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高松城へ行ってきました
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2023年03月25日 20時17分50秒
香川旅行最後の目的地、高松城にやってきました。
高松城は1587年に、丸亀城、引田城にも関連していた生駒親正によって築かれました。讃岐に入った生駒親正はまず引田城に入りましたが、居城を引田城から聖通寺城、そして高松城と移しています。
丸亀城の記事でも書きましたが、その後生駒騒動により生駒氏が出羽へ転封になり、讃岐は高松藩と丸亀藩に分裂。高松城には高松藩主となった松平頼重が入り、幕末まで松平家が城主を務めることになります。
高松城の特徴は、港町に築かれた水城というところで、場内の堀には海水が引き込まれています。そのため城内から直接船で出られる水手御門を備えています。
そんなこともあり、日本100名城の一つに選出されているのと同時に、日本三大水城の一つにも数えられています。
山登りをした後、琴電琴平線で高松築港駅へ。金刀比羅宮の記事でも書きましたが、高松城は高松築港駅のすぐ隣にあります。
高松城は現在、玉藻公園として整備されています。高松築港駅のすぐそばにも入口があるのですが、この辺りは元々西の丸と呼ばれるエリアで、ここから入ると二の丸辺りに出てしまい、見て回る際にちょっと中途半端になってしまいます。なのでこの入口からは入らず、まずは公園の外の北側から東側へと回っていきます。
玉藻公園の北側に回ると水堀っぽいものがあります。ただ、江戸時代にはこの辺りは堀ではなく、海の中となっています。
逆光で少し見ずらいのですが、この鉄格子の辺りから水門を通して城内に海水が引かれています。
少し東側へ移動すると、水手御門があります。水手御門と、その横の渡り櫓は現存のものです。
この水手御門に船をつけて海へ出ていたはずなのですが、今は海とはつながっていないので水量が足りず、船を入れることはできなそうですね。そもそも底が浅すぎて水があっても船は着けられなそうですけど。
公園の外側の誰でも入れるエリアで、柵も無いので人が落ちたら危ないからこうなっているんでしょうが、三大水城にある水手御門なんだから、もうちょっと「水」にこだわってもいいんじゃないですかね。
水手御門の横には現存櫓である月見櫓があるのですが、現在は改修工事中で、足組に囲まれていました。工事は令和5年7月10日に終了予定です。
月を見る用途にも使ったかもしれませんが、元々は藩主が船で戻ってくるの確認するために使用した「着見櫓」という名称だったようです。
高松城から道路を挟んで北側に、浄化に時刻を知らせるための鐘が設置されていた報時鐘があります。
報時鐘は元々この場所にあったわけではありませんが、あちこち移築されたのち、この場所にやってきました。
ところで、この辺りを歩いていたら、何か猛禽類がやたらたくさん飛び回っていました。普通に人通りの多いところなので、人が襲われるようなこともないのかもしれませんけど、結構近いところまで飛んできていて怖かったです。
玉藻公園の北東側へ。この辺りは松平氏の代に拡張された東の丸の石垣があります。
東の丸の北東角にある、艮櫓跡。
石垣は残っているのですが、東の丸には現在、県民ホールやミュージアムが存在しています。現代の建築物と混ざりすぎ。
公園東側の水堀。三の丸と東の丸との間の堀で、かなり幅も広くなっています。
南東隅に立つ艮櫓(うしとらやぐら)。これも現存櫓です。
艮とは北東のことで、元は先ほど写真を載せた東の丸の艮櫓跡にありました。この場所には太鼓櫓があったのですが、昭和42年に、艮櫓がここへ移築されました。
南東隅に架かる旭橋から、玉藻公園へと入っていきます。入園料は、大人(16歳以上)200円、小人(6歳以上16歳未満)100円です。
旭橋は少し斜めに架かっていて、敵兵を太鼓櫓から攻撃しやすくなっています。
堀には魚が泳いでいます。クロダイ?
玉藻公園の入口にあった地図。
まずは南にある桜の馬場へ行き、三の丸、二の丸、本丸と順番に回っていきます。
公園入口で100名城スタンプを押すことができます。
これは水手御門と月見櫓ですね。この時には月見櫓の周囲にフレームが組まれていたので、工事が完了したときの姿も見てみたいものです。
入口は高松城の東門。入ってすぐに、枡形虎口がお出迎え。きれいな切込接です。
虎口には埋門も設置されています。
城内から見た艮櫓。
移築され、なおかつその際に角度が90°回転されているので、本来外に付けておきたい石落としが、城の内側に付いてしまっています。
桜の馬場はだだっぴろい広場になっています。
生駒時代には武家屋敷があったエリアです。しかし松平時代に改築された際に屋敷は外曲輪へと移され、この場所には桜が植えられて馬場として使用されるようになりました。
元々はL字に折れて高松築港駅の方までつながっていたのですが、現在は南側の一部だけが残っています。
桜の馬場から望む本丸。右側のひときわ高い場所が天守跡です。
桜の馬場から桜御門を通り、三の丸へ入っていきます。
桜御門は空襲で焼けてしまったのですが、2022年に復元されたものです。新築ですね。
ただ、桜御門の先で、エレキギターやドラムの音が鳴り響いていました。なんかイベントでもあるのかと思っていたら、どうやら世界的な盆栽パフォーマーのパフォーマンスがあるので、その準備をしているようです。
正直、うるせーとしか思えませんでした。
三の丸には披雲閣があります。
江戸時代にも披雲閣という御殿があったのですが、明治に入ると老朽化により破棄されます。現在の披雲閣は大正時代に松平家の別邸として建てられたもので、国の重要文化財にも指定されています。現在でも中の和室をレンタルして使用することができるようです。
しかし、なぜか展示してあった香川トヨペットの車が気になる……。
披雲閣の前には松の盆栽が展示されていました。高松が松の育成に適していたり、旧高松藩松平家の当主・頼涛氏が国風盆栽会初代会長に就任したりするなど、松の盆栽にが盛んなようです。
盆栽パフォーマーがパフォーマンスするのも、その関係なんですかね?
披雲閣の手前には陳列館があります。
中はあまり広くありませんが、高松城の歴史に関する展示がなされているので、しっかりとチェックしておきましょう。
披雲閣の裏庭を散策します。
城内から見た月見櫓。
こちらは水手御門。工事中のため、これ以上は入れません。
これは……。なんだろう?
西へ行くと築山もあります。
菊花展もやっていました。
丸亀城でも菊花展をやっていましたが、季節柄全国どこでもやっているものなのか、それとも香川は特別そういう文化が盛んなのか。
さらに西へ。水堀を渡ると二の丸へ入ります。
三の丸と二の丸の間の堀には水門が設けられていて、ここから海水を引き入れています。
堀にいる鯛用のエサも売られています。
今は残っていませんが、鉄門をくぐって二の丸へ。
現在の二の丸はほぼ広場となっています。
高松築港駅の横の入口から入るとここに出ます。
二の丸から本丸へと渡る鞘橋。屋根と壁が付いた廊下橋となっており、その形状を刀の鞘に見立てています。
本丸へ至る唯一のルートで、この橋を落としてしまえば本丸を攻めるのは難しくなってきます。ただ、本丸の周りは水堀で取り囲まれているので、船を使って城外に脱出することはできたようです。
鞘橋から眺める、二の丸と本丸の間の水堀。
鞘橋から本丸、天守台を見上げて。
鞘橋の先は細かく折れ曲がっています。
思いっきり逆光になってしまっていますが、本丸の南西角にある地久櫓台。
180°折れ曲がると、目の前に天守台が現れます。
天守台の中には礎石が並んでいます。
ここに三重四階地下一階の天守が建てられていたわけです。
石垣の上に展望デッキが設置されています。
展望デッキから眺める天守台内部。
真上から見下ろす鞘橋。
三の丸と二の丸の間の水堀。
堀の中を遊覧する船も出ています。
その向こうには高松港が。
こちらは披雲閣。
南の桜の馬場方面ですが、展望デッキが天守台の北西角にあるので、天守台が邪魔であまり見えません。
三の丸から眺めた天守台と鞘橋。
こうしてみると、やっぱり高松城の水堀は広いですね。普通の平城の水堀なら曲輪と曲輪の間に水路を掘っているようなイメージですけど、高松城は海の上に本丸が浮いているように見えます。
最後に、入ってきた東門から出て、艮櫓を公園の外から。
そしてその前を横切る琴電。
琴電は桜の馬場の南側の水堀のすぐ外を走っています。
高松城は現存櫓含め遺構も良く残っていますし、場内は駅近で整備されており、観光地レベルのかなり高い城跡でした。縄張りもシンプルなので見て回るのも楽ですしね。楽すぎて、なぜか若干の物足りなさも感じたりして……。
2泊3日の香川旅行もこれにて終了。3日間通してずっと好天に恵まれ、大変充実した旅行になりました。
そもそも、本来は新潟県上越地方の、春日山城、高田城、鮫ヶ尾城への旅行を計画していたんですよね。でも、天気予報を見てみると、どうも天気があまりよろしくない。予定を変更しようにも東日本はどこも同じような天気になりそう。それならと思い切って、行き先を西日本に変更したんですよね。結果的に大成功でした。
今後も旅行を計画する際には、天候対策で東日本と西日本、二本立てで準備しておくのもアリなんですかね。季節によっても変わってくるし、そうそう上手いことハマるとも限りませんけど。いずれにしろ、複数の選択肢を準備しておくというのは良いのかもしれません。
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