慈恩の日々

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草の葉が──

2011-11-26 23:28:26 | 
草の葉が

コンクリート道の隙間にも伸び

崖っぷちのイチジクさえ 実を結ぶのなら

不屈の信仰(心境)をもつ人間は

その苦悶する魂に

この世が投げつけてくるどんな状況も切り抜けて

生き残れる



ロベルト・シュッラー



※『草の葉』の一節からアメリカ詩人ウォルト・ホィットマンの詩集のタイトルを連想しますが、同じくアメリカの詩人エミリ・ディキンソンも何故か思い出しました。両者のスタイルは対照的で読み比べるのもいいですね。

過剰な説明を省き、見ている側に謎かける文体が特徴なのですが、彼女はある年を境に殆ど家から出ず、詩を紡ぎつづけたと言われています。

ドイツ神智学者ルドルフ・シュタイナーの書籍によるとインスピレーションの不可視領域は物質領域での活動を抑え静止することで静観することが可能になるといいます。

物質世界では目的地に到達するためには自分から動かなければならないが、霊的領域は瞑想状態になり、静止することで向こうから迎えいれられるようになる。

オーストリアの哲学者、作家フランツ・カフカもこのことを理解していたのかこのようなことばを残しています。

『あなたは自分の部屋から出ていく必要はない。自分のテーブルのそばに座ったままで、聞きなさい。聞く必要さえない、ただ、待つのだ。待つ必要さえない。ひたすら沈黙し、静かにし、そして、ただ一人になるのだ。世界は、仮面をはずして自由にあなたに自分を差し出すだろう。それには選択の余地はない。それは、エクスタシーのうちにあなたの足元に入り込んでくるだろう』と。

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