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 先日、「ティル・ナ・ノーグ 禁断の塔」をクリアしたので、その感想などを少々。
 クリアしたと言ってもシナリオ1つだけですので、シナリオジェネレータによる膨大なパターンのシナリオを生成できるのが最大のウリであるティル・ナ・ノーグを評価するためには、もっと多くのシナリオをプレイしてからにすべきかとも思います。でも、そんなに何シナリオもプレイしたくなるほど面白くはなかったというのが正直なところです。

 プレイしたシナリオは1つだけですけど、ちょっとお話が薄っぺらでしたかね。冒頭に与えられる最終目標はラストダンジョンである禁断の塔に行くまで特に触れられることもありませんし、道中ではすぐに終わる単発のクエストが発生するだけ。仲間になる人たちもほとんが行きずりの人たちで、パーティーへの出入りも激しく、物語的な意味のある人はあまりいません。1つの大きなシナリオというよりは、幾つかのパーツを寄せ集めただけのような印象です(実際そうなんでしょうけど)。
 ゲーム的にも、迷宮や廃墟などを探索して金や呪文、装備を入手してパーティーを強化しながら先に進んでいくだけ。都合5つの王国を巡りましたが、進むに連れて敵がどんどん強くなるだけでやることがあまり代わり映えせず、とても単調でした。入手できる呪文や装備も、種類はかなり多いのですが、どれが出てくるのかはランダムみたいなものなので、多様性はあるかもしれないけど、必ずしも面白さに直結しているわけではありませんでした。
 その辺りは、ジェネレータにより無数に生成されるシナリオそれぞれについて、破綻のない展開をさせるために必要なことだったんだろうと思います。シナリオに深みを与えるために特殊な展開を用意することはできたでしょうが、シナリオギミックを特殊にすればするほど汎用性が失われ、複数のシナリオに使いまわすことが難しくなりますからね。でもその結果、ひとつひとつのシナリオがつまらなくなってしまっては本末転倒でしょう。
 私がプレイしたのがたまたまつまらないシナリオだったという可能性もありますけど、シナリオの構造を見る限り、他のもそう大きくは変わらない気がします。仮にシナリオの当たり外れがあるにしても、どれが当たりかはプレイしないとわからないし、プレイしてみるにしても時間がかかります。その結果がイマイチシナリオだったら目も当てられません。

 まあ当時は1つのソフトで延々と遊び続けられるということも重要なファクターのひとつでしたので、シナリオをとっかえひっかえして何度もプレイできることにも充分価値があったんですけどね。何度もプレイするのが辛いというのも、あくまでも現在の視点なればこそなのかもしれません。難易度はそれほど高くないので、もし発売当事にこのゲームを所有していたなら、なんだかんだである程度の回数はプレイしていたんじゃないかとも思います。
 何より1,000,000,000通り(先に出たPC-9801 版はさらに10倍多いですけど)のシナリオがあるというインパクトは大きく、ゲームの完成度はともかく、よくそんな無茶苦茶なゲームを作ってくれたなぁとも思います。他の一般的なRPGよりは短かめとはいえ、全シナリオを遊びつくすことは事実上不可能ですが、夢のある話ではありますよね。どこかに眠っているかもしれない、まだ見ぬ奇跡の良シナリオを発掘するというのも、それはそれで1つの楽しみ方ではあると思います。面白いシナリオのシナリオコードを紹介しているサイトなどもあるかもしれませんので(すいません、私は探してないので本当にあるのかは不明です)、これからプレイする方は参考にするのも良いのではないでしょうか。

 「ティル・ナ・ノーグ 禁断の塔」はたぶんもうプレイしないと思うのですが、ティル・ナ・ノーグといえばもう1つ、「蘇るPC-9801伝説 永久保存版 第2弾」に収録されている「ティル・ナ・ノーグII カオスの警鐘」を所持していますので、そっちはそのうちにプレイするんじゃないかと思います。
 ちなみに、「カオスの警鐘」のプレイを「禁断の塔」より後まわしにしたのはひとえに「II だから」という理由だったのですが、実は「禁断の塔」はMSXとPC-8801 用に開発されたもので1作目の「ティル・ナ・ノーグ」とは別物であり、発売時期も「カオスの警鐘」の方が古かったりするんですよね。それを知ったのは、「禁断の塔」をプレイし始めた後のことだったのですが……。



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