<仙北市西木町、カタクリの群生地>
「今年の春は花を見に行きたい!」と妻が前々から話しておりました。我が家のある「仙北平野」でも咲き始めた桜の木があちこちに見られるようになり、ブログや新聞には「西木」の「カタクリ」が見頃になっているとのこと。「カタクリ」の群生地には10年以上前に妻と二人で見に行ったことがありますが、その記憶もよみがえってもう一度見に行こうと思い立ち、4月24日(水)(2019年)に出かけてみました。(以下、本文調で。)
国道105号を「角館」から「北秋田市」方面にしばらく北上すると、次第に平坦地が狭くなって国道が「桧内川」に接するようになるところがある。そこに「かたくり館」の大きな案内板があり、それに従って国道を左折し、橋を越えるとすぐ「かたくり館」の大きな建物に至る。
その脇をさらに進み、「秋田内陸線」の「八津駅」を左手に見ながら線路を横断すると案内人がおり、その指示に従って右に折れて家が建ち並ぶ狭い道を進む。「多くの人が車で訪れたら、この辺りの家の人は大変だな」などと妻と話していると、すぐまた人(おじいさん。自分のことは棚に上げて)がいて、「入園券は持ってますか」と訊く。ということは「かたくり館」でも券を売っていたようだ。「持ってないです」というと、「はい、二人で600円です」といわれ、小銭で支払う。「今日はいっぱい人が来てますか」と訊いたら、「そんなに多くない。上の駐車場には余裕があるはずだ」との答え。
その後、林間の、車一台がようやく通れるような細い曲がりくねった道を、時折引き戻されそうな急な坂道をそろそろと登っていくと、あまり広くない駐車場に着く。下のおじいさんが言った通り駐車場には余裕がある。車を降りてよその車を見ると「下関」、「豊橋」ナンバーの車が混じる。「よくそんな遠くから車で来るもんだなあ」と妻の声。「下関」ナンバーの車は60代と思われる夫婦連れで、寝泊まりもできるような大きなワゴン車である。「この車で細い道をよく登って来たもんだ」は私のつぶやき。
駐車場の入口に秋田名物?「ババヘラアイス」のおばあさんが店を出している。「ババヘラ」という名称の由来である売り子の「おばあさん」は、「男鹿市」にある会社の車で送りられてここまで来たはずである。私がおばあさんに「ここまで来るにはだいぶ早く出てきたんだべ?」と訊くと、「今着いたばっかりだ。おらぁの家は秋田(市)だからそんなに早くね(ない)。「男鹿」だの、「秋田(市)」の北の方の人は、出てくる時間がだいぶ早くなる」という。一緒に送られて来たほかの人たちは「角館」の桜祭りで売っているとも話してくれた。その後、おばあさんは妻と「おらぁ、ひ孫がいるもの。ペチャクチャ・・・・」などとしばらく話していた。
「カタクリ」の花が咲いている栗園に着くまで非常に長い前置きになってしまったが、「ババヘラ」のおばあさんと帰りにアイスを買う約束をして、ようやく花を目指して歩き出す。
駐車場近くから花でピンク色に染まる栗園を望む。平日だがカメラを持った何人もの姿がある。近づいて見る。
ピンクの絨毯を敷いたようだ。芽吹く前の栗の木の荒々しい枝ぶりと好対照をなしている。
反対側に回って眺める。
右端の車が写っているところが駐車場。そこから手前に歩いてきたところ。人が立っている辺りが写真を撮るのにいい場所なのだろう。 「カタクリ」は咲いてしばらくすると葉が枯れて消えてしまう。だいぶ深いところにある球根が休眠状態になり、翌年の春になるとまた茎を出し花を咲かせる。球根が深いところにあるので、栗の木の手入れや実の収穫作業で土を踏みつけても「カタクリ」には影響がないのだろうか。それにしても、このように一面に花を咲かせる栗林と、駐車場近くのようにほとんど花が出てこない栗林があるのはなぜだろう。
桜の木と一緒にカメラに収める。
山桜だろうか。この桜が咲き始める頃に「カタクリ」が見頃になるようだ。花をアップしてみた。
花をアップして見ると、「可憐」という言葉はこの花のためにあるように思われてくる(大げさかな!)。大きな葉には特徴的なまだら模様がある。
この球根は良質の澱粉を含んでおり、それを取り出したのが元祖「片栗粉」である。今はジャガイモの澱粉を片栗粉として売っているようだが。葉も食用になり、春先に芽を出すので飢饉の時には貴重な食料であったという話も聞く。
駐車場に戻り、約束の「ババヘラアイス」を買い、登りとは違う道を車で下る。その途中にも何カ所か「カタクリ」の花が群生している。そして、かなり多くの人がその道を散策している。入口でもらったパンプレットには、「かたくり館」や「八津駅」の近くからスタートする散策路が描かれているので、その地図を手に散策しているのであろう。少し距離が長く時間もかかるが、里山の春の装いと花を満喫するにはこちらの方が良いと思われる。
帰りは「角館」の、観光客でかなり混んでいた武家屋敷通りや桜並木が連なる「桧木内川」沿いの道を車で通り抜け、さらに、「大仙市長野」(旧「中仙町長野」)の「八乙女山」に寄り、家に戻る。「八乙女山」についてはこの次のブログに投稿する予定です。
(終わり)
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