ふるさと!-秋田仙北平野を歩く-

ふるさと秋田の「仙北平野」をくまなく巡り歩き、その写真とエッセイを掲載します。

★旧六郷町六郷東根を往く-1(その9、終)

2019年12月28日 | 旧六郷町を往く

<「六郷東根中村・田の尻」付近のS23年の航空写真>

●歩いた日:2019年11月13日(水)

●歩いた所

 ・六郷東根:東紀の国、南紀の国、下中村、上中村、鎧ケ崎、上田の尻、下田の尻、一ツ屋、蛇沢

●歩いたログ(足跡)(道のり7.6km)

(以上の地図:国土地理院)

 次にS51の写真。歩いた範囲の北側と南側の部分に分けた、北側の部分から。

(S51年-北側)

 「小西家の松」の南から東にかけて広がる田んぼはまだ未整備で、この後見る、S23年当時の写真とほとんど同じ姿をしている。
 「六郷東根小学校」の辺りに注目していただきたい。分水工のところから学校に向かう道は、正門脇の大きな木のところに達している。現在の道は橙色の線である。ところで、校舎に囲まれた校庭の南側に大きな木が見える。この木はS23年の写真にも写る。
 南側の写真である。

(S51年-南側)

 左上隅にグランドが見える。その西隣、現在野球場がある場所は田んぼである。
 橙色の線で、今走っている「みづほの里ロード」を書き入れてみた。すると、「蛇沢」の右(東)端にある一軒の家にちょうどかかってしまう。この家は移転したのだろうか。
 最後にS23年の写真。これも北側から。

(S23年-北側)

 まずは全体的な印象から。中央から左下に広がる広大な土地は、田んぼが全く見えない、畑か原野の状態である。右上に頭首工と分水工は見えるが、この土地を潤すには、「丸子川」の水量が決定的に不足であることを示している。
 その土地の中に「田沢疎水」の水路が見える。水路の両側に白いものがぽつぽつ並んでいるのは、工事中のためだろうか。この部分が先行して工事されたようで、北側と南側には水路が見えない。左下に入植者の家屋が見える。これらの人たちは、畑作を行いながら、水路が完成して開田されるのを心待ちにしていたことが想像される。
 また、原野の中にグランドがある。位置関係からみると現在の野球場の辺りである。このグランドの場所はその後一部田んぼになり、さらにその後に野球場になったようだ。
 一方、山に近いところは、沢水などを利用して早くから開田され、南北に連なる「田の尻」、「一ツ屋」などの集落が形成されたことがわかる。
 また「六郷東根小学校」に目を向けてほしい。校舎がコの字型に建ち、北側の正門をはいったところは広い校庭になっている。そして、校舎に囲まれた中に大きな木が写る。S51年の写真にも写る木のようだ。学校の北側でカギ型に折れる道筋がよく分かる。
※ 先日、飲み会の席でSさんが話すところによると、「六郷飛行場」建設に当たって、すでに掘削されていた「田沢疎水」の水路を一部埋め戻したとのこと。すると、終戦前から「田沢疎水」の工事が行われていたことになる。

 次に南側の部分。

(S23年-南側)

 S51年の写真と比べながら、紅葉していた大木、笠松の位置を書き入れて見た。下端、「一ツ屋」のY字路から一直線に「六郷」の街に至る道はすでに整備されている。

 「蛇沢」をご覧いただきたい。沢の出口に集落が形成され、沢の名称がそのまま地名になったと思わせる姿である。

 ところで、右側、「東山」の麓に広がる田んぼの区画を見てほしい。西側の「田の尻」などの集落に近い田んぼは横(東西)に長い区画になっているのに対し、「蛇沢」から南に広がる山沿いの田んぼは細かく区画され、その形状は縦(南北)方向に長くなっており、長辺が等高線のように見える。棚田である。地図ではよくわからないが、この辺りはかなり傾斜がきついことを示している。

(終わり)

●ブログに投稿したログの累計(累計の道のり:427.2km)

 平成31年から令和元年に年号が変わった今年の、「仙北平野」を歩いた記事の投稿はこれが最後になります。一年間、ブログをご覧いただいた方々には心から感謝申し上げます。

 歩くペースがだいぶ遅くなってきましたが、ブロブを始めて3年間で投稿した道のりの累計は400km余りになりました。来年からまた気持ちを新たにして、細く長く続けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 また、「仙北平野」がふるさとの方、「仙北平野」に住んだことがある方などで、懐かしい○○、思い出深い○○を是非歩いて今の様子を投稿してほしいという方がいらっしゃったら、メッセージなどでお知らせください。できるだけご要望に沿いたいと思っております。

 それでは、来年またよろしくお願いいたします。


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