雑居空間
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 社会思想社・現代教養文庫、イアン・リビングストン著のゲームブック、「トカゲ王の島」をプレイ開始。

 これ以降、「トカゲ王の島」のネタばれを含んでいます。ご注意ください。



 あたし、レイン・デシンセイ。19歳のか弱い女の子、兼、凄腕の剣士をやってます。
 旧友のマンゴに会うために立ち寄った小さな漁村・オイスターベイ。しかしその村は、近くにある火山島に住むトカゲ男の脅威に晒されていたのです。
 マンゴと2人でその火山島に乗り込んだあたし。しかしマンゴは、砂浜にいた巨大蟹の手によって、命を落としてしまった。
 あたしはマンゴの無念を胸に抱き、トカゲ王の打倒を誓ったのでありました。首を洗って待ってろよ、トカゲ王!



<現在の状況>

技術(9):9
体力(21):17
運(12):4

金貨:
宝石:
飲み薬:
食料:0

装備:剣、革の鎧、ザック、金のかたまり、かもめの羽



 あたしは三つの試験に合格した。これでゴンチョンを倒すための秘密の呪術を教えてもらえるのだ。
 呪術師は白目をむくと両腕を大きく広げた。そして立ち尽くしたまま瞑想状態に入り、静かにゴンチョンに付いて語りだした。

 ゴンチョンは巨大な人食蜘蛛のような姿をしていて、その触手を宿主の脳髄に深々と突き刺しているのだという。
 ゴンチョンを倒すには、その宿主を殺した後、時間をおかずに触手を切断しなくてはならない。そうしなければ,ゴンチョンは宿主を殺したものに襲い掛かり、新しい宿主にしてしまうそうなのだ。
 しかしそもそも、ゴンチョンが寄生している者を殺すという段階でさえ困難が付きまとう。ゴンチョンがコントロールしている者は、通常の方法では傷つけることさえ出来ないのだ。傷つける唯一の方法は炎の剣を用いることなんだけど、厄介なことにその炎の剣はトカゲ王本人が所有していて、普段はただの錆びたナイフのように見える魔法がかかっているらしい。
 つまり、状況は非常に厳しいものがある。でももう一つ、トカゲ王にはウィークポイントがある。トカゲ王はどうも生来のサル嫌いで、ゴンチョンの力をもってしてもそれはどうにもできないらしい。サル嫌いなんてホントにまぬけな話なんだけれど、今のあたしにとってはそんなところにもすがりつかなくてはならないだろう。

 やがて、呪術師はゆっくりと目を開いた。そして南東の方角を指差して、そちらに囚人の村があるということを教えてくれた。
 あたしは呪術師にお礼を言って、トカゲ王の砦へ行くために火山を降りていった。



 みんなが待つトカゲ王の砦を目指して歩いていったものの、大きな峡谷が行く手を阻んでいる。飛び越えるには幅が広すぎる。時間のロスになるけれど、迂回するしかなさそうだ。
 峡谷沿いに東へと進んでいくと、前方に石の橋が見えた。よしよし、何とかなりそうだね。
 しかし、橋の入り口には矛と盾で武装したホブゴブリンが立ちはだかっている。足元にはどんな生き物のものかはわからないけれど、白骨が転がっている。けして平和的な人じゃあないことだけは確かだ。

 あたしは思わず剣を握る手に力を込める。しかし、あたしもこれまでの冒険でかなり疲労が蓄積している。すんなり通してくれるのならばそれに越したことはない。
 あたしはトカゲ王の部下の振りをすることにした。堂々とホブゴブリンに近づいていくと、トカゲ王に呼ばれたのでこの橋を渡して欲しいと告げる。
 このホブゴブリン、どうやら頭の方はそれほど賢いわけでなく、あたしがトカゲ王の部下だという点については信じてくれたみたい。こんなキレイどころがトカゲ王の部下なんてやってるわけないのにね。しかしどんなにアホでも一応は門番。生意気に合言葉なんて聞いてきた。
 「なんだって?」
 あたしは不測の事態に、思わず尋ね返した。
 しかしこれがたまたま大当たり。
「よし、そのとおりだ。合言葉は『なんだって』だ。とおってよろしい」
 なんか知らないけど、どうやら通してもらえるみたい。あたしは石の橋を渡って、無事に峡谷を越えることが出来た。
 しかし合言葉は、もう少しひねった方がいいと思うよ。あっ、簡単なのにしておかないと、トカゲ男とかが覚えられないのかな?



 橋を渡りきったあたしは、再び東南の方角を目指して歩き出した。
 しばらく岩と砂の荒野を進んでいくと、前方から大きな影がこちらに向かって迫ってくる。周囲を見回しても、身を隠せそうなところはない。あたしは剣に手をかける。
 やってきたのは、巨大な爬虫類に乗ったトカゲ男だ。トカゲ男はもちろん、その爬虫類までも鎧で武装している。しかもそのトカゲ男、普通のヤツとはちょっと違う。もしかしたら、トカゲ王が作っているという、改造兵士かもしれない。
 そいつは問答無用であたしに襲い掛かってくる。こちらも応戦するしかなさそうだ。

 ボカ、スカ。

 トカゲ男の強靭な腕力に、巨大な爬虫類の突進力が、あたしの体力を削っていく。あたしも必死に剣を振るうのだが、ヤツラの厚い鎧をなかなか貫くことが出来ない。
 打ち合うこと数分。あたしの膝が沈んだ所に爬虫類が突進してきた。その爬虫類の巨大な角があたしの腹を貫く。
 ごぼごぼと血を吐きながら見上げると、トカゲ男の矛が今まさにあたしに向かって振り下ろされるところだった。


(おしまい)




 あー、敵つえー。
 FFで体力点が0になって死んだのって、かなり久しぶりのような気がします。技術点9だと全然足りませんね。運点が2まで落ちた(少し回復したけど)のも初めてかも。



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