ミドリノサラリーマン

京阪神中心のお花屋さん、ホームセンター、植物園やお花スポットに出没し、花を買いまくり、育てまくります。要注意。

「成果主義とキャリア自立の補完関係」高橋俊介

2006-01-01 | HR・business・work
<成果主義の問題の分類>
Ⅰ.成果主義の目的や定義に関わる問題
 例:総額人件費削減を目的とするなど
  → 副作用でない(それ以前) 
Ⅱ.成果主義実現の方法論に関わる問題
 例:過度な短期指向の助長など
  → 副作用
Ⅲ.成果主義の追及では、解釈できない問題 
 例:個人の長期的キャリアの充実など
  → ポスト成果主義
 
Ⅱ→〔方法論の典型的問題〕
 ・個人別数値目標重視、達成度重視の
  目標管理制度と給与の直結により・・・
 ・目標達成重視でチャレンジしなくなる
 ・目標が財務系結果指標に偏り、短期指向に
 ・目標にない課題やチームワークの無視
 ・詳細な成果主義でラインが思考停止に
Ⅲ→〔成果主義では解決できない問題〕
 ・等級制度、組織階層などの
  外的キャリア基準でのキャリアアップが困難
 ・一方で日常の成果へのプレッシャーは
  ますます増加する
 ・組織継の続的成果と個人の
  長期的キャリア充実は成立し得るか

<仕事流動化と成果主義の影響>
 ・仕事かキャリアの将来予測が困難に
 ・クルンボルツ教授の計画された偶然理論
 ・ジェラード博士の直感的意思決定モデル
 ・仕事自体の柔軟性と成果主義圧力で仕事の価値観に加え、
  プロセスの動機適合性が重要に
 ・ジョブデザインとキャリアデザインの一体化
 ・獲得した能力活用から継続的能力獲得重視、
  発揮能力の動機との適合性重視

<キャリアコンピタンシー>
 ・自立的キャリア形成とは
  「価値観と適合した仕事、動機と適合した能力発揮による成果を
  目指して継続的かつ自立的に試行錯誤するプロセス」
 ・キャリアコンピタンシーとは
  「自立的キャリア形成プロセスを効果的に
  推進してゆくコンピタンシー」
 ※嫌なことをどれだけやったかが評価される時代ではない
   ↓
  ”楽しくやって成果を出す能力”
   →これがキャリアコンピタンシー

<企業の人事改革への意味合い>
 ・人事制度はキャリアの外的基準ではなく
  自立的社内流動メカニズムの基本ルーツ
 ・社内流動化市場活性化ためのプラットフォームや
  アセスメントツールの提供
 ・ライン長の人材評価人材獲得能力の向上支援
 ・個人のキャリアコンピタンシー向上支援

<米国の社内キャリア流動化事例>
 ・サウスウエスト航空の一日体験デー
 ・キャリア自立研修とキャリアコーチ
 ・産業平均退職率18%→9%→6%へ
 ・サンマイクロのキャリア自立研修
 ・HPの社内公募WEB
 ・CACによるキャリアセンターサービス提供

<キャリア自立の支援>
 ・過去のキャリアカウンセリングは就職転職再就職の
  非連続的意思決定支援の性格が強い
 ・企業内の連続的キャリア自立支援の
  継続的コーチング型キャリアカウンセリングが重要
 ・スキルや経験でなく動機や価値観を重視した
  CSR(Career Self-Reliance)研修
 ・現実的には組織のキャリア受容性、仕事の流動性と多様性
  などにより効果はかなり異なる
 ・米国ではレイオフへの免罪符的事例もあった

<今日のまとめ>
 「キャリア自立なき成果主義は人を不幸にする」