TWP これ…、何回目のブログです?

まぁ長続きしないんです。アウトドアと酒とサバゲとカスタムドールとイラスト。「めいんてなんす」再開しますた。

オカルト小噺 「空に叫ぶ」

2011-08-13 15:32:40 | オカルト
以前、2ちゃんの「洒落怖」あたりに投稿していたお話。
気が向いたらここに書いて行きます。


【空に叫ぶ】
仕事に就いたころ、彼女と一軒家に賃貸で住んだことがある。三角屋根の一棟を左右に半分にした二世帯住宅だ。
隣には別の夫婦が住んでいた。丁度子供さんが大学に入って、子育てに一段落ついたくらいのお年のようだ。二人でお暮らしだった。
半年くらい経って、夏の休日の昼間に二階の机に向かっていたところ、隣の下のベランダから、隣の奥さんが誰かと口論しているのが聞こえてきた。結構な大声だ。

口喧嘩でもしているのだろうか?…だが、相手の声は聞こえなかった。

「お父さんの体だけ狙ってる泥棒猫!」
「子供すら作れない癖に!」
「お父さんに何て言ったのよ!」
「嗚呼、イヤラシイ」
「殺してやりたい!きっと殺す!私は負けない!」
聞くに耐えない。普通なら大声で叫ぶなんて、いくら何でも憚られる内容だった。

誰と話をしているんだろうか?こんな際どい内容だし、たぶん身内だろう。
おいらは首を延ばして、開いた窓から声の聞こえる方を覗き込んだ。
ベランダに出ている彼女が見えた。彼女はこちらには気づいていない様だ。

「また来てる!このウチは私のものよ!何で来てるのよ!」
家の中に誰かいるのか。親戚でも来ているのか?
だが実際は違っていた。彼女は物干し台の横に立ち、ベランダの外の林に向かって、空に向かって叫んでいたのだ。
「イヤラシイ!あんたのせいだ!」

あーぁ。と思った。いわゆる統合失調症、略して「統失」というヤツだ。

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おいらはこの日が初めてだったのだが、彼女に言わせると、旦那さんが居ない昼間、決まった時間にあれが始まるのだという。会話の内容は、ほぼ決まってあんな感じ。
何か、不倫の恋仇相手に戦いを挑んでいるようだ。

これが始まると、流石においらの彼女も外で干し物が出来なくなる。外に出られないのだ。
決まって隣のベランダで始まるから。目を合わせてしまうと、何されるか判らない。

その年の年末、お隣り宛にお歳暮が届いたらしい。そしてその日の午後、また始まった。

「こんなお歳暮で騙されると思ってるの?」
「何とか言ったらどうなのよ!」
「こんなものお返しするわ。イヤラシイ。もう二度と送って来ないで!」
今度は部屋に置かれたお歳暮の包み相手に戦っているらしい。いつものパターンだ。
しかし、いつ聞いても、聞くに耐えない猥雑で一方的な叫び。気分が悪くなる。

ビビったのは、その夜、そのお歳暮がおいらたちの家の玄関先に置かれていたことだ。

手紙が添えてあった。『今度、こんな事をしたら、本当に殺します』と赤いボールペンで殴り書きがしてあった。
再度、隣に返す訳にもいかないので、まんま捨てた。
包丁でメッタ刺しにしたのか、包みがズタズタに切り裂かれていた。詰め折のハムにまで達する程だった。よほど力任せに刺したのだろう。ぞっとした。

これは彼女の頭の中で、隣の住人であるおいらたちが、視界に入って来たということを意味するかも。
しかも、彼女にとって友好的なキャラでは決してなさそうだ。

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流石に、おいら達も身の危険を感じて、この件は大屋に相談した。
だが、直接被害を受けていない状況ではどうすることも出来ない。いつもは普通に会話出来るのだ。暴力沙汰を起こしているわけでもないので、警察にも相談出来ない。
しかし、一旦スイッチが入ってしまうと、何をするか皆目検討がつかない。

大屋さんから、旦那さんにそれとなく言ってくれないかとも頼んだが、家庭内の事情だし、そもそも旦那の居るところでは発症しないので、旦那には実感が伴わないという。
故に病院で診察を受けさせることも叶わない。
「だって、旦那の不倫も原因の一つではないの?」と喉まで出かかったが、その証拠もない。

おいらも意を決して、一回隣の旦那に会いに行ったことがある。
「まあ、ウチの問題ですからね。済みませんが、おひきとり下さい」
面倒臭そうに旦那に言われ、ここで成す術が無くなった。完全に八方塞がりだ。

その時には、こっちの彼女のストレスも、もう限界に来ていた。
…潮時だ。おいらたちがこの家を出る事にした。これ以上ここには居られない。

引っ越しのトラックに積み込みが終わったところで、当人夫婦が出てきて見送りに来た。
今日はまともだ。旦那が横に居るから。

「まあ、折角お隣りになったのに、もう越されてしまうの?淋しいわ」
よくもヌケヌケと。しかし、今の状態の彼女には全く悪気は無い。これが始末に悪い。

誰のせいでこうなったか、今この場で言ってやろうか!とも思ったが、横に居た彼女の
一言に毒気を抜かれてしまった。

「奥さん、…死ぬまでずっとあのままなのかな…可哀相に」

彼女にとって何が敵なのか?多分全てだ。彼女を気遣いもせず、治療させようともしない旦那、ことなかれで傍観する大屋、今こうやって逃げ出すおいら達、そして彼女自身の頭。

…彼女の身近を取り巻く全てと、彼女自身が、彼女の敵なのだ。

車に乗り、揺られながらそう考えていると、少しばかり奥さんが気の毒になった。


-終-

ドールヘッドを作ってみる その2

2011-08-13 11:39:41 | Dolls


前回の続きです。

<写真上から1枚目>
睫毛の描き消しは、一気にやらずに、何日か時間開けても良いかも。
繰り返して調整していきます。

<2枚目>
ハイライト入れる。
おいらは大きめ1個と小さめ2個で入れてるが、ここらへんはお好みで。
場所を左右で間違うとガチャ目に見えるので慎重に。

パステルをカッターで削って粉にし、綿棒でチーク入れる。
頬骨の上と顎、鼻の頭にやさしくすりすり。
つけ過ぎたらクリーナ溶剤で拭き取れる。

髪の毛を下げてお好みのヘアスタイルに。
今回は前髪を揃え、左右を胸元あたりまでの段カットにした。

<3枚目>
口紅が濃すぎたのでクリーナで一回落とす。
色はソフビの組織まで入るので、完全に落とすことは不可能。
うっすら入れたい場合は、濃い目の色を塗って→落とすといいかも

目のうるると唇の艶は、木工用ボンドを水で薄めて塗るといい感じのグロウになる。
筆の洗浄忘れずに。

<4枚目>
とりあえず、完成

ドールヘッドを作ってみる その1

2011-08-13 11:10:34 | Dolls


1/6のオビツ植毛ヘッドで自前の描き目ヘッドを作ってみる。

<写真上から1枚目>
画材はアクリル用。リキテックスでも良いし、100均のものでもOK。
リターダ(乾き遅くする溶剤)は必須。
クリーナ溶剤は別瓶に入れて、アクセスしやすくする。
パステルはピンクと茶系は必須。
青系買ったけどほとんど使ってない。

<2枚目>
植毛ヘッドは前もって髪をまとめておきましょう。
茶系のリキで目のライン描いちゃう。
右利きの人は向かって左側の目が描きにくいので、先に描く。
(後になって右側の目で調整しやすい)
この段階では、あんまり神経質にならなくてもいい。

<3枚目>
白目入れる。
白目の面積が表情の幅に影響するので、心持ち大きめに描くが吉。
タレ目つり目もここで調整。

<4枚目>
瞳入れる。
外から、少し濃い色→薄い色→瞳孔黒 を入れる。
ちゃんと同心円状にしないと気持ちよくないです。

ここらへんから面相で睫毛入れ。
安い市販品のアイブロウなども使える(アクセスが手軽で、最初から毛先が整っている)
クリーナを少しつけた綿棒で左右の眼のバランスをとっていく。
「描いて付け足す」というよりは「消して整える」感じで考えた方が楽っぽい。

時たまデジカメで写真撮って、第三者視線で見ると調整の方向が解りやすいです。