有言実行三姉妹シュシュトリアンの24年越しの追っかけ視聴、第2話は「怪人大相撲」です。この、適当な単語に「妖怪」とか「怪人」とか付ければエピソードができてしまう猛烈なパワーが素敵です。
篠山、加納、荒木の三人の偏差値を上げるべく、自宅に連行して勉強を教えようとする花子。班長として先生に頼まれたとはいえ、何気に面倒見がいいですよね。
ちなみに、不思議コメディシリーズの世界では、頭の良し悪しの基準として、“偏差値”という言葉がよく使われます。規模の大きな模試とかならともかく、小学校のテストなんかでは、あんまり偏差値までは求めないような気がするのですが、都会の小学生はそうでもないんですかね。私は田舎者なので、中学3年のときに受けた全国統一模試まで、偏差値なんて気にしたこと無かったですけどね。
家へ向かう途中、コロッケのおいしい肉屋さんの前を通りますが、閉じられたシャッターには一般的な閉店の案内と一緒に、「都合により、潰れました!」という力強い筆文字の張り紙が。ご丁寧に、”潰れました!”は朱書きまでされています。一枚目の張り紙は普通なのに、二枚目は閉店案内のくせに、ずいぶん積極的だなぁ。
ここで、在りし日の肉屋の主人と、揚げたてのコロッケの様子が回想で流れ、風に舞う枯葉と共に寂寥感に襲われる花子ですが、逃げ出した三人組に気付き、現実に引き戻されます。
逃げ出した三人組をロープで縛り付け、家まで連行した花子。しかし三人組は家にいた雪子、月子を発見すると、どうせならお姉さんに教えてもらおうと、二人に襲い掛かります。このあたり、1話の態度とずいぶん違いますね。ま、勉強したくないという一心なんでしょうけどね。
あきれた花子は、郵便物をチェック。郵送されてきたビデオテープを見てみると、なんと、それはお酉様からの指令なのでした。ちなみに、宛名は「山吹 三姉妹 様」となっています。
指令の内容は、「怪人大相撲を退治せよ」。ここまで、タイトルにしか登場していない怪人大相撲の名前がいきなり登場。三姉妹も、三人組も、誰も怪人大相撲のことを知りません。
仕方がないので、刑事をしている父親に電話で質問。機密だから教えられないという父親ですが、夕飯を銀だらの煮付けにすると言われ、ぺらぺらと喋ってしまいます。これでいいのか、国家権力。
父親の話によると、両国国技館の周辺で、怪人大相撲と名乗る怪人が現れているのだとか。
この頃は若貴ブームもあって、相撲人気も結構高かったんですよね。そんなわけで、力士の追っかけをしている女子中高生たちがいたのですが、その追っかけ具合が度を越してしまっていたのでありました。
そんな追っかけの女子中高生たちの前に、行司の格好をした、怪人大相撲が登場します。
最近の力士はちやほやされるから、稽古をせず強くなれない。ここ何場所も横綱がいないのも、お前たちのせいだ。土俵入りが見たい! 横綱の土俵入りが見られない責任を取らせるべく、怪人大相撲が太鼓を叩くと、女子高生たちは力士に変身。制服の上からまわしを締めて、横綱土俵入りを披露します。
怪人大相撲はそれを見て、「いいなぁ~」とか言いながら高笑いしてるけど、本当にこれでいいの? 四股とかぜんぜんなってないし、女性を土俵に上げることには目をつぶるとしても、そもそも彼女らは横綱じゃないし。これで満足できるなら、もう何でもいいような気もしますけど。
三姉妹が電話している隙に逃げ出す3人組。怪人大相撲の正体を暴くと意気込む3人が取ったのは、セーラー服を着て大銀杏の桂をかぶり、相撲好きの女子中高生に変装するという作戦。この格好で四股でも踏んでいれば相撲好きの女子中高生に見えるだろうという作戦が、アホ過ぎて本当に愛おしいです。
追いかけてきた花子。加納は母親をオバさんと呼ばれるのが一番嫌いだという、まったくもってどうでもいいけど、無駄に面白い会話をしていると、突如として相撲太鼓が鳴り響きます。そう、怪人大相撲の登場です。
シャッターチャンスとばかりカメラを構える3人組。その気になっていろいろとポーズを取る怪人大相撲。調子に乗りすぎて、途中、つけ髭が取れたりもします。しかしハタと、「何でこんなことしてるの?」と、自分がしていることに気づいてしまいます。そして怪人大相撲は、逃げる三人組を追いかけていくのでありました。え? そこって、怒るところなの?
加納の持つポラロイドカメラから出てきた、髭のない怪人大相撲の写真を見て、花子は怪人大相撲の正体が潰れた肉屋の主人だと気付きます。そう言えばあの主人は、店に力士の手形や錦絵などをたくさん飾っていました。そう、主人は商売を潰してしまうくらいの大相撲オタクだったのです。
三人組を追いつめる怪人大相撲。逃げ足が速いので、太鼓を叩いてまわしを操り、三人に襲い掛かります。
花子も追いつきますが、一人ではシュシュトリアンに変身することはできないので、バルミラクルで雪子と月子を呼び出します。
ロープで三人の動きを止め、前半に登場しようとした女子中高生たちと同じように土俵入りさせようとした怪人大相撲ですが、3人が鬘を取りセーラー服も脱ぎ、相撲好きの女子中高生ではないことをアピール。こいつら、セーラー服の下にはしっかりとスリップまで着ています。セーラー服もそうだけど、どうやってこの衣装調達してきたんだろう?
よくもだましたな、と、怒り出す怪人大相撲ですが、そこって、怒るところなの? 単に、そのまま土俵入りさせちゃえばいいんじゃないの?
それとも、力士を弱くした元凶である女の子を土俵入りさせることに意味があるんですかね? いずれにしろ、ひねくれすぎていてよくわかりませんけど。
ここでようやく、雪子と月子が登場。「怪人大相撲の正体は最近潰れたコロッケのおいしい肉屋の主人」と、必要最小限の台詞だけで状況を説明してしまう花子と、「え? よし!」と、一瞬で理解してしまう雪子。どっちもすごいね。
三姉妹はシュシュトリアンへと変身します。変身シーンは1話とほぼ同じですね。
三人組を追い詰めた怪人大相撲ですが、土俵入りはシュシュトリアンによって阻止されます。
怪人大相撲はまわしを飛ばしてシュシュトリアンを攻撃。月子と花子はまわしに巻き付かれてしまいますが、雪子がこれを救出します。
一旦撤退した怪人大相撲ですが、今度は自らが力士へと変身し、米俵を投げつけて攻撃してきます。しかしこれも、紅のバトンで投げ返され、最後はシュシュファイナルで勝負ありとなりました。
今回のお説教ワードは、「古人いわく『贔屓の引倒し』」。力士のために立ち上がった怪人大相撲ですが、怪人大相撲がセーラー服の女子中高生を襲えば襲うほど、実はかえって力士たちの迷惑になっていたのです。
紅のバトンを振るうと、爆発と共にテレビが登場。そこには、セーラー服の女子中高生が、力士が怪人大相撲の友達だと思い込んで石を投げるという映像が映し出されます。いやいやいや、これ、掛け値なしの犯罪行為ですやん。怪人大相撲に酷い目に合わされたとはいえ、女子中高生たちも擁護できないでしょ。
まあ、それはそれとして、横綱を作る為にいろいろとやってきた自分の人生に疑問を持った怪人大相撲に対して、「あなたの人生はコロッケです」と断言するシュシュトリアン。まあ、そうかもしれないけど、人生はコロッケっていうのも、それはそれでちょっと酷いような。
銀ダラの煮付けを楽しみにしていたのに、夕飯のおかずがコロッケになっちゃって父親ががっくり、というのが今回のオチ。ちょっと普通というか、弱めのオチですね。
ちなみに、この回が放送された1993年1月17日時点では、確かに横綱不在だったのですが、丁度そのとき開催されていた初場所で大関・曙が優勝して横綱に昇進し、北勝海の引退以来続いていた横綱不在は解消されました。これもシュシュトリアン効果でしょうか。良かったね、肉屋のおじさん。
[次回予告]
幸福とは何か。テストで100点取ること。おいしいものを食べること。お金持ちになること。だけど100点取っても、おなかいっぱい食べても、お金がたくさんあっても、幸せとは限らない。そんな人、蜂妖怪に気をつけて。
次回の有言実行三姉妹シュシュトリアンは、「幸せな人、ご用心」。お楽しみに。
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