいぶ快適にプレイできたと思うんですけどね。

 ああ、あと、残念ポイントとしては、X68000版なのに、グラフィックがほぼPC-9801版と同じだという点ですかね。
 PC-9801の解像度は基本、640×400で、同時に使用できる色数は8色。それに対してX68000はいろいろ細かいモードはあるものの、768×512で16色のモードか、512×512で65536色のモードを選ぶことになります。
 普通は色数が多い方がグラフィックはきれいになるんですけど、そちらは解像度が若干低い。そしてPC-9801と比べると、横の解像度が足りません。手間暇を考えると、X68000版としてグラフィックを一新するより、PC-9801版のデータなどをそのまま流用した方が、お手軽だったんでしょうね。





 うーん、こんなに遊びにくいゲームだったかなぁ?
 昔、途中で詰まったのは確かですけど、序盤はそんなに苦労した覚えもなく、普通に進められていたと思うんですけどね。最近のユーザビリティの高いゲームに慣れたために、昔のゲームがキツくなっちゃっているのかなぁ?
 フィールドも思っていたよりかなり広かったですしね。当時の環境ではフィールド全体のマップなんて参照できませんでしたけど、記憶だけであちこちさまよえたと思うんですけどね。まあ、だから当時、途中で詰まっちゃったのかもしれませんけど。

 でもまあ、最初のシナリオで不親切な部分についての感覚も学べたので、「こういうもんだ」と覚悟すれば、これ以降のシナリオはもうちょっと何とかできるんじゃないかと思います。
 シナリオの難易度自体はそこまで高くないと思うので、当時できなかった全シナリオクリアを目指して、頑張りたいと思います。



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