TWP これ…、何回目のブログです?

まぁ長続きしないんです。アウトドアと酒とサバゲとカスタムドールとイラスト。「めいんてなんす」再開しますた。

「めいんてなんす」再開 -序-

2011-10-01 13:19:41 | アートワーク 「めいんてなんす」



<はじめに>
 以下の文章、イラスト、コミック、コンテンツは、設定厨のTWPが、高校生の頃から続けている「めいんてなんすシリーズ」と呼ばれる一連の「未来史」の概要です(何十年かけてんだ、あ?)。

 今まで何回かのコミケ参加、同人誌、これをネタにした無理ゲー(プロデューサー権限を濫用したSLGで、全く売れませんでした。自分的には気に入ってますがね)などを経て、その後4年ほど手をかけていなかったモノです。
 この度、ブログの再開を期に、今までのコンテンツと新規のものをおりまぜて展開していこうと思います。

 まずは、この世界の基本設定・概略からスタート。


<u.c.歴の始まり>
2027年。 アラブ・イスラエル戦争・第6次中東戦争・第3次世界大戦
 ヨルダンのアカバで炸裂した戦術核によって起こったイスラエル~アラブ間の中距離核戦争。及びこの中東戦争によって勃発した米露中間の4日間戦争。これを経て、米露中は旧自治州、旧地方共和国の連邦体といった形態まで解体され、事実上その威信と実権を失った。


○世界樹の完成
先の戦争の影響をそれほど受けなかった日本のコングロマリット「ふそう・インターナショナル」により、軌道エレベータ「世界樹(ユグドラシル)」が、太平洋キリバス諸島近海に2081年完成。初の民間L1スペースコロニー「ヒマラヤ」の完成に向けて、宇宙植民熱がこの時期に再加速する。以降続々とエベレスト、マッキンレーなどが完成し、次々に移民を受け入れていった。

○2216年 地球連邦発足
 参加は215ヶ国。月のガリレオ、L1ヒマラヤ及びエベレスト・マッキンレーは不参加。

○2417~2419年 第1次太陽系戦争
 太陽系統一を呼び掛けた地球、及びそのスペースコロニー群と、完全自治を主張した小惑星市民;ベルター、月移住者;ルナリアン連合との大規模な統合戦争。多くの熱核兵器が使用された。

○2419年 ジェノサイド
 太陽系戦争の余波を受け、地球北半球で展開された大規模な無差別爆撃。4億人以上が死傷。その後の太陽光日射量の減少。世界的な凶作。この間、約200年間を文字どおり暗黒時代と呼称する。

○2611年 「ホフマン仮定」発見される
 宇宙物理学者のアルブレヒト・ホフマンが、空間の3層構造の方程式による記述に成功。この原理を応用した空間転移技術及びハイパードライブが理論段階に突入した。

○太陽系連合成立。そしてu.c元年
 当時、未だ未知数で、実現不可能な理論と言われたホフマン仮定であったが、その夢のような効果と、ハイパードライブのテクノロジー利権に、各自治政府が群がったという方が正しいであろう。このホフマン仮定は、地球のあらゆる地域エゴを超えたものとなり、ある意味においては連合結成のための最大の外圧ともなった。

(「ホフマン仮説」については、日を改めて。)


<太陽系連合>
 そしてこの年、地球にて太陽系連合が発足し、この年をu.c.(unified-carender)と制定。そして、u.c.518年、αケンタウリ系惑星の上空で、エリダヌス座の惑星、テーバイの宇宙船と接触した。

○ファーストコンタクト
 地球派遣隊所属の宇宙戦艦(戦艦というよりは武装宇宙船)”オドネン”は、u.c. 518年6月15日(地球暦)、ケンタウルス座アルファ星系惑星上空で、18隻から成るテーバイ第二機動艦隊と遭遇。突然の出来事に恐慌をきたした同艦々長、シャモン=トルステア大佐は、一方的に砲門を開く。こうして史上初の異星間戦争が勃発した。

○六日戦争
 戦力の差は歴然としていた。パリ、北京、東京、ニューヨークまで爆撃され、ギリギリの劣勢を強いられる地球。しかし、講和を申し入れたのは、何故か圧倒的に優勢だったテーバイの方であった。わずか6日で戦争は終結し、ケンタウルス座惑星マイラ上空にて講和条約が締結。
 これをマイラ条約といい、後に同戦闘は「六日戦争」と呼ばれるようになる。

○銀河連邦発足
 同条約にて、両星の安全保障機構であるT.E.S.O.(テーバイ=地球安全保障機構)が組織され、保障、相互協力、流通、人員交流等、多岐にわたる諸問題の解決にあたった。このとき地球は、既にテーバイと親交のあった惑星ライノー、メルターボとも同様に講和を行う。これを機に、T.E.S.Oはその名称をU.G.S.O.(統一銀河安全保障会議)と改名、同時に連邦の最高統率機関ともいうべき機能を持つこととなった。
 u.c518年8月20日、銀河連邦の実質的な「発足」である。
 U.G.S.O.の初代議長は、テーバイ人の文官レイトン=コアントロー。

○大航海時代、そして…
 連邦の勢力版図は急速に広がった。人々はまだ見ぬ進展地を求めて飛び立ち、それに呼応するように植民星は爆発的に増加していく。u.c.6世紀から13世紀初頭まで、連邦はもっとも豊かで、平和な、そして活力に満ちた時代であったといえよう。
 アナルコキャピタリズム(無政府資本主義)の喧騒の果て、物質的に豊かになった植民星は、当然のように自治権の獲得を主張しはじめる。頻発する独立内紛。広がるナショナリズムは、数回にわたって連邦を分ける大戦に発展した。u.c.1312年、1316年の第1次、第2次三恒星系戦争である。
 この2回の大戦以降、連邦は新たな段階を迎えることとなった。


<第3次三恒星系戦争>
○波乱の始まり
 u.c.1312年の第1次三恒星系戦争と、4年後の第2次三恒星系戦争、これは星間交易上の不平等がトラブルとなり、ライノー、テーバイ、メルターボの3星が互いに交戦したものである。特に後者、第2次三恒星系戦争では地球も参戦し、3年越しの局地戦、経済封鎖が行われた。
 その後、植民星であったプラウダ、ネブ、ダナエ他、計29の惑星が次々と独立。それに呼応して、今までテーバイ、地球、ライノーメルターボの4大勢力下にあった核中間列強は、惑星ナショナリズム、自由政治、自由貿易、星系自決を旗印とした反対制勢力を形成しつつあった。

○連邦分裂
 また、この2世紀後、u.c.1559年には、交易の不平等是正を唄った地球の第1衛星、月との衝突による第2次太陽系戦争が勃発。これらの情勢不安を重くみた体制勢力は再度の連盟秩序の結成を呼び掛け、u.c.1693年にUSSG(United Steats of Galaxy)=8惑星連合を発足させた。
 しかし、当時の参加惑星のうち、アシュクロフト、メルターボの2惑星は後に袂を分かつこととなる。u.c.1928年、事実上USSGの政策に真っ向から対立する組織、USPO(Unaited System of Planets Organization)=18惑星連盟評議会は、こうして結成された。
 こうして、体制間相互の交易、経済上の制裁、軍兵力の増強等の険悪な状況にさらに拍車がかかり、星間情勢は、一触即発の危険な状態となるのである。
○そして…
 u.c.1941年、アパディア事件に端を発した第3次三恒星系戦争は勃発した


<舞台となる銀河設定概要>
 1942u.c.現在、連邦の版図はCC;版図基点指標(地球とテーバイ直線距離の中間点)を中心とした半径10082パーセク;32867.32光年の球である。
 0025u.c.当時ではホフマンプロジェクトにより、銀河黄道面下の恒星群とは、完全に往来が途絶えていたが、1896u.c.の同面廃止事業によって、新たに面下恒星群が探査されつつある。バラマネ戦役において発見された「回廊」は、新しい開拓と出会いの窓口として更なる有効活用が計画されているが、回廊入口に最も近いヘルウェン空域(旧グロアがあった空域)では利権を求めて各星間国家の企業体が集中しつつある。

連邦大勢(1942u.c.現在) 
構成惑星数 1226(居住可能なもの)
うち自治政府の存在する惑星は127
構成人員数 約8兆6400億人
版図球半径 10082パーセク
版図総空域容積 102.48×1010^3π立方パーセク
勢力総空域容積 195.31×1010^3π立方パーセク


<そして、次回は>
めいんてなんすシリーズでメインのコミックコンテンツになっている「D'GAME」。
第3次三恒星系戦争の緒戦で攻撃を受けた、敵勢力圏に近い惑星エトルリアの防空隊の物語。

この3巻目の再掲載を一部開始します。


オカルト小噺 「ばあちゃん」

2011-10-01 00:34:48 | オカルト

【ばあちゃん】


なぜか、親戚の死に絡んで、不思議な目によく逢う。
最初は、高校学園祭の準備をしているときだった。
クラス対抗の行灯行列用に、角材の骨組みにカナヅチを振るっていると、グラウンドの木立の影に、誰か立ってこちらを見ているのに気づいた。
顔はよく見えなかったが、一瞬でばあちゃんだと解った。

「ああ、ばあちゃんか」と思って釘の頭を叩いたとき、はっとした。
こんなところに一人で来れる筈がない。ばあちゃんは、入院しているのに…
すぐにその木立の方を振り返ったが、そこには誰も居なかった。

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そのふた月ほど前、休日の昼間、ばあちゃんが自宅の台所で倒れているのを、遊びに来ていたおいらが最初に見つけて救急を呼んだ。動かさない方がいいと漫画で読んで知っていた。
症例にも心当たりがあった。
案の定、クモ膜下出血だった。(有難う、手塚先生)

幸い、命は取り留めたものの、その後のボケ具合はかなり強烈。畑仕事で鍛えた体は何処も悪くなかったため、病院内でゾロゾロ徘徊してしまい、大変だったらしい。
伯母さん、お袋、小母さんの三姉妹は交代で付き添った。
時折、記憶がフラッシュバックするのか、ばあちゃんは目を見開いて、お袋達を口汚く罵ることすらあったという。

「あんなに昔のことなのに」
「だって、そのころは母さんも生まれてないでしょ?」
「オオタニ」
「よく覚えていたもんだね」
「あれが、ばあちゃんの本心だったのかも知れないね」

制御の効かなくなった頭から溢れ出る、「正」も「負」もごった煮の、ナマの感情。
それを、マトモにぶつけられた娘三人の心労と負担は、計り知れない。
ある夜、三人揃って、夜中泣いているのを見たこともある。疲れているのがわかった。

基本的におばあちゃん子だったおいらが、見舞いに行きたいというと、逆に言われた。

「見舞いに行っても、お前とは解らないだろう。行ったところで仕方ない」と。

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…ゆえに状況を詳しく知らず、のほほんと高校生活を勝手にエンジョイしていたおいらも、その時は持っていたカナヅチを放り出し、何か不吉なものを感じて速攻で学校を早退した。
家に帰り着くと、親父も弟も早引きしてきたらしく、慌ただしく身仕度している。

「もしかして、ばあちゃんか?」
「今学校に電話しようとしてたところだ。どうして解った?」
「学校に、ばあちゃんが来た」
親父は「そうか」と言ったきり、それ以上話さなかった。

通夜と葬式は無事に終わったが、出棺のとき、霊柩車の最後の別れのクラクションが故障して、しばらく鳴り止まなかったのを覚えてる。
それからはいろいろと奇妙な事が立て続けに起こった。仏壇から手が出ているのが見えたり、微妙にばあちゃんの遺影の表情が変わったり。
それまでは不思議と嫌な感じはしなかった。だって、おいらのばあちゃんだもの。

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そうこうしているうち、高校三年になって、おいらに彼女が出来た。
弱小部、部長の権限で一年生の後輩を運よく引っ掛けて…まあ自宅同士だったし、当然Hもない、今でいえば清い交際だ。
その頃、祖父母が亡くなって残ったのは全部女の三姉妹。既に全員が別の家に嫁いでいて、母方の実家が空く状況になり、結局、おいらの親父が嫁方の墓を守るという約束で、
おいら家族は札幌の借家を引き払い、祖父母の家に代わって住むことになった。

…急においらの家は広くなり、文化系である我が部活は、合宿しようということになった。この家で。

ちょっとばかり隠しておいた酒も飲み、いざ就寝というときも、男部屋女部屋を区別するでもなく、一間のまま一階の広間に、有りったけの布団を敷いて雑魚寝をした。
部員同士、おいらと彼女が付き合っていたのは明白・公認だったので、当然彼女の場所はおいらの横。衆人監視の中、どうのこうのできる筈もなく、ぎりぎり隠れて手を繋ぐくらいで眠りについた…と思った。

その夜中、生まれて初めての金縛りにあった。意識ははっきりしている。横に彼女の頭が見える位置だった。

気配がした。
誰か居る。
見下している。

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だけど、その視線はおいらに向けられたものじゃなかった。

ばあちゃんだった。
すぐ横に寝ている、彼女の上に座っていた。

そのままの実感のある、いつもの姿で彼女の上に正座している。ギーっと目を見開いて、彼女の顔を眼前まで覗き込んでいた。
彼女は寝息を立てている。気づいていなのか?重くないのか?
いや、ばあちゃん、そもそもなんで出てきたの?よりにもよって今夜に。それも彼女の上に座って、何してんの?

「!!!!!#$&%@#$!!!!!」
声にもならない呻きを振り絞った。多分何かの音になったと思う。
ばあちゃんは、目を見開いたまま、おいらの方に振り向いた。
正直、恐ろしかった。あんな顔と、目を見たことは今まで一度もなかった。
目をそらすことができない。ばあちゃんは目を見開いたまま、彼女とおいらを見比べてる。

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「俺を想ってくれるのは嬉しいけど、もう、そうやって出て来るのは止めて下さい!」
汗だくになりながら、ようやくそこまで言い終えた。
それまで目を見開いていたばあちゃんは、それが聞こえたのか、一瞬固まった様に見えた。
そして少し小首をかしげ、何か言いかけたまま、スーッと消えた。

結局この後、おいらのこの声でみんな起きだしてしまった。こっちはこっちで、急に恥ずかしくて堪らなくなった。これはウチの家族の問題だ。他人を巻き込むことじゃないし、寝ていた彼女にも本当のことなんか言えない。しかも、部長たる自分の家での一件だ。

これは誰にも話せない。

今でもおいらはひどく後悔している。ばあちゃんは何か言いたかったのか?それを聞けなかった。
そしてもう二度と、ばあちゃんにはこの世では会えないだろう。そうボンヤリ確信している。
何故なら、おいらが言ってしまったのだから。「もう会いたくない」と。
あんなに好きだったのに。

今更どんなに謝っても、届かない。


-終-