雑居空間
趣味のあれこれを、やたらめったらフットスタンプ




 有言実行三姉妹シュシュトリアンの24年越しの追っかけ視聴。1993年3月7日放送の第9話は、「フライドチキン男の青い鳥」です。



 月子と花子より早く帰宅したため、一人で昼食の焼きそばをたべる雪子。制服着てるし、土曜のお昼でしょうか。
 そんなとき、焼きそばに乗っていた紅しょうがが勝手に動きだし、焼きそばの中へと潜り込んでしまいました。
 「これは……」何かを察知した雪子が急いで焼きそばを完食すると、皿の上に紅しょうがで「二丁目のヤキトリ」というメッセージが書かれていました。
 ずいぶん、回りくどいやり方だなぁ。しかし雪子も、「やっぱり、お酉様からの指令だわ」とか言ってますけど、ちょっと訓練されすぎじゃないですかね。今までだったら、無視してそのままくつろいでいてもおかしくないのに。

 雪子が向かったのは、二丁目にあるやきとりやさん。店の名前もそのものズバリ「二丁目のやきとりやさん」です。まだ開店したばかりのようで、店の前には開店祝いの花などが飾られています。山下工務店とか、岩田精肉店とか、普通っぽいところからの祝いも来ているので、とりあえずは一般のお店のようです。

「いらっしゃいませー」
 しかし、店の中にいたのは、ねじり鉢巻にエプロンをしたフライドチキン男。しまった、やっぱり一般のお店じゃなかったか。
 実はニワトリ仲間から安く鶏肉を仕入れるルートがあるので、焼き鳥屋を経営することになったとか。今回はお酉様の指令ではなく、フライドチキン男が個人的に、シュシュトリアンにお店の宣伝用ポスターのモデルになって欲しくて呼び出したそうなのです。
 えーと、第5話「謎の女形・金平糖夫人」のときには、フライドチキン男はチキンライスを前にして怒り出しちゃったんですけど、今回のこれは大丈夫なの? まあ、あんまり細かい設定の齟齬を気にすぎても、しょうがないんですけどね。

 そんな話にまともに付き合うつもりのない雪子は、紅のバトンをふるうと、焼く前のネギマの串がフライドチキン男を襲撃。串はそのままお尻に突き刺さり、壁に激突したフライドチキン男の上にダルマが降ってきて、敢え無くフライドチキン男はKOされてしまいました。
 家に帰った雪子は、月子と花子にこのことを話します。三人の見解は、「あたしたちって、甘く見られてるのよ」。まあ、協力するもしないも三姉妹の自由ですけど、第6話「光源氏のバレンタイン」のときと違って一応まっとうな商売をするつもりなら、ここまで邪険にすることもないんじゃないかと思いますけどね。
 なお、今回から月子の三角巾が取れています。

 一方、一人で店の修理をするフライドチキン男。さっき壁に激突した際に、棚が落ちちゃったんですね。かなづちを振るいながら、ポスターにシュシュトリアンが使えないならどうしようかと考えています。
 そのとき、何をどう間違えたのか、かなづちで自分の後頭部を強打してしまいます。壁にもたれかかりながら、くらくらする頭に浮かんだのは、青い鳥。そして、「チルチルミチルの幸福の青い鳥をヤキトリにして売れば、絶対に儲かる!」という、トチ狂った結論に達してしまったのです。
 早速、電話帳パラパラとめくるフライドチキン男ですが、面倒くさくなり、手っ取り早く104にかけるのでありました。

 そんなわけで、フライドチキン男はチルチルミチルの家へやってきました。そこは結構な豪邸で、「チルチルミチルの城」と看板も立っています。
「幸福の青い鳥よ、私たちをもっともっと幸福にしておくれ」
「ほうれん草には、ビタミンAや鉄分がいっぱい入っているのよ」
 豪邸の中では、チルチルミチルの兄妹が、青い鳥にえさを与えています。栄養豊富なほうれん草を与えている辺り、大事にしている風にも見えますが、鳥かごには南京錠がつけられていて、ちょっと不穏な感じもありますね。

 天気もいいので庭で昼寝でもしようかと二人が部屋を出た隙に、フライドチキン男がこっそりと青い鳥の鳥かごへと近づいていきます。これ、フライドチキン男は104に電話してたけど、チルチルミチルに電話はしてないよね。104だと教えてもらえるのは電話番号だけで、住所の逆引きはできないはずだけど……。
 しかし、鳥かごには鍵がかかっていて、青い鳥を連れ出すことができません。しかも鳥かご自体にもチェーンがついていて、床に固定されてしまっています。
 そこへ、なにやらすすり泣く声が聞こえてきます。声の正体は、誰あろう、青い鳥です。青い鳥はフライドチキン男に、助けてくれるよう頼みます。
 青い鳥によれば、チルチルミチルの二人は、青い鳥を拝めば誰でも幸福になれると、金を取って参拝させるビジネスを始めて、大儲けしたそうなのです。参拝料は1回、3000円。実際に青い鳥にどの程度の幸福効果があるのかわかりませんけど、やってることはそこまで悪質というわけでも無いような気はしますけどね。悪質な新興宗教とかと同じような感じでしょうか。青い鳥本人の意に染まぬ形でやるのは問題ですけどね。

 鳥かごの鍵を何とかしないと助けられないわけですが、その鍵はチルチルが持っています。それを聞いたフライドチキン男は、邪悪な笑みを浮かべながら部屋を後にします。もちろん、善意などではなく、青い鳥を捕まえてヤキトリにするため、な訳ですが。
 庭で昼寝しているチルチルの腰からあっさりと鍵を盗み取ると、フライドチキン男は鳥かごの開けて青い鳥を助け出します。早速、「ヤキトリにしてやる~」なんて本性を丸出しにするわけですが、青い鳥もやるもので、くちばしで突っつき、脱出に成功します。

 青い鳥を追いかけようとするフライドチキン男ですが、部屋を出ようとしたところで、昼寝から目覚めたチルチルミチルと鉢合わせ。口笛を吹いてごまかそうとしますが、青い鳥が逃げ出したことに気付いたチルチルに締め上げられてしまいます。



 チルチルにマウントポジションを取られて締め上げられながらも、あくまでシラを切り通そうとするフライドチキン男。しかしそこに、ミチルが悪だくみを持ちかけます。
「このフライドチキン男なるものを、幸福の青い鳥に仕立てるのです」
 要するに、本物の青い鳥でなくても、それっぽければ何でもいいってことですかね。まあ、鰯の頭も信心から、って言いますし、拝むほうが満足していれば別に構わないと思いますけどね。

 一方その頃、家でメロドラマを観ている雪子。愛しあう二人が今まさにキスをしようとしているシーンで、突然二人がカメラ目線になると、腕をばたつかせて、けたたましくニワトリの鳴き声をあげます。
 「これってもしかして」
 雪子は急いで部屋を出て行きます。全然具体的な合図じゃないのに、今回の雪子は本当によく訓練されていますね。

 フライドチキン男は、公園で青いダチョウの格好をさせられています。首にロープが巻かれていますが、首の周りはゆるゆるなので、逃げようと思えば逃げられそうですけどね。
 ミチルに引かれて、祭壇の上に上げられるフライドチキン男。その前には、青いダチョウを拝みに来た、十数人の人たちがいます。参拝料は、値上がりして1回5000円。それでも、我先にと群がってきます。
 ……やっぱりこいつら、もう放っておいても良いんじゃないですかね。参拝客のほうも、騙されているといえば騙されているけど、もう同類みたいなものでしょ。一応、この件に関しては被害者側のほうにいるフライドチキン男も、この儲かる様子を見て、だんだん調子に乗ってきていますし。

 その様子を、物陰から雪子が眺めています。フライドチキン男を助けに来たはずなんですけど、参拝客を煽って堂々と青いダチョウを演じるフライドチキン男に呆れ、少し懲らしめることにしました。
 しかしながら、常識人かと思われた雪子も、やっぱり少しおかしかったのです。
 青いダチョウ効果で大当たりを期待して宝くじを買った男性には紅のバトンをふるって頭にサッカーボールをぶつけて気絶させ、恋人紹介所にはがきを送った学生はポストを倒して押しつぶし、競馬新聞を読みながら万馬券に期待して大穴を狙った女性には、座っていたベンチを倒壊させる。フライドチキン男を懲らしめるためとはいえ、一応罪のない参拝客のほうをターゲットにしちゃいけないでしょう。

 屋敷で金勘定をするチルチルミチルに対して、ロープでつながれ、ほうれん草を食べさせられるフライドチキン男。まあ、ほうれん草はビタミンAと鉄分が豊富だからね。一応、なるべく長生きして、なるべく多く稼がせようという魂胆なんでしょうね。
 そこへ押しかけてくる参拝客たち。青いダチョウを拝んだら不幸に襲われたから金を返せとやってきたのです。みんな(雪子によって)酷い目に遭っているので、怒り心頭です。チルチルミチルが勘定していた金を、持っていかれてしまいました。

 ……今回訪れた不幸は雪子の仕業ですけど、今までこういうクレームがなかったということは、一応青い鳥を拝むことにはちゃんと幸福効果があったということなんですかね。それとも、雪子のやったことは宝くじとか、馬券とか、本質的な願いとは別なことなので、願いが叶ったかどうかとは別に、悪いことが起きたことを問題視しているんでしょうか。

 拝んだら不幸になるなんて、と、フライドチキン男に八つ当たりするチルチルミチル。ここでまた、ミチルが凶悪な提案をします。
「この縁起でもないフライドチキン男を、名前の通り、フライドチキンにして食べちゃいましょうよ」
 うーん、ミチル、やばいな。チルチルはまだ普通の悪人ですけど、ミチルは頭おかしい系の悪人ですね。

 逃げ出そうとするフライドチキン男ですが、首にくくられた縄が災いしてつかまってしまいます。
 その様子を物陰から見ていた雪子も、流石に食べられちゃうのはまずいと思い、パルミラクルで月子と花子に連絡します。

 台の上に縛り付けられたフライドチキン男の全身に、粉をまぶしていく二人。服は脱がせていますが、パンツと靴、帽子にめがねがそのままなのは、諸般の事情というものでしょう。
 さらにぐつぐつと油が煮立っている鍋の中へと、フライドチキン男を誘導していきます。人一人を揚げるには、ちょっと鍋の大きさが小さすぎる気もしますけどね。

 そこへシュシュトリアンが颯爽と登場。「お待ちしておりました!」と、フライドチキン男も拍手で迎えます。
「古人曰く、『天知る、地知る、我知る、人知る』」
 シュシュトリアンがやってきて調子づいたフライドチキン男は、チルチルミチルに対して、青い鳥を使って大儲けしていることはみんな知っているのだとなじりますが、実はさにあらず。この故事は、フライドチキン男に向けられたものだったのです。今回はホント、登場人物みんないろいろとおかしいからなぁ。
 そのことに気がついたフライドチキン男は、今度はチルチルミチルサイドに移動。私をフライドチキンにしたければ、シュシュトリアンを退治せよ、と焚きつけます。ホント、しょーもないな、こいつ。

 ちなみに、言葉の意味としてはこっそり悪事を働いていた人全てに当てはまるので、特にこのエピソードならではというものでもないと思うのですが……。単に「チルチルミチル」という名前と、言葉の響きが似ているから採用された、とかなんですかねぇ。
 あと、特撮好きとしてはどうしても仮面ライダーストロンガーを連想してしまうのですが、出典は後漢書にある楊震という人の言葉です。

 そんなわけで、シュシュトリアンと、チルチルミチルのバトル開始。でも、チルチルミチルは戦闘要員ではないので、割と一方的にやられてしまいます。
 しかしここで、またもやミチルの提案が飛び出します。今度は、童話の世界の友達を呼び出して、力を貸してもらおうというのです。
 青い鳥の本を前にして二人が祈りの言葉を唱えると、「助太刀しましょう」と現れたのは、マントの男が3人。一人は全身黒ずくめで白い仮面をかぶり、黒い帽子に鎌を手にしています。残る二人は全身白ずくめで、黒い仮面をかぶり、手には大きな剣を持っています。
 青い鳥はまともに読んだことがないのでちょっと調べてみたら、時のおじいさんという人が鎌を持っているようですが、こんな武闘派なの? まあ、チルチルミチルもこんなに性格悪くなってるんだから、時のおじいさんがどんなデンジャラスなキャラクターになっていてもおかしくないんでしょうけどね。

 これで3人対3人になったので、シュシュトリアンと怪人たちは、それぞれ1vs1 で戦います。この怪人はそれなりに強く、はじめの内はシュシュトリアンも苦戦しますが、次第に形勢逆転、途中からはシュシュトリアンが一方的に叩きのめし始めます。
 劣勢を察知した怪人たちは、チルチルから本を奪うと、3人が覆いかぶさるように、本の中へと退散していきました。

 残されたチルチルミチルと対峙するシュシュトリアン。そのとき、青い鳥が現れ、いずこかへ飛び去っていきました。その様子を見たミチルは、再び幸福の青い鳥を探す旅に出ようと提案。そのまましれっと立ち去ってしまいました。
 これ、なんかこのシーンだけ切り取ると良い話みたいになってますけど、全然そんなことないからね。逃げた青い鳥をまた追いかけるのって、原作的にも、このエピソード的にも、まったく反省してないってことですからね。

「行っちゃいましたねぇ」
 良い話風の流れに乗ってしれっと登場するフライドチキン男ですが、今回は一切、言い訳不可能。シュシュトリアンに一喝されたら、「ごめんなさい!」と、土下座するしかありません。

 その夜、山吹家の食卓に、ローストチキンや鳥のから揚げ、棒々鶏に焼き鳥など、多くの鶏料理が並びます。
 「いいのかい? こんなにご馳走になっちゃって」と多少恐縮する英三郎ですが、いいのです。だって、知り合いに鶏肉が安く手に入るルートがあるのですから。
 キッチンに立ってこき使われているのは、フライドチキン男。なんだかんだで、フライドチキン男も、すっかり山吹家に溶け込んでますよね。ま、今回はとにかく、いろいろ酷すぎました。これくらいしてもバチは当たらないでしょうね。
 



[次回予告]
 Jリーグにあこがれるサッカー少年の夢を、ゲームソフトと共に奪うETおばさん。退治せよって言われても、手がかりがないじゃない。と、思ったら、お父さんがなんか知ってそう。後つけちゃおう。
 次回、有言実行三姉妹シュシュトリアンは、「ETおばさん見参」。お楽しみに。
 お父さん、大活躍。


コメント ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする


« ゲームブック... 記事一覧画像一覧フォロワー一覧フォトチャンネル一覧 Skirmish »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。