「ブルトン・レイ」とは 「ブルトン・レイ」は、ブルトン人のレイ(Lai)、ブルトン人とは、フランス西部のイギリス海峡に大きく突き出た半島、ブルターニュ地方に住んでいた人々のことで、彼らの大多数は、イギリスからの移住者で、後のウエールズ人と元を同じにしています。レイとは、ケルト、ウエールズ人たちと同じように、民間信仰、伝承を語る吟遊詩人たちの小物語詩のことです。 彼らブルターニュの詩人たちは、騎士や貴婦人たちとの恋物語や冒険譚を語り歌いました。そのほとんどに、特殊な能力を持った人間や、超常現象、妖精や小人が登場します。物語に登場する人々は、人間の世界と妖精たちの世界とを、自由に行き来することもしばしばで、その度に現実の世界との境目は、登場人物にとっても、聞き手にとってもあいまいなものになっています。これらのエピソードの多くは、物語全体に象徴的な意味合いをこめたもので、十二世紀のアーサー王伝説にも影響を与えたともいわれています。 多くのブルターニュ人たちの詩歌は、フランスの女流詩人、マリ・ド・フランスの手によってフランス語の韻文に訳され、それをイングランドの王、ヘンリー三世に献上したことによって、イギリスで広まりさらに装飾を施され浸透していったようです。 「ブルトン・レイ」は、はるか昔、まだ人々が、妖精たちとの対話を忘れていないころの物語です。あなたがこの物語に触れることで、さらに新たなブルトン・レイが生まれるのです。 「ブルトン・レイ」ガイドブックより
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