TWP これ…、何回目のブログです?

まぁ長続きしないんです。アウトドアと酒とサバゲとカスタムドールとイラスト。「めいんてなんす」再開しますた。

オカルト小噺 「ごめんねバアさん その1」

2011-10-10 11:24:12 | オカルト


【ごめんねバアさん その1】

最寄の駅から、おいらの会社まで、自転車で通ってたことがある。
その日は、仕事が結構早めに終わって、少しずつほの暗くなってくる路地裏を自転車に跨がって帰路で急いでいた。

蒼い宵闇が降りてくる。境界線を見えなくするにはちょうどの時間帯だ。
空間とモノと、それ以外との。
懐の携帯が鳴った。
この時、ちょっとの手間でも自転車を降りていれば良かったと、今更思う。

番号非通知。
どこからだろうか。
「もしもし?」
「…ゴォォォォォォォオオオオ!!!!」
何か、飛行機の爆音のようなすごい音が左耳をつんざいた。

なんだ?

そのとき、四つ角の左手から黒いチャリが突っ込んできた。
無灯火だ。気づかなかった。
避けようとハンドルを切ったが、片手を離してたおいらの自転車はバランスを崩して、マヌケな恰好でその場にコケた。

-----

「…つ…!」
息ができない。

おいらのチャリは?…ある。
鞄の中は?…無事だ。
ぶつかってきたのは? …よかった、衝突はしてない…
…て、あれ?

突っ込んできたチャリは、そのまま右手の暗がりに消えて行こうとしていた。
乗っているのは…白髪頭の後頭部が見え、そしておばあさんの声がした。

一心不乱に、謝罪の言葉を独り言の様に叫んでた。
「ごめんね、ごめんね、ごめんね、ごめんよ、ごめんね、ごめんよ、ごめんね…」

白髪頭がキーコキーコと消えていく。

信じられないことに、一度もこちらを振り向かずに、ただ「ごめんね」が暗闇に消えていった。
なんてババアだ。ふざけんな、何が「ごめんね」だ!
こっちは大ケガだ!謝って済むか!かなりムカついた。

いきなり、すぐ耳元で、かすれているにも関わらず、高く低く頭にすごい声が囁いた。

「マ・ッ・?・オ・カ・ア・?・ン」
確かに、そう聞こえた。

-----

うわっ!誰だ!
すぐ後ろを振り返ったが、そこには暗がりだけ。
うっすらと光を投げかけてる電柱の明かりを透かして目を凝らしたが、通行人もいない。
ちくしょう、やられた。
こんな下町の路地裏で遭うなんて思ってなかった。油断してた。

左胸を強く打って息のできないおいらは、ようやく立ち上がって、転がっている自転車を起こした。
サドルの位置がなんか違う。よく見るとシートポストに繋がるサドルのパイプがありえない方向に、見事にグニャリと曲がってた。クロモリ製のレールが。溶けたみたいに。

うー、これに当たったのか…こんだけ曲がれば胸にも響く。
苦しい息の中、なんとか自転車を駐輪場に止め、電車に乗り継いで帰宅した。
でも夜中になって、どうしても我慢できなくなって、自分で車を運転して救急に駆け込んだ。
「うー、これは…折れてるかも」

自転車でおばさんとぶつかって胸を強打したことを問診票に書く。その後レントゲンを手早く撮られ、診察室に呼び込まれた。ぼさぼさ髪の若い外科の先生は陰険な顔で目を細めた。
「肋骨2本。骨折ですね」

机の上の先生のパソコンに映った写真を二人で見た。
鎖骨に近い肋骨が、脇の方で2本折れてた。見事に黒い筋が入ってる。
「うー、そのくらいは覚悟してました」

「まー、全治2ヶ月ってとこだね。胸なんでギプスする訳にいかないから、サポーターを出すよ。あと痛み止めね」
「はい。うぅー」

「で、これってなに?…君、何にぶつかったの?」

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「は?」
おいらは、もう一度その写真をしげしげと見た。そしてぎょっとした。

うっすらとだが、しかし気付いてしまったら、そうとしか見えない、ちょっと小さめの、白い節くれだった手が、俺の折れた肋骨をガッチリと掴んでる様に見えた。

おいらの手が写ってしまったのか?そんなこと無いよな。

小さい子供の手にも見える。右手、それとも左手?
そもそも、なんで?

耳がきーんとしてきた。なんかおかしい。
これはヤバい。

「うー、この白い影、手に見えますけど」
「やっぱり、そう見える?けど、おかしいよね?」
「さっきレントゲン撮った時には、自分の手が写るような角度じゃ…」
「そりゃそうだ。これは君の手じゃない」
「人間の手だったら、骨が透けるはずだよね?」

先生が言った。
「この子供の手には骨がないもの」


-終-



MH4

2011-10-09 07:17:20 | モンハン

MH4トレーラ

こっちはどうかな?
家族に見せたら、「これは無理」という意見多数。

確かにやり過ぎのかんじがしなくもない。
こっちは「狩り」をしてるのであって「大神」をやってるのではない。

最後、レウスの背中に乗れるのはいいかもね。




オカルト小噺 「高校の彼女との結末」

2011-10-08 01:20:02 | オカルト



【高校の彼女との結末】

高校の頃の話。

「あなた、大矢方の人だったんですね?」
「は?何それ?」
当時、付き合っていた後輩の彼女に、喫茶店(まあ、モスバーガーとも言うが)いきなりそう言われた。
何のことか判らない。

「ごめんなさい。私、そっちの人とは付き合えない」
「あの、訳わかんないんですけど」
「私達、敵だから…」

すみません。敵ってなに?何言ってるんですか?
「だから…昔、敵同士だったって話。私の家、そういうのダメなの…」

冗談だろ?山口生まれと福島生まれの二人は、会えば必ず喧嘩になると言われているが、それも今ではおフザケでの話だ。いまさらマジに喧嘩する奴なんて見たことないぞ。
ましてや、ここは北海道だ。昔からの家柄を気にする連中が拓いた場所じゃない。

「本当にごめんなさい。さよなら」
ねぇ、ちょっと待って。本当に洒落になってませんよ、これ。

この間、まさに5分。スピード失恋の新記録だ。当時の再俊足、カール=ルイス並だった。
そして、おいらが部長をやっていたその部活も、彼女は翌日には辞めてしまった。

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以前、部員を自宅に集めて、部活の合宿をやった夜。
クモ膜でボケて死んだばあちゃんが、彼女の布団の上に正座していて、凄く怖い顔でじーっと、彼女の寝顔を見つめていたことがある。
ばあちゃんは消える直前、こちらを振り向いて何か言いたげな顔をしていたが、彼女の話と何か関係があるのか?
彼女と、その家と、死んだばあちゃんの関係が、おいらの知らないところで絡んでいるというのか?

-----

彼女がおいらを拒んだ理由は是非知りたかったが、ネットなんて便利なものが無かったあの頃、そう簡単に調べものなんてできる環境ではなかった。家系の問題だとも思えたので、図書館に行ったが、何から調べればいいのか皆目見当も付かない。
そのうちに、なんか馬鹿らしくなって結局止めた。

そもそもの話、おいらの姓は大矢ではない。
「ウチの親戚に大矢って苗字いる?」お袋にも尋ねたが、そんな親戚は居ないと言ってた。

当然、それ以来彼女とは音信不通だ。本来、家系なんて気にする家の子には見えなかった。
親がそうなのだ。こちらの家の系譜すら調べ上げて、いろいろ、ネチネチ誰何するような。
そんな家の子だったのだ。きっと。

まあ、振られた方の言い分なんて、こんなもんだ。

-終-


M60 Shorty

2011-10-04 19:28:16 | サバゲ


7.62×51mm NATO弾を使用する。ベトナム戦争を始めとして多くの実戦で使用された。現在のアメリカ軍においては後継機関銃のM240(MAG-58)や、さらにその後継のM249(ミニミ分隊支援火器)に置き換えられつつある。

しかしながらこの機関銃は様々な用途で残っている。さらにオーストラリアなどいくつかの国では現在も使われており、生産も続けられている。

設計/製造 サコー・ディフェンス・U.S.オードナンス・マーモント社。
ガス動作式、空冷式、ベルト給弾式の機関銃であり、オープンボルト位置から薬室に7.62mm NATO弾を装填する。弾薬は金属製分割式リンクで連結された100発単位のベルトで給弾される。他の武器と同様、立射、膝射、腰だめ射撃ができるが、最も使用効果が高いのは二脚を使用した伏射か、三脚に載せて3発から5発までのバースト射撃を行った場合である。

TOP社の1000発フルオートマシンガン。
元々TOPの電動はジャバラポンプによるバルグ方式ですが、やっぱりココから裂けてきます。
バルグが裂けて威力が低下したブツを先輩から譲り受けて、アングスのピストン式に変更。ギア周りも変えました。リアサイトはプラ製だったので、ここはメタルにチェンジ。
サバゲではセミオートレギュ戦で唯一フルでバリバリ撃てる分隊支援火器。
やっぱ、これ持って行くと皆の扱いが違うね。

「D'GAME3 P1-6」

2011-10-03 23:40:22 | アートワーク 「D'GAME」


「D'GAME3 The March of Fools Part2」
 Feb.11.2001

…2巻までのあらすじ
物語の舞台は敵勢力USSG勢力圏に近い、惑星エトルリア。
前年、アパディア事件により、USPOとUSSGは準交戦状態に入っていた。


1942u.c.
…エトルリアでは…
 この時期、星間断道弾による無差別爆撃を受けている。
 USSGの第二次降下作戦阻止
 謎の巨大人型兵器(後にHFAWと呼称される)
 巡航ミサイルを伴う通例のUSSGのエトルリアに対する爆撃作戦。局地防衛のために発進し敵揚陸艦に取り付いたSAM小隊ソーフィッシュスコードロンのリーダー、ノイク=スペッセンが見たものは、見たことも無い巨大な人型兵器の影だった。

1949u.c.
…第1次エペメンテ会戦
 第3次ツァルソム会戦によって捕獲された2基の遺構兵器、「アパーノ」「コベイツェン」をエペメンテ宙域に曳航する際の攻防戦。
 この後、「コベイツェン」はテイクセイア大空襲の際、防空システムの拠点として本星防空艦隊に配備されることになる。

 PM(パープルマーダー)と呼ばれる「有機戦闘ユニット」がロールアウトした。兵器としての完全な戦闘人間である。これ以後、戦術の形態は大きく変わったといわれている。

1950u.c.
…エトルリアでは…
…OPERATION POAK HER NOSE(彼女にちょっかい)
 敵の新兵器のテスト戦場にされているという認識から、エトルリア防空隊は敢えて再度の敵来襲を容認する。この際、敵降下部隊の揚陸艦を占拠し、無事に強制着陸させることに成功。この時塔載されていたHFAWはフェダイーンBとされ、ろ獲を目的とした地上作戦が展開されたが、この作戦によって、復興中のサイザルシティ市街がかなりの被害を被ってしまった。
 HFAWの損害は大きく、結局兵器としての資料価値は認められなかった。PM<パーシィ>の初の実戦である。

…エトルリア大空襲
 最前線であったエトルリアであるが、この年大規模な空襲を受ける。防衛隊旗艦である空母ディムバード沈没。艦長のラップス=シェーアが重傷を負う。その間副長のリマ=セントレイトが艦長職を代行。後継として空母グラウツェンが配備され、クルーはそのまま転籍。

<PM;パープルマーダー>
 OPERATION POAK HER NOSEに先立つこと2週間前に配備された強化人間の第一号試験体。当時のエトルリア及びディムバードには、クロトの戦略司令部の意向には逆らえない事情があったと推察される。目的のために手段を選ばない非人間性、高慢な態度、協調性の無さなど、“兵士”としては完全な失敗策であったが、高いリーサリティは“兵器”として高く評価されている。PMという強化兵士構想は、越体制企業であるルーファコーポレーションによるもので、この後、USSGにもA'Sというパッケージで売り込みをかけてくる。
 
…レイプ
 「捕虜に対して軍人は礼節をわきまえ、いかなる時もこれを虐待してはならない(銀河講和会議 第一三章 戦時における要綱「捕虜」要約 uc513)」という約束事は、当時完全に形骸化していた様である。単独で付近空域哨戒中だったディムバード所属のパイロット、ライアン=オークは、USSGのヘスペリデス級重巡サルペドンから発進した斥候部隊に捕獲され、捕虜となってしまった。彼女は艦長フォーグラフ=アントン以下のクルー達によって輪姦され、結果ノイク達によって救出された。帰還後、慎重にMCP;メンタルケアプログラムを受診した彼女であるが、その内面の変化は、今後クルーを大きく巻き込んでいくことになる。

…人間対強化人間
 パーシィがノイクに対して「特攻」を命じた理由は、作戦遂行上いくらでも考えられる。当然パーシィは特攻戦力として、自らをもカウントしていたのは事実らしいが、しかし自分はミサイルを殆ど撃ち尽くしてしまい、またプロペラントの残量もノイクの方が多かったこと…を考慮に入れた筈である。この時、ほぼ同一の作戦遂行能力を有していた二人を二者択一にすれば、成功の確率からいっても、ノイクが行くべきであることはパーシィにとって当然の論理の帰結であった。
 まず、ノイクが命令を拒否した時点でパーシィが彼を「理解(司令官として作戦を組み立てていく上で、彼を戦力として数値化すること)」できなくなったことは明白で、その動揺は押して知るべし…当時の混乱の中、兵士同士の仲違いは間違いなく軍法会議ものであるが、それにも関わらずパーシィはノイクにつっかかってしまう。
 リマの特攻命令について、彼女の中に二人を両天秤にかけた思考があったかどうかは定かではないが、どちらかが死にに行くことになった場合、人間としてのノイクを擁護しようとする感情があったことだけは事実のようである。

…諮問委員会
 軍にとって大事な試験体パーシィを、命令によって死なせてしまったディムバードの副長リマ=セントレイトは、クロトで行われた諮問委員会にかけられる。敵前逃亡や命令不服従などの罪状ではなく、当時、軍規としてPM自体の「個」を定めていなかったため、軍法会議は免れたが、彼等の認識では、これは軍法会議そのものであった。ウィアが弁護人として同行し、結果としてリマには地上勤務が発せられる。


(この間2ヶ月)

…ソニア
 新たに新空母グラウツェン配属されたPMの新規試作型は、後天的に情緒を付加された強化人間「リ=エモーショナイズド」と呼ばれる少女であった。パーシィの一件以来、PMに対して一種敵愾心にも似た感情を抱いていたノイクは、再びオブザーバーに任命され憤然とする。しかも、今回は情緒発達のための「」という立場だったことも彼の感情を逆なでした。しかし、メナドシティでの市街戦以降、ノイクの彼女に対する見方にも変化が顕れてきた様だ。

…遺恨のメナドシティ
 二ヶ月前のエトルリア大空襲によって破壊されたメナドシティに休暇で降りたノイク達。虐殺の跡も痛ましい街で、ノイクを名指しで襲う単機のボールドヘッド。そのパイロット、ティファニー=アントンは兄をノイクによって、ちょうど2ヶ月前に亡くしていた。

…リ=エモーショナイズド
 ノイクとリムのHに偶然居あわせてしまったソニア。顔を赤らめたところを見ると、羞恥心は持ちあわせている様だ。基本的にオープンな彼らの関係に戸惑いながらもリムの奨めるカクテルにホロ酔いのソニア。彼女の行動の根幹をなす全ては、すなわち「知識」であり「経験」ではない。しかも彼女は自己の体内の分泌系すら把握することもできるだ。あのとき、彼女には数値すら解っていたのだろう、自分にアドレナリンが何ml体内を流れたのか。

…ノイク捕わる
 新型SAMであるビッグヘッドの公試試験中に敵艦隊の斥候に捕獲されてしまったノイクだが、その艦長ファゾが興味を持ったのも当然である。彼は単身エトルリアに下りて戦死したティファニーの直属の上司であり、彼女が何故あれほどにノイクに固執したのか、その理由を知りたかったのだろう。幸運にもほぼ無傷で捕獲されたノイクのビッグヘッドは、しかし対爆チャンバー内に隔離されてしまう。

…A‘Sロールアウト
 USSGに於けるPMと同様な人為的戦闘人種(有機戦闘ユニット)。彼等もまた越体企業ルーファ=コーポレーションによる商品。そのパッケージは有精卵一個と、学習セット、マニュアル、保証書といった非常にシンプルなものであった。

…新型兵器グレムリン
 超高速でしかも高機動、全長70mを超える大きさでありながら、小柄なSAMとほぼ同様にマニューバをかけることのできるCフレームのHFAWである。その反応速度には普通の人間はついてこれないため、USSGにおいて初めてのA'S専用の機種となった。機体両脇に、高速旋回時のAMBAC機動を補佐するオクタダンパーを装備する。初戦においてパイロットのA'Sグライは、このオクタダンパーをソニア機の捕獲、及び高圧の電気的ノイズを注入しての機体機能破壊に用いた。

…フォノイツェン
 クロトに半ば収監されていたリマは、最新鋭戦闘空母フォノイツェンの艦長職への復帰を果たし、エトルリアに来る。テイクセイア方面での敵の不信な行動「静かなる行進;silent march」を認めた総司令部の命令書を持って…。


…そして、敵の新型兵器グレムリンとの戦いで自分の秘めたる能力に疑念を感じたソニアは一人、危険なプラグインを再度行い、電脳の中を彷徨っていた。

P1

P2-3

P4

P5

P6

-続く-


「めいんてなんす」再開 -序-

2011-10-01 13:19:41 | アートワーク 「めいんてなんす」



<はじめに>
 以下の文章、イラスト、コミック、コンテンツは、設定厨のTWPが、高校生の頃から続けている「めいんてなんすシリーズ」と呼ばれる一連の「未来史」の概要です(何十年かけてんだ、あ?)。

 今まで何回かのコミケ参加、同人誌、これをネタにした無理ゲー(プロデューサー権限を濫用したSLGで、全く売れませんでした。自分的には気に入ってますがね)などを経て、その後4年ほど手をかけていなかったモノです。
 この度、ブログの再開を期に、今までのコンテンツと新規のものをおりまぜて展開していこうと思います。

 まずは、この世界の基本設定・概略からスタート。


<u.c.歴の始まり>
2027年。 アラブ・イスラエル戦争・第6次中東戦争・第3次世界大戦
 ヨルダンのアカバで炸裂した戦術核によって起こったイスラエル~アラブ間の中距離核戦争。及びこの中東戦争によって勃発した米露中間の4日間戦争。これを経て、米露中は旧自治州、旧地方共和国の連邦体といった形態まで解体され、事実上その威信と実権を失った。


○世界樹の完成
先の戦争の影響をそれほど受けなかった日本のコングロマリット「ふそう・インターナショナル」により、軌道エレベータ「世界樹(ユグドラシル)」が、太平洋キリバス諸島近海に2081年完成。初の民間L1スペースコロニー「ヒマラヤ」の完成に向けて、宇宙植民熱がこの時期に再加速する。以降続々とエベレスト、マッキンレーなどが完成し、次々に移民を受け入れていった。

○2216年 地球連邦発足
 参加は215ヶ国。月のガリレオ、L1ヒマラヤ及びエベレスト・マッキンレーは不参加。

○2417~2419年 第1次太陽系戦争
 太陽系統一を呼び掛けた地球、及びそのスペースコロニー群と、完全自治を主張した小惑星市民;ベルター、月移住者;ルナリアン連合との大規模な統合戦争。多くの熱核兵器が使用された。

○2419年 ジェノサイド
 太陽系戦争の余波を受け、地球北半球で展開された大規模な無差別爆撃。4億人以上が死傷。その後の太陽光日射量の減少。世界的な凶作。この間、約200年間を文字どおり暗黒時代と呼称する。

○2611年 「ホフマン仮定」発見される
 宇宙物理学者のアルブレヒト・ホフマンが、空間の3層構造の方程式による記述に成功。この原理を応用した空間転移技術及びハイパードライブが理論段階に突入した。

○太陽系連合成立。そしてu.c元年
 当時、未だ未知数で、実現不可能な理論と言われたホフマン仮定であったが、その夢のような効果と、ハイパードライブのテクノロジー利権に、各自治政府が群がったという方が正しいであろう。このホフマン仮定は、地球のあらゆる地域エゴを超えたものとなり、ある意味においては連合結成のための最大の外圧ともなった。

(「ホフマン仮説」については、日を改めて。)


<太陽系連合>
 そしてこの年、地球にて太陽系連合が発足し、この年をu.c.(unified-carender)と制定。そして、u.c.518年、αケンタウリ系惑星の上空で、エリダヌス座の惑星、テーバイの宇宙船と接触した。

○ファーストコンタクト
 地球派遣隊所属の宇宙戦艦(戦艦というよりは武装宇宙船)”オドネン”は、u.c. 518年6月15日(地球暦)、ケンタウルス座アルファ星系惑星上空で、18隻から成るテーバイ第二機動艦隊と遭遇。突然の出来事に恐慌をきたした同艦々長、シャモン=トルステア大佐は、一方的に砲門を開く。こうして史上初の異星間戦争が勃発した。

○六日戦争
 戦力の差は歴然としていた。パリ、北京、東京、ニューヨークまで爆撃され、ギリギリの劣勢を強いられる地球。しかし、講和を申し入れたのは、何故か圧倒的に優勢だったテーバイの方であった。わずか6日で戦争は終結し、ケンタウルス座惑星マイラ上空にて講和条約が締結。
 これをマイラ条約といい、後に同戦闘は「六日戦争」と呼ばれるようになる。

○銀河連邦発足
 同条約にて、両星の安全保障機構であるT.E.S.O.(テーバイ=地球安全保障機構)が組織され、保障、相互協力、流通、人員交流等、多岐にわたる諸問題の解決にあたった。このとき地球は、既にテーバイと親交のあった惑星ライノー、メルターボとも同様に講和を行う。これを機に、T.E.S.Oはその名称をU.G.S.O.(統一銀河安全保障会議)と改名、同時に連邦の最高統率機関ともいうべき機能を持つこととなった。
 u.c518年8月20日、銀河連邦の実質的な「発足」である。
 U.G.S.O.の初代議長は、テーバイ人の文官レイトン=コアントロー。

○大航海時代、そして…
 連邦の勢力版図は急速に広がった。人々はまだ見ぬ進展地を求めて飛び立ち、それに呼応するように植民星は爆発的に増加していく。u.c.6世紀から13世紀初頭まで、連邦はもっとも豊かで、平和な、そして活力に満ちた時代であったといえよう。
 アナルコキャピタリズム(無政府資本主義)の喧騒の果て、物質的に豊かになった植民星は、当然のように自治権の獲得を主張しはじめる。頻発する独立内紛。広がるナショナリズムは、数回にわたって連邦を分ける大戦に発展した。u.c.1312年、1316年の第1次、第2次三恒星系戦争である。
 この2回の大戦以降、連邦は新たな段階を迎えることとなった。


<第3次三恒星系戦争>
○波乱の始まり
 u.c.1312年の第1次三恒星系戦争と、4年後の第2次三恒星系戦争、これは星間交易上の不平等がトラブルとなり、ライノー、テーバイ、メルターボの3星が互いに交戦したものである。特に後者、第2次三恒星系戦争では地球も参戦し、3年越しの局地戦、経済封鎖が行われた。
 その後、植民星であったプラウダ、ネブ、ダナエ他、計29の惑星が次々と独立。それに呼応して、今までテーバイ、地球、ライノーメルターボの4大勢力下にあった核中間列強は、惑星ナショナリズム、自由政治、自由貿易、星系自決を旗印とした反対制勢力を形成しつつあった。

○連邦分裂
 また、この2世紀後、u.c.1559年には、交易の不平等是正を唄った地球の第1衛星、月との衝突による第2次太陽系戦争が勃発。これらの情勢不安を重くみた体制勢力は再度の連盟秩序の結成を呼び掛け、u.c.1693年にUSSG(United Steats of Galaxy)=8惑星連合を発足させた。
 しかし、当時の参加惑星のうち、アシュクロフト、メルターボの2惑星は後に袂を分かつこととなる。u.c.1928年、事実上USSGの政策に真っ向から対立する組織、USPO(Unaited System of Planets Organization)=18惑星連盟評議会は、こうして結成された。
 こうして、体制間相互の交易、経済上の制裁、軍兵力の増強等の険悪な状況にさらに拍車がかかり、星間情勢は、一触即発の危険な状態となるのである。
○そして…
 u.c.1941年、アパディア事件に端を発した第3次三恒星系戦争は勃発した


<舞台となる銀河設定概要>
 1942u.c.現在、連邦の版図はCC;版図基点指標(地球とテーバイ直線距離の中間点)を中心とした半径10082パーセク;32867.32光年の球である。
 0025u.c.当時ではホフマンプロジェクトにより、銀河黄道面下の恒星群とは、完全に往来が途絶えていたが、1896u.c.の同面廃止事業によって、新たに面下恒星群が探査されつつある。バラマネ戦役において発見された「回廊」は、新しい開拓と出会いの窓口として更なる有効活用が計画されているが、回廊入口に最も近いヘルウェン空域(旧グロアがあった空域)では利権を求めて各星間国家の企業体が集中しつつある。

連邦大勢(1942u.c.現在) 
構成惑星数 1226(居住可能なもの)
うち自治政府の存在する惑星は127
構成人員数 約8兆6400億人
版図球半径 10082パーセク
版図総空域容積 102.48×1010^3π立方パーセク
勢力総空域容積 195.31×1010^3π立方パーセク


<そして、次回は>
めいんてなんすシリーズでメインのコミックコンテンツになっている「D'GAME」。
第3次三恒星系戦争の緒戦で攻撃を受けた、敵勢力圏に近い惑星エトルリアの防空隊の物語。

この3巻目の再掲載を一部開始します。


オカルト小噺 「ばあちゃん」

2011-10-01 00:34:48 | オカルト

【ばあちゃん】


なぜか、親戚の死に絡んで、不思議な目によく逢う。
最初は、高校学園祭の準備をしているときだった。
クラス対抗の行灯行列用に、角材の骨組みにカナヅチを振るっていると、グラウンドの木立の影に、誰か立ってこちらを見ているのに気づいた。
顔はよく見えなかったが、一瞬でばあちゃんだと解った。

「ああ、ばあちゃんか」と思って釘の頭を叩いたとき、はっとした。
こんなところに一人で来れる筈がない。ばあちゃんは、入院しているのに…
すぐにその木立の方を振り返ったが、そこには誰も居なかった。

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そのふた月ほど前、休日の昼間、ばあちゃんが自宅の台所で倒れているのを、遊びに来ていたおいらが最初に見つけて救急を呼んだ。動かさない方がいいと漫画で読んで知っていた。
症例にも心当たりがあった。
案の定、クモ膜下出血だった。(有難う、手塚先生)

幸い、命は取り留めたものの、その後のボケ具合はかなり強烈。畑仕事で鍛えた体は何処も悪くなかったため、病院内でゾロゾロ徘徊してしまい、大変だったらしい。
伯母さん、お袋、小母さんの三姉妹は交代で付き添った。
時折、記憶がフラッシュバックするのか、ばあちゃんは目を見開いて、お袋達を口汚く罵ることすらあったという。

「あんなに昔のことなのに」
「だって、そのころは母さんも生まれてないでしょ?」
「オオタニ」
「よく覚えていたもんだね」
「あれが、ばあちゃんの本心だったのかも知れないね」

制御の効かなくなった頭から溢れ出る、「正」も「負」もごった煮の、ナマの感情。
それを、マトモにぶつけられた娘三人の心労と負担は、計り知れない。
ある夜、三人揃って、夜中泣いているのを見たこともある。疲れているのがわかった。

基本的におばあちゃん子だったおいらが、見舞いに行きたいというと、逆に言われた。

「見舞いに行っても、お前とは解らないだろう。行ったところで仕方ない」と。

-----

…ゆえに状況を詳しく知らず、のほほんと高校生活を勝手にエンジョイしていたおいらも、その時は持っていたカナヅチを放り出し、何か不吉なものを感じて速攻で学校を早退した。
家に帰り着くと、親父も弟も早引きしてきたらしく、慌ただしく身仕度している。

「もしかして、ばあちゃんか?」
「今学校に電話しようとしてたところだ。どうして解った?」
「学校に、ばあちゃんが来た」
親父は「そうか」と言ったきり、それ以上話さなかった。

通夜と葬式は無事に終わったが、出棺のとき、霊柩車の最後の別れのクラクションが故障して、しばらく鳴り止まなかったのを覚えてる。
それからはいろいろと奇妙な事が立て続けに起こった。仏壇から手が出ているのが見えたり、微妙にばあちゃんの遺影の表情が変わったり。
それまでは不思議と嫌な感じはしなかった。だって、おいらのばあちゃんだもの。

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そうこうしているうち、高校三年になって、おいらに彼女が出来た。
弱小部、部長の権限で一年生の後輩を運よく引っ掛けて…まあ自宅同士だったし、当然Hもない、今でいえば清い交際だ。
その頃、祖父母が亡くなって残ったのは全部女の三姉妹。既に全員が別の家に嫁いでいて、母方の実家が空く状況になり、結局、おいらの親父が嫁方の墓を守るという約束で、
おいら家族は札幌の借家を引き払い、祖父母の家に代わって住むことになった。

…急においらの家は広くなり、文化系である我が部活は、合宿しようということになった。この家で。

ちょっとばかり隠しておいた酒も飲み、いざ就寝というときも、男部屋女部屋を区別するでもなく、一間のまま一階の広間に、有りったけの布団を敷いて雑魚寝をした。
部員同士、おいらと彼女が付き合っていたのは明白・公認だったので、当然彼女の場所はおいらの横。衆人監視の中、どうのこうのできる筈もなく、ぎりぎり隠れて手を繋ぐくらいで眠りについた…と思った。

その夜中、生まれて初めての金縛りにあった。意識ははっきりしている。横に彼女の頭が見える位置だった。

気配がした。
誰か居る。
見下している。

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だけど、その視線はおいらに向けられたものじゃなかった。

ばあちゃんだった。
すぐ横に寝ている、彼女の上に座っていた。

そのままの実感のある、いつもの姿で彼女の上に正座している。ギーっと目を見開いて、彼女の顔を眼前まで覗き込んでいた。
彼女は寝息を立てている。気づいていなのか?重くないのか?
いや、ばあちゃん、そもそもなんで出てきたの?よりにもよって今夜に。それも彼女の上に座って、何してんの?

「!!!!!#$&%@#$!!!!!」
声にもならない呻きを振り絞った。多分何かの音になったと思う。
ばあちゃんは、目を見開いたまま、おいらの方に振り向いた。
正直、恐ろしかった。あんな顔と、目を見たことは今まで一度もなかった。
目をそらすことができない。ばあちゃんは目を見開いたまま、彼女とおいらを見比べてる。

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「俺を想ってくれるのは嬉しいけど、もう、そうやって出て来るのは止めて下さい!」
汗だくになりながら、ようやくそこまで言い終えた。
それまで目を見開いていたばあちゃんは、それが聞こえたのか、一瞬固まった様に見えた。
そして少し小首をかしげ、何か言いかけたまま、スーッと消えた。

結局この後、おいらのこの声でみんな起きだしてしまった。こっちはこっちで、急に恥ずかしくて堪らなくなった。これはウチの家族の問題だ。他人を巻き込むことじゃないし、寝ていた彼女にも本当のことなんか言えない。しかも、部長たる自分の家での一件だ。

これは誰にも話せない。

今でもおいらはひどく後悔している。ばあちゃんは何か言いたかったのか?それを聞けなかった。
そしてもう二度と、ばあちゃんにはこの世では会えないだろう。そうボンヤリ確信している。
何故なら、おいらが言ってしまったのだから。「もう会いたくない」と。
あんなに好きだったのに。

今更どんなに謝っても、届かない。


-終-