内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

若手研究者を育てられない日本の研究界!?

2014-04-11 | Weblog

若手研究者を育てられない日本の研究界!?

 理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが2014年1月、ネイチャー誌に万能性を持つSTAP細胞に関する論文を発表し、内外に大きく注目された。この発見は、従来細胞は元には戻らないという固定観念に対し、細胞を元に戻し、その後多様な機能に発達させられるというものである。いわば細胞を初期化するもので、生物科学界において天動説から地動説に転換するという画期的な発見である。小保方氏は30歳で一躍時の人となり、将来のノーベル賞候補ともされていた。

 ところが、その論文中に使用されていた画像につき、一部修正が施されていたことと、他の画像が取り違えられていたことが指摘された。理化学研究所側は、急遽調査委員会を組織し、これらの点については、‘改ざん’、‘捏造’があったと公表し、また第三者を含めたSTAP細胞作成検証を行うことを明らかにした。そもそも、‘改ざん’とは他人が作成したものを、許可なく修正し、使用することであって、本人が作成する資料の一部を修正して使用することは‘改ざん’、には当たらない。但し、修正点は明示すべきであろう。

 

 これに対し、小保方氏は同研究所に不服申し立てをし、4月9日、記者会見も行った。同氏はSTAP細胞が存在することを明言した。調査委員会側は、検証上重要な‘研究ノート’は2冊しか無いとしていたが、小保方氏は記者会見で調査委に提出したのは2冊であり、他にもあるとした。要するに調査委は、十分な聞き取りも行わず、‘研究ノートは2冊しか無い’として虚偽の報告をし、ずさんな研究との印象を与えた。同調査委の考え方からすると、同調査委の報告は信用できないということになる。要するに、結論ありきの調査ではなかったのか。

 他方、同研究所のSTAP細胞作成検証チームには、著者の1であった同研究所の丹生プロジェクトリーダーが入っている。丹生氏は、記者会見で、小保方論文は取り下げ、‘更地にして作成検証を行う’とした。小保方論文の著者の一人であり、同研究所の研究テーマの上司であり、論文内容に共同責任がある。第一発見者の小保方氏の論文を取り下げ、STAP細胞を作れば、正式な発見者は理化学研究所となり、成果を同研究所が取り上げるということになる。理化学研究所の対応は、若い研究者を育てるということではないのか。

 一部の専門家等が、この論文から‘誰でもSTAP細胞が作れるべきである’としているが、違和感がある。学説としては、「細胞に一定のストレスを加えると、万能性を有する細胞に転換する」こと、即ち一定の方法で細胞を初期化すること出来ることが示されていればよく、STAP細胞の「製造方法」まで記載されている必要は必ずしもない。「製造方法」が示されていれば、世界中の国で特許が取れてしまう。

 研究論文に間違いがあることは決して望ましいことではないが、間違いが見つかったら訂正すれば良い。何故小保方氏を含め著者や指導官が集まり、点検の上、ネイチャー誌に訂正を申し入れなかったのか。間違いは誰にでもある。ましてや若手の研究者であり、それは本人も認めていることであり、論文の作成につき未熟な点はある。しかし論文の書き方という技術的なことに拘泥し、研究成果自体を否定する事があってはならない。

 こんなことをしていたら、STAP細胞の成果は他の国にもっていかれる恐れがあり、また小保方氏自身も海外に研究の場を移さざるを得なくなる可能性もある。小保方氏は、早急にSTAP細胞のつくり方や“レシピー”などについて特許を取得すべきであろう。

 日本人は、ブランド至上主義、地位や知名度に弱いと言われているが、無名の若い研究者や人材を育成するという重要性を忘れてはならない。(2014.04.10.)(All Rights Reserved.)

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若手研究者を育てられない日本の研究界!?

2014-04-11 | Weblog

若手研究者を育てられない日本の研究界!?

 理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが2014年1月、ネイチャー誌に万能性を持つSTAP細胞に関する論文を発表し、内外に大きく注目された。この発見は、従来細胞は元には戻らないという固定観念に対し、細胞を元に戻し、その後多様な機能に発達させられるというものである。いわば細胞を初期化するもので、生物科学界において天動説から地動説に転換するという画期的な発見である。小保方氏は30歳で一躍時の人となり、将来のノーベル賞候補ともされていた。

 ところが、その論文中に使用されていた画像につき、一部修正が施されていたことと、他の画像が取り違えられていたことが指摘された。理化学研究所側は、急遽調査委員会を組織し、これらの点については、‘改ざん’、‘捏造’があったと公表し、また第三者を含めたSTAP細胞作成検証を行うことを明らかにした。そもそも、‘改ざん’とは他人が作成したものを、許可なく修正し、使用することであって、本人が作成する資料の一部を修正して使用することは‘改ざん’、には当たらない。但し、修正点は明示すべきであろう。

 

 これに対し、小保方氏は同研究所に不服申し立てをし、4月9日、記者会見も行った。同氏はSTAP細胞が存在することを明言した。調査委員会側は、検証上重要な‘研究ノート’は2冊しか無いとしていたが、小保方氏は記者会見で調査委に提出したのは2冊であり、他にもあるとした。要するに調査委は、十分な聞き取りも行わず、‘研究ノートは2冊しか無い’として虚偽の報告をし、ずさんな研究との印象を与えた。同調査委の考え方からすると、同調査委の報告は信用できないということになる。要するに、結論ありきの調査ではなかったのか。

 他方、同研究所のSTAP細胞作成検証チームには、著者の1であった同研究所の丹生プロジェクトリーダーが入っている。丹生氏は、記者会見で、小保方論文は取り下げ、‘更地にして作成検証を行う’とした。小保方論文の著者の一人であり、同研究所の研究テーマの上司であり、論文内容に共同責任がある。第一発見者の小保方氏の論文を取り下げ、STAP細胞を作れば、正式な発見者は理化学研究所となり、成果を同研究所が取り上げるということになる。理化学研究所の対応は、若い研究者を育てるということではないのか。

 一部の専門家等が、この論文から‘誰でもSTAP細胞が作れるべきである’としているが、違和感がある。学説としては、「細胞に一定のストレスを加えると、万能性を有する細胞に転換する」こと、即ち一定の方法で細胞を初期化すること出来ることが示されていればよく、STAP細胞の「製造方法」まで記載されている必要は必ずしもない。「製造方法」が示されていれば、世界中の国で特許が取れてしまう。

 研究論文に間違いがあることは決して望ましいことではないが、間違いが見つかったら訂正すれば良い。何故小保方氏を含め著者や指導官が集まり、点検の上、ネイチャー誌に訂正を申し入れなかったのか。間違いは誰にでもある。ましてや若手の研究者であり、それは本人も認めていることであり、論文の作成につき未熟な点はある。しかし論文の書き方という技術的なことに拘泥し、研究成果自体を否定する事があってはならない。

 こんなことをしていたら、STAP細胞の成果は他の国にもっていかれる恐れがあり、また小保方氏自身も海外に研究の場を移さざるを得なくなる可能性もある。小保方氏は、早急にSTAP細胞のつくり方や“レシピー”などについて特許を取得すべきであろう。

 日本人は、ブランド至上主義、地位や知名度に弱いと言われているが、無名の若い研究者や人材を育成するという重要性を忘れてはならない。(2014.04.10.)(All Rights Reserved.)

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若手研究者を育てられない日本の研究界!?

2014-04-11 | Weblog

 若手研究者を育てられない日本の研究界!?

 理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが2014年1月、ネイチャー誌に万能性を持つSTAP細胞に関する論文を発表し、内外に大きく注目された。この発見は、従来細胞は元には戻らないという固定観念に対し、細胞を元に戻し、その後多様な機能に発達させられるというものである。いわば細胞を初期化するもので、生物科学界において天動説から地動説に転換するという画期的な発見である。小保方氏は30歳で一躍時の人となり、将来のノーベル賞候補ともされていた。

 ところが、その論文中に使用されていた画像につき、一部修正が施されていたことと、他の画像が取り違えられていたことが指摘された。理化学研究所側は、急遽調査委員会を組織し、これらの点については、‘改ざん’、‘捏造’があったと公表し、また第三者を含めたSTAP細胞作成検証を行うことを明らかにした。そもそも、‘改ざん’とは他人が作成したものを、許可なく修正し、使用することであって、本人が作成する資料の一部を修正して使用することは‘改ざん’、には当たらない。但し、修正点は明示すべきであろう。

 

 これに対し、小保方氏は同研究所に不服申し立てをし、4月9日、記者会見も行った。同氏はSTAP細胞が存在することを明言した。調査委員会側は、検証上重要な‘研究ノート’は2冊しか無いとしていたが、小保方氏は記者会見で調査委に提出したのは2冊であり、他にもあるとした。要するに調査委は、十分な聞き取りも行わず、‘研究ノートは2冊しか無い’として虚偽の報告をし、ずさんな研究との印象を与えた。同調査委の考え方からすると、同調査委の報告は信用できないということになる。要するに、結論ありきの調査ではなかったのか。

 他方、同研究所のSTAP細胞作成検証チームには、著者の1であった同研究所の丹生プロジェクトリーダーが入っている。丹生氏は、記者会見で、小保方論文は取り下げ、‘更地にして作成検証を行う’とした。小保方論文の著者の一人であり、同研究所の研究テーマの上司であり、論文内容に共同責任がある。第一発見者の小保方氏の論文を取り下げ、STAP細胞を作れば、正式な発見者は理化学研究所となり、成果を同研究所が取り上げるということになる。理化学研究所の対応は、若い研究者を育てるということではないのか。

 一部の専門家等が、この論文から‘誰でもSTAP細胞が作れるべきである’としているが、違和感がある。学説としては、「細胞に一定のストレスを加えると、万能性を有する細胞に転換する」こと、即ち一定の方法で細胞を初期化すること出来ることが示されていればよく、STAP細胞の「製造方法」まで記載されている必要は必ずしもない。「製造方法」が示されていれば、世界中の国で特許が取れてしまう。

 研究論文に間違いがあることは決して望ましいことではないが、間違いが見つかったら訂正すれば良い。何故小保方氏を含め著者や指導官が集まり、点検の上、ネイチャー誌に訂正を申し入れなかったのか。間違いは誰にでもある。ましてや若手の研究者であり、それは本人も認めていることであり、論文の作成につき未熟な点はある。しかし論文の書き方という技術的なことに拘泥し、研究成果自体を否定する事があってはならない。

 こんなことをしていたら、STAP細胞の成果は他の国にもっていかれる恐れがあり、また小保方氏自身も海外に研究の場を移さざるを得なくなる可能性もある。小保方氏は、早急にSTAP細胞のつくり方や“レシピー”などについて特許を取得すべきであろう。

 日本人は、ブランド至上主義、地位や知名度に弱いと言われているが、無名の若い研究者や人材を育成するという重要性を忘れてはならない。(2014.04.10.)(All Rights Reserved.)

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北朝鮮は米韓共同軍事演習への対抗措置を画策か!? (その1)

2014-04-11 | Weblog

北朝鮮は米韓共同軍事演習への対抗措置を画策か!?         (その1)

 北朝鮮は、昨年12月、金正恩体制への反逆行為として張成沢国防副委員長を処刑するなど、その関係者、親族を粛清し、その後の動向が注目されていた。その中で1月16日、北朝鮮国防委員会は、南北朝鮮間に良好な環境を作り出すためとして、旧正月が始まる1月30日以前に相互に批判し挑発し合うことを止め、軍事的な行為を中止するよう提案すると共に、米韓両国の共同軍事演習の中止を訴えた。

 更に1月24日、北朝鮮国防委は、国防委委員長でもある金正恩第一書記の特別な指示として、祖国統一の新たな段階を開くため上記の提案に言及しつつ韓国当局ほか関係方面に宛てた公開書簡を公表した。

 韓国政府はこれを誠意あるものではないとして拒否したが、北朝鮮は池在中国大使が記者会見を行い、この提案は真摯なものであり支持するよう訴えた。中国当局からもプレッシャーが掛けられていることが伺える。

 その後北朝鮮は、韓国との南北離散家族再開事業を実施(2月20日から6日間)した他、日朝間においても、日朝赤十字会談(3月19日)や日朝政府間協議(3月30日、31日)を行うなど、融和姿勢を示す一方、短、中距離のミサイルの日本海向け発射などの示威行為を行い、硬軟両用の姿勢を示しており、その真意が注目されている。

 1、米韓合同軍事演習への反発をあらわにする北朝鮮の狙い

 このような北朝鮮側の米韓共同軍事演習の中止提案に対し、北朝鮮側が張成沢国防副委員長他の血の粛清後国際的に孤立化していることを受けての融和策、或いは経済的困難を回避するための和解姿勢など、ステレオタイプのコメントが多く聞かれた。

 無論そのような狙いがあることは否定するものではない。しかし上記の2度に渡る提案を読み進めると、具体的には次の2点を要求している。

 (1)   南北間に良好な環境を作り出すため、当面、米韓合同軍事演習(フオール・イーグル、及びキー・リゾルブ)を中止すること。

 (2)   北朝鮮としては‘朝鮮半島の非核化’を共通の目標と考えるが、朝鮮半島に‘第3国の核’を持ち込まないこと。北朝鮮の核は米国の核の抑止のためであり、自衛のためにほかならない。

 この要求から分かるように、北朝鮮の当面の狙いは2月下旬から実施されている米韓合同軍事演習の中止である。提案が北朝鮮の軍事委員会の名でなされていることも、軍事的な思惑からであることを物語っている。そもそももし北朝鮮側が、真に韓国側との融和を希望するのであれば、公式ルートを通じ静かに接触し、韓国側が対話に応じた時点で公表するであろう。

 米韓合同軍事演習は、長年に亘り実施されているもので、韓国内及びその周辺で行われる大規模な演習であるが、北朝鮮側はその都度最大級の批判を繰り返して来ている。国内的にも、TVや労働党機関紙その他で米国、及び韓国による北朝鮮侵略の準備であり、北朝鮮はそのような攻撃があれば南を焦土とするなどとして、過剰とも思える反応を行っている。2013年においても同様だ。

 2、北朝鮮の融和姿勢は本当か                       (その2に掲載)

 3、北朝鮮の真の狙いは核、ミサイル開発の促進?!         (その3に掲載)

 (2014.04.5.)(All Rights Reserved.)

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北朝鮮は米韓共同軍事演習への対抗措置を画策か!? (その1)

2014-04-11 | Weblog

北朝鮮は米韓共同軍事演習への対抗措置を画策か!?         (その1)

 北朝鮮は、昨年12月、金正恩体制への反逆行為として張成沢国防副委員長を処刑するなど、その関係者、親族を粛清し、その後の動向が注目されていた。その中で1月16日、北朝鮮国防委員会は、南北朝鮮間に良好な環境を作り出すためとして、旧正月が始まる1月30日以前に相互に批判し挑発し合うことを止め、軍事的な行為を中止するよう提案すると共に、米韓両国の共同軍事演習の中止を訴えた。

 更に1月24日、北朝鮮国防委は、国防委委員長でもある金正恩第一書記の特別な指示として、祖国統一の新たな段階を開くため上記の提案に言及しつつ韓国当局ほか関係方面に宛てた公開書簡を公表した。

 韓国政府はこれを誠意あるものではないとして拒否したが、北朝鮮は池在中国大使が記者会見を行い、この提案は真摯なものであり支持するよう訴えた。中国当局からもプレッシャーが掛けられていることが伺える。

 その後北朝鮮は、韓国との南北離散家族再開事業を実施(2月20日から6日間)した他、日朝間においても、日朝赤十字会談(3月19日)や日朝政府間協議(3月30日、31日)を行うなど、融和姿勢を示す一方、短、中距離のミサイルの日本海向け発射などの示威行為を行い、硬軟両用の姿勢を示しており、その真意が注目されている。

 1、米韓合同軍事演習への反発をあらわにする北朝鮮の狙い

 このような北朝鮮側の米韓共同軍事演習の中止提案に対し、北朝鮮側が張成沢国防副委員長他の血の粛清後国際的に孤立化していることを受けての融和策、或いは経済的困難を回避するための和解姿勢など、ステレオタイプのコメントが多く聞かれた。

 無論そのような狙いがあることは否定するものではない。しかし上記の2度に渡る提案を読み進めると、具体的には次の2点を要求している。

 (1)   南北間に良好な環境を作り出すため、当面、米韓合同軍事演習(フオール・イーグル、及びキー・リゾルブ)を中止すること。

 (2)   北朝鮮としては‘朝鮮半島の非核化’を共通の目標と考えるが、朝鮮半島に‘第3国の核’を持ち込まないこと。北朝鮮の核は米国の核の抑止のためであり、自衛のためにほかならない。

 この要求から分かるように、北朝鮮の当面の狙いは2月下旬から実施されている米韓合同軍事演習の中止である。提案が北朝鮮の軍事委員会の名でなされていることも、軍事的な思惑からであることを物語っている。そもそももし北朝鮮側が、真に韓国側との融和を希望するのであれば、公式ルートを通じ静かに接触し、韓国側が対話に応じた時点で公表するであろう。

 米韓合同軍事演習は、長年に亘り実施されているもので、韓国内及びその周辺で行われる大規模な演習であるが、北朝鮮側はその都度最大級の批判を繰り返して来ている。国内的にも、TVや労働党機関紙その他で米国、及び韓国による北朝鮮侵略の準備であり、北朝鮮はそのような攻撃があれば南を焦土とするなどとして、過剰とも思える反応を行っている。2013年においても同様だ。

 2、北朝鮮の融和姿勢は本当か                       (その2に掲載)

 3、北朝鮮の真の狙いは核、ミサイル開発の促進?!         (その3に掲載)

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北朝鮮は米韓共同軍事演習への対抗措置を画策か!? (その1)

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 北朝鮮は、昨年12月、金正恩体制への反逆行為として張成沢国防副委員長を処刑するなど、その関係者、親族を粛清し、その後の動向が注目されていた。その中で1月16日、北朝鮮国防委員会は、南北朝鮮間に良好な環境を作り出すためとして、旧正月が始まる1月30日以前に相互に批判し挑発し合うことを止め、軍事的な行為を中止するよう提案すると共に、米韓両国の共同軍事演習の中止を訴えた。

 更に1月24日、北朝鮮国防委は、国防委委員長でもある金正恩第一書記の特別な指示として、祖国統一の新たな段階を開くため上記の提案に言及しつつ韓国当局ほか関係方面に宛てた公開書簡を公表した。

 韓国政府はこれを誠意あるものではないとして拒否したが、北朝鮮は池在中国大使が記者会見を行い、この提案は真摯なものであり支持するよう訴えた。中国当局からもプレッシャーが掛けられていることが伺える。

 その後北朝鮮は、韓国との南北離散家族再開事業を実施(2月20日から6日間)した他、日朝間においても、日朝赤十字会談(3月19日)や日朝政府間協議(3月30日、31日)を行うなど、融和姿勢を示す一方、短、中距離のミサイルの日本海向け発射などの示威行為を行い、硬軟両用の姿勢を示しており、その真意が注目されている。

 1、米韓合同軍事演習への反発をあらわにする北朝鮮の狙い

 このような北朝鮮側の米韓共同軍事演習の中止提案に対し、北朝鮮側が張成沢国防副委員長他の血の粛清後国際的に孤立化していることを受けての融和策、或いは経済的困難を回避するための和解姿勢など、ステレオタイプのコメントが多く聞かれた。

 無論そのような狙いがあることは否定するものではない。しかし上記の2度に渡る提案を読み進めると、具体的には次の2点を要求している。

 (1)   南北間に良好な環境を作り出すため、当面、米韓合同軍事演習(フオール・イーグル、及びキー・リゾルブ)を中止すること。

 (2)   北朝鮮としては‘朝鮮半島の非核化’を共通の目標と考えるが、朝鮮半島に‘第3国の核’を持ち込まないこと。北朝鮮の核は米国の核の抑止のためであり、自衛のためにほかならない。

 この要求から分かるように、北朝鮮の当面の狙いは2月下旬から実施されている米韓合同軍事演習の中止である。提案が北朝鮮の軍事委員会の名でなされていることも、軍事的な思惑からであることを物語っている。そもそももし北朝鮮側が、真に韓国側との融和を希望するのであれば、公式ルートを通じ静かに接触し、韓国側が対話に応じた時点で公表するであろう。

 米韓合同軍事演習は、長年に亘り実施されているもので、韓国内及びその周辺で行われる大規模な演習であるが、北朝鮮側はその都度最大級の批判を繰り返して来ている。国内的にも、TVや労働党機関紙その他で米国、及び韓国による北朝鮮侵略の準備であり、北朝鮮はそのような攻撃があれば南を焦土とするなどとして、過剰とも思える反応を行っている。2013年においても同様だ。

 2、北朝鮮の融和姿勢は本当か                       (その2に掲載)

 3、北朝鮮の真の狙いは核、ミサイル開発の促進?!         (その3に掲載)

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 北朝鮮は、昨年12月、金正恩体制への反逆行為として張成沢国防副委員長を処刑するなど、その関係者、親族を粛清し、その後の動向が注目されていた。その中で1月16日、北朝鮮国防委員会は、南北朝鮮間に良好な環境を作り出すためとして、旧正月が始まる1月30日以前に相互に批判し挑発し合うことを止め、軍事的な行為を中止するよう提案すると共に、米韓両国の共同軍事演習の中止を訴えた。

 更に1月24日、北朝鮮国防委は、国防委委員長でもある金正恩第一書記の特別な指示として、祖国統一の新たな段階を開くため上記の提案に言及しつつ韓国当局ほか関係方面に宛てた公開書簡を公表した。

 韓国政府はこれを誠意あるものではないとして拒否したが、北朝鮮は池在中国大使が記者会見を行い、この提案は真摯なものであり支持するよう訴えた。中国当局からもプレッシャーが掛けられていることが伺える。

 その後北朝鮮は、韓国との南北離散家族再開事業を実施(2月20日から6日間)した他、日朝間においても、日朝赤十字会談(3月19日)や日朝政府間協議(3月30日、31日)を行うなど、融和姿勢を示す一方、短、中距離のミサイルの日本海向け発射などの示威行為を行い、硬軟両用の姿勢を示しており、その真意が注目されている。

 1、米韓合同軍事演習への反発をあらわにする北朝鮮の狙い

 このような北朝鮮側の米韓共同軍事演習の中止提案に対し、北朝鮮側が張成沢国防副委員長他の血の粛清後国際的に孤立化していることを受けての融和策、或いは経済的困難を回避するための和解姿勢など、ステレオタイプのコメントが多く聞かれた。

 無論そのような狙いがあることは否定するものではない。しかし上記の2度に渡る提案を読み進めると、具体的には次の2点を要求している。

 (1)   南北間に良好な環境を作り出すため、当面、米韓合同軍事演習(フオール・イーグル、及びキー・リゾルブ)を中止すること。

 (2)   北朝鮮としては‘朝鮮半島の非核化’を共通の目標と考えるが、朝鮮半島に‘第3国の核’を持ち込まないこと。北朝鮮の核は米国の核の抑止のためであり、自衛のためにほかならない。

 この要求から分かるように、北朝鮮の当面の狙いは2月下旬から実施されている米韓合同軍事演習の中止である。提案が北朝鮮の軍事委員会の名でなされていることも、軍事的な思惑からであることを物語っている。そもそももし北朝鮮側が、真に韓国側との融和を希望するのであれば、公式ルートを通じ静かに接触し、韓国側が対話に応じた時点で公表するであろう。

 米韓合同軍事演習は、長年に亘り実施されているもので、韓国内及びその周辺で行われる大規模な演習であるが、北朝鮮側はその都度最大級の批判を繰り返して来ている。国内的にも、TVや労働党機関紙その他で米国、及び韓国による北朝鮮侵略の準備であり、北朝鮮はそのような攻撃があれば南を焦土とするなどとして、過剰とも思える反応を行っている。2013年においても同様だ。

 2、北朝鮮の融和姿勢は本当か                       (その2に掲載)

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 ところが、その論文中に使用されていた画像につき、一部修正が施されていたことと、他の画像が取り違えられていたことが指摘された。理化学研究所側は、急遽調査委員会を組織し、これらの点については、‘不正’、‘捏造’があったと公表し、また第三者を含めたSTAP細胞作成検証を行うことを明らかにした。そもそも、‘改ざん’とは他人が作成したものを、許可なく修正し、使用することであって、本人が作成する資料の一部を修正して使用することは‘改ざん’、には当たらない。但し、修正点は明示すべきであろう。

 これに対し、小保方氏は同研究所に不服申し立てをし、4月9日、記者会見も行った。同氏はSTAP細胞が存在することを明言した。調査委員会側は、検証上重要な‘研究ノート’は2冊しか無いとしていたが、小保方氏は記者会見で調査委に提出したのは2冊であり、他にもあるとした。要するに調査委は、十分な聞き取りも行わず、‘研究ノートは2冊しか無い’として虚偽の報告をし、ずさんな研究との印象を与えた。同調査委の考え方からすると、同調査委の報告は信用できないということになる。要するに、結論ありきの調査ではなかったのか。

 一部の専門家等が、この論文から‘誰でもSTAP細胞が作れるべきである’としているが、違和感がある。学説としては、「細胞に一定のストレスを加えると、万能性を有する細胞に転換する」こと、即ち一定の方法で細胞を初期化すること出来ることが示されていればよく、STAP細胞の「製造方法」まで記載されている必要は必ずしもない。「製造方法」が示されていれば、世界中の国で特許が取れてしまう。

 他方、同研究所のSTAP細胞作成検証チームには、著者の1であった同研究所の丹生プロジェクトリーダーが入っている。丹生氏は、記者会見で、小保方論文は取り下げ、‘更地にして作成検証を行う’とした。小保方論文の著者の一人であり、同研究所の研究テーマの上司であり、論文内容に共同責任がある。第一発見者の小保方氏の論文を取り下げ、STAP細胞を作れば、正式な発見者は理化学研究所となり、成果を同研究所が取り上げるということになる。理化学研究所の対応は、若い研究者を育てるということではないのか。

 研究論文に間違いがあることは決して望ましいことではないが、間違いが見つかったら訂正すれば良い。何故小保方氏を含め著者や指導官が集まり、点検の上、ネイチャー誌に訂正を申し入れなかったのか。間違いは誰にでもある。ましてや若手の研究者であり、それは本人も認めていることであり、論文の作成につき未熟な点はある。しかし論文の書き方という技術的なことに拘泥し、研究成果自体を否定する事があってはならない。

 こんなことをしていたら、STAP細胞の成果は他の国にもっていかれる恐れがあり、また小保方氏自身も海外に研究の場を移さざるを得なくなる可能性もある。小保方氏は、早急にSTAP細胞のつくり方や“レシピー”などについて特許を取得すべきであろう。

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 理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが2014年1月、ネイチャー誌に万能性を持つSTAP細胞に関する論文を発表し、内外に大きく注目された。この発見は、従来細胞は元には戻らないという固定観念に対し、細胞を元に戻し、その後多様な機能に発達させられるというものである。いわば細胞を初期化するもので、生物科学界において天動説から地動説に転換するという画期的な発見である。小保方氏は30歳で一躍時の人となり、将来のノーベル賞候補ともされていた。

 ところが、その論文中に使用されていた画像につき、一部修正が施されていたことと、他の画像が取り違えられていたことが指摘された。理学研究所側は、急遽調査委員会を組織し、これらの点については、‘不正’、‘捏造’があったと公表し、また第三者を含めたSTAP細胞作成検証を行うことを明らかにした。

 これに対し、小保方氏は同研究所に不服申し立てをし、4月9日、記者会見も行った。同氏はSTAP細胞が存在することを明言した。調査委員会側は、検証上重要な‘研究ノート’は2冊しか無いとしていたが、小保方氏は記者会見で調査委に提出したのは2冊であり、他にもあるとした。要するに調査委は、十分な聞き取りも行わず、‘研究ノートは2冊しか無い’として虚偽の報告をし、ずさんな研究との印象を与えた。同調査委の考え方からすると、同調査委の報告は信用できないということになる。要するに、結論ありきの調査ではなかったのか。

 一部の専門家等が、この論文から‘誰でもSTAP細胞が作れるべきである’としているが、違和感がある。学説としては、「細胞に一定のストレスを加えると、万能性を有する細胞に転換する」こと、即ち一定の方法で細胞を初期化すること出来ることが示されていればよく、STAP細胞の「製造方法」まで記載されている必要は必ずしもない。「製造方法」が示されていれば、世界中の国で特許が取れてしまう。

 他方、同研究所のSTAP細胞作成検証チームには、著者の1であった同研究所の丹生プロジェクトリーダーが入っている。丹生氏は、記者会見で、小保方論文は取り下げ、‘更地にして作成検証を行う’とした。小保方論文の著者の一人であり、同研究所の研究テーマの上司であり、論文内容に共同責任がある。第一発見者の小保方氏の論文を取り下げ、STAP細胞を作れば、正式な発見者は理科学研究所となり、成果を同研究所が取り上げるということになる。理科学研究所の対応は、若い研究者を育てるということではないのか。

 研究論文に間違いがあることは決して望ましいことではないが、間違いが見つかったら訂正すれば良い。何故小保方氏を含め著者や指導官が集まり、点検の上、ネイチャー誌に訂正を申し入れなかったのか。間違いは誰にでもある。ましてや若手の研究者であり、それは本人も認めていることであり、論文の作成につき未熟な点はある。しかし論文の書き方という技術的なことに拘泥し、研究成果自体を否定する事があってはならない。

 こんなことをしていたら、STAP細胞の成果は他の国にもっていかれる恐れがあり、また小保方氏自身も海外に研究の場を移さざるを得なくなる可能性もある。小保方氏は、早急にSTAP細胞のつくり方や“レシピー”などについて特許を取得すべきであろう。

 日本人は、ブランド至上主義、地位や知名度に弱いと言われているが、無名の若い研究者や人材を育成するという重要性を忘れてはならない。(2014.04.10.)(All Rights Reserved.)

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若い研究者を育てられない日本の研究界!?

2014-04-10 | Weblog

若い研究者を育てられない日本の研究界!?

 理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが2014年1月、ネイチャー誌に万能性を持つSTAP細胞に関する論文を発表し、内外に大きく注目された。この発見は、従来細胞は元には戻らないという固定観念に対し、細胞を元に戻し、その後多様な機能に発達させられるというものである。いわば細胞を初期化するもので、生物科学界において天動説から地動説に転換するという画期的な発見である。小保方氏は30歳で一躍時の人となり、将来のノーベル賞候補ともされていた。

 ところが、その論文中に使用されていた画像につき、一部修正が施されていたことと、他の画像が取り違えられていたことが指摘された。理化学研究所側は、急遽調査委員会を組織し、これらの点については、‘不正’、‘捏造’があったと公表し、また第三者を含めたSTAP細胞作成検証を行うことを明らかにした。そもそも、‘改ざん’とは他人が作成したものを、許可なく修正し、使用することであって、本人が作成する資料の一部を修正して使用することは‘改ざん’、には当たらない。但し、修正点は明示すべきであろう。

 これに対し、小保方氏は同研究所に不服申し立てをし、4月9日、記者会見も行った。同氏はSTAP細胞が存在することを明言した。調査委員会側は、検証上重要な‘研究ノート’は2冊しか無いとしていたが、小保方氏は記者会見で調査委に提出したのは2冊であり、他にもあるとした。要するに調査委は、十分な聞き取りも行わず、‘研究ノートは2冊しか無い’として虚偽の報告をし、ずさんな研究との印象を与えた。同調査委の考え方からすると、同調査委の報告は信用できないということになる。要するに、結論ありきの調査ではなかったのか。

 一部の専門家等が、この論文から‘誰でもSTAP細胞が作れるべきである’としているが、違和感がある。学説としては、「細胞に一定のストレスを加えると、万能性を有する細胞に転換する」こと、即ち一定の方法で細胞を初期化すること出来ることが示されていればよく、STAP細胞の「製造方法」まで記載されている必要は必ずしもない。「製造方法」が示されていれば、世界中の国で特許が取れてしまう。

 他方、同研究所のSTAP細胞作成検証チームには、著者の1であった同研究所の丹生プロジェクトリーダーが入っている。丹生氏は、記者会見で、小保方論文は取り下げ、‘更地にして作成検証を行う’とした。小保方論文の著者の一人であり、同研究所の研究テーマの上司であり、論文内容に共同責任がある。第一発見者の小保方氏の論文を取り下げ、STAP細胞を作れば、正式な発見者は理化学研究所となり、成果を同研究所が取り上げるということになる。理科学研究所の対応は、若い研究者を育てるということではないのか。

 研究論文に間違いがあることは決して望ましいことではないが、間違いが見つかったら訂正すれば良い。何故小保方氏を含め著者や指導官が集まり、点検の上、ネイチャー誌に訂正を申し入れなかったのか。間違いは誰にでもある。ましてや若手の研究者であり、それは本人も認めていることであり、論文の作成につき未熟な点はある。しかし論文の書き方という技術的なことに拘泥し、研究成果自体を否定する事があってはならない。

 こんなことをしていたら、STAP細胞の成果は他の国にもっていかれる恐れがあり、また小保方氏自身も海外に研究の場を移さざるを得なくなる可能性もある。小保方氏は、早急にSTAP細胞のつくり方や“レシピー”などについて特許を取得すべきであろう。

 日本人は、ブランド至上主義、地位や知名度に弱いと言われているが、無名の若い研究者や人材を育成するという重要性を忘れてはならない。(2014.04.10.)(All Rights Reserved.)

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 理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが2014年1月、ネイチャー誌に万能性を持つSTAP細胞に関する論文を発表し、内外に大きく注目された。この発見は、従来細胞は元には戻らないという固定観念に対し、細胞を元に戻し、その後多様な機能に発達させられるというものである。いわば細胞を初期化するもので、生物科学界において天動説から地動説に転換するという画期的な発見である。小保方氏は30歳で一躍時の人となり、将来のノーベル賞候補ともされていた。

 ところが、その論文中に使用されていた画像につき、一部修正が施されていたことと、他の画像が取り違えられていたことが指摘された。理化学研究所側は、急遽調査委員会を組織し、これらの点については、‘不正’、‘捏造’があったと公表し、また第三者を含めたSTAP細胞作成検証を行うことを明らかにした。

 これに対し、小保方氏は同研究所に不服申し立てをし、4月9日、記者会見も行った。同氏はSTAP細胞が存在することを明言した。調査委員会側は、検証上重要な‘研究ノート’は2冊しか無いとしていたが、小保方氏は記者会見で調査委に提出したのは2冊であり、他にもあるとした。要するに調査委は、十分な聞き取りも行わず、‘研究ノートは2冊しか無い’として虚偽の報告をし、ずさんな研究との印象を与えた。同調査委の考え方からすると、同調査委の報告は信用できないということになる。要するに、結論ありきの調査ではなかったのか。

 他方、同研究所のSTAP細胞作成検証チームには、著者の1であった同研究所の丹生プロジェクトリーダーが入っている。丹生氏は、記者会見で、小保方論文は取り下げ、‘更地にして作成検証を行う’とした。小保方論文の著者の一人であり、同研究所の研究テーマの上司であり、論文内容に共同責任がある。第一発見者の小保方氏の論文を取り下げ、STAP細胞を作れば、正式な発見者は理化学研究所となり、成果を同研究所が取り上げるということになる。理科学研究所の対応は、若い研究者を育てるということではないのか。

 研究論文に間違いがあることは決して望ましいことではないが、間違いが見つかったら訂正すれば良い。何故小保方氏を含め著者や指導官が集まり、点検の上、ネイチャー誌に訂正を申し入れなかったのか。間違いは誰にでもある。ましてや若手の研究者であり、それは本人も認めていることであり、論文の作成につき未熟な点はある。しかし論文の書き方という技術的なことに拘泥し、研究成果自体を否定する事があってはならない。

 こんなことをしていたら、STAP細胞の成果は他の国にもっていかれる恐れがあり、また小保方氏自身も海外に研究の場を移さざるを得なくなる可能性もある。小保方氏は、早急にSTAP細胞のつくり方や“レシピー”などについて特許を取得すべきであろう。

 日本人は、ブランド至上主義、地位や知名度に弱いと言われているが、無名の若い研究者や人材を育成するという重要性を忘れてはならない。(2014.04.10.)(All Rights Reserved.)

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 理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが2014年1月、ネイチャー誌に万能性を持つSTAP細胞に関する論文を発表し、内外に大きく注目された。この発見は、従来細胞は元には戻らないという固定観念に対し、細胞を元に戻し、その後多様な機能に発達させられるというものである。いわば細胞を初期化するもので、生物科学界において天動説から地動説に転換するという画期的な発見である。小保方氏は30歳で一躍時の人となり、将来のノーベル賞候補ともされていた。

 ところが、その論文中に使用されていた画像につき、一部修正が施されていたことと、他の画像が取り違えられていたことが指摘された。理化学研究所側は、急遽調査委員会を組織し、これらの点については、‘不正’、‘捏造’があったと公表し、また第三者を含めたSTAP細胞作成検証を行うことを明らかにした。

 これに対し、小保方氏は同研究所に不服申し立てをし、4月9日、記者会見も行った。同氏はSTAP細胞が存在することを明言した。調査委員会側は、検証上重要な‘研究ノート’は2冊しか無いとしていたが、小保方氏は記者会見で調査委に提出したのは2冊であり、他にもあるとした。要するに調査委は、十分な聞き取りも行わず、‘研究ノートは2冊しか無い’として虚偽の報告をし、ずさんな研究との印象を与えた。同調査委の考え方からすると、同調査委の報告は信用できないということになる。要するに、結論ありきの調査ではなかったのか。

 一部の専門家等が、この論文から‘誰でもSTAP細胞が作れるべきである’としているが、違和感がある。学説としては、「細胞に一定のストレスを加えると、万能性を有する細胞に転換する」こと、即ち一定の方法で細胞を初期化すること出来ることが示されていればよく、STAP細胞の「製造方法」まで記載されている必要は必ずしもない。「製造方法」が示されていれば、世界中の国で特許が取れてしまう。

 他方、同研究所のSTAP細胞作成検証チームには、著者の1であった同研究所の丹生プロジェクトリーダーが入っている。丹生氏は、記者会見で、小保方論文は取り下げ、‘更地にして作成検証を行う’とした。小保方論文の著者の一人であり、同研究所の研究テーマの上司であり、論文内容に共同責任がある。第一発見者の小保方氏の論文を取り下げ、STAP細胞を作れば、正式な発見者は理化学研究所となり、成果を同研究所が取り上げるということになる。理化学研究所の対応は、若い研究者を育てるということではないのか。

 研究論文に間違いがあることは決して望ましいことではないが、間違いが見つかったら訂正すれば良い。何故小保方氏を含め著者や指導官が集まり、点検の上、ネイチャー誌に訂正を申し入れなかったのか。間違いは誰にでもある。ましてや若手の研究者であり、それは本人も認めていることであり、論文の作成につき未熟な点はある。しかし論文の書き方という技術的なことに拘泥し、研究成果自体を否定する事があってはならない。

 こんなことをしていたら、STAP細胞の成果は他の国にもっていかれる恐れがあり、また小保方氏自身も海外に研究の場を移さざるを得なくなる可能性もある。小保方氏は、早急にSTAP細胞のつくり方や“レシピー”などについて特許を取得すべきであろう。

 日本人は、ブランド至上主義、地位や知名度に弱いと言われているが、無名の若い研究者や人材を育成するという重要性を忘れてはならない。(2014.04.10.)(All Rights Reserved.)

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 ところが、その論文中に使用されていた画像につき、一部修正が施されていたことと、他の画像が取り違えられていたことが指摘された。理化学研究所側は、急遽調査委員会を組織し、これらの点については、‘不正’、‘捏造’があったと公表し、また第三者を含めたSTAP細胞作成検証を行うことを明らかにした。

 これに対し、小保方氏は同研究所に不服申し立てをし、4月9日、記者会見も行った。同氏はSTAP細胞が存在することを明言した。調査委員会側は、検証上重要な‘研究ノート’は2冊しか無いとしていたが、小保方氏は記者会見で調査委に提出したのは2冊であり、他にもあるとした。要するに調査委は、十分な聞き取りも行わず、‘研究ノートは2冊しか無い’として虚偽の報告をし、ずさんな研究との印象を与えた。同調査委の考え方からすると、同調査委の報告は信用できないということになる。要するに、結論ありきの調査ではなかったのか。

 他方、同研究所のSTAP細胞作成検証チームには、著者の1であった同研究所の丹生プロジェクトリーダーが入っている。丹生氏は、記者会見で、小保方論文は取り下げ、‘更地にして作成検証を行う’とした。小保方論文の著者の一人であり、同研究所の研究テーマの上司であり、論文内容に共同責任がある。第一発見者の小保方氏の論文を取り下げ、STAP細胞を作れば、正式な発見者は理化学研究所となり、成果を同研究所が取り上げるということになる。理化学研究所の対応は、若い研究者を育てるということではないのか。

 研究論文に間違いがあることは決して望ましいことではないが、間違いが見つかったら訂正すれば良い。何故小保方氏を含め著者や指導官が集まり、点検の上、ネイチャー誌に訂正を申し入れなかったのか。間違いは誰にでもある。ましてや若手の研究者であり、それは本人も認めていることであり、論文の作成につき未熟な点はある。しかし論文の書き方という技術的なことに拘泥し、研究成果自体を否定する事があってはならない。

 こんなことをしていたら、STAP細胞の成果は他の国にもっていかれる恐れがあり、また小保方氏自身も海外に研究の場を移さざるを得なくなる可能性もある。小保方氏は、早急にSTAP細胞のつくり方や“レシピー”などについて特許を取得すべきであろう。

 日本人は、ブランド至上主義、地位や知名度に弱いと言われているが、無名の若い研究者や人材を育成するという重要性を忘れてはならない。(2014.04.10.)(All Rights Reserved.)

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若い研究者を育てられない日本の研究界!?

2014-04-10 | Weblog

 若い研究者を育てられない日本の研究界!?

 理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが2014年1月、ネイチャー誌に万能性を持つSTAP細胞に関する論文を発表し、内外に大きく注目された。この発見は、従来細胞は元には戻らないという固定観念に対し、細胞を元に戻し、その後多様な機能に発達させられるというものである。いわば細胞を初期化するもので、生物科学界において天動説から地動説に転換するという画期的な発見である。小保方氏は30歳で一躍時の人となり、将来のノーベル賞候補ともされていた。

 ところが、その論文中に使用されていた画像につき、一部修正が施されていたことと、他の画像が取り違えられていたことが指摘された。理化学研究所側は、急遽調査委員会を組織し、これらの点については、‘不正’、‘捏造’があったと公表し、また第三者を含めたSTAP細胞作成検証を行うことを明らかにした。そもそも、‘改ざん’とは他人が作成したものを、許可なく修正し、使用することであって、本人が作成する資料の一部を修正して使用することは‘改ざん’、には当たらない。但し、修正点は明示すべきであろう。

 これに対し、小保方氏は同研究所に不服申し立てをし、4月9日、記者会見も行った。同氏はSTAP細胞が存在することを明言した。調査委員会側は、検証上重要な‘研究ノート’は2冊しか無いとしていたが、小保方氏は記者会見で調査委に提出したのは2冊であり、他にもあるとした。要するに調査委は、十分な聞き取りも行わず、‘研究ノートは2冊しか無い’として虚偽の報告をし、ずさんな研究との印象を与えた。同調査委の考え方からすると、同調査委の報告は信用できないということになる。要するに、結論ありきの調査ではなかったのか。

 一部の専門家等が、この論文から‘誰でもSTAP細胞が作れるべきである’としているが、違和感がある。学説としては、「細胞に一定のストレスを加えると、万能性を有する細胞に転換する」こと、即ち一定の方法で細胞を初期化すること出来ることが示されていればよく、STAP細胞の「製造方法」まで記載されている必要は必ずしもない。「製造方法」が示されていれば、世界中の国で特許が取れてしまう。

 他方、同研究所のSTAP細胞作成検証チームには、著者の1であった同研究所の丹生プロジェクトリーダーが入っている。丹生氏は、記者会見で、小保方論文は取り下げ、‘更地にして作成検証を行う’とした。小保方論文の著者の一人であり、同研究所の研究テーマの上司であり、論文内容に共同責任がある。第一発見者の小保方氏の論文を取り下げ、STAP細胞を作れば、正式な発見者は理科学研究所となり、成果を同研究所が取り上げるということになる。理化学研究所の対応は、若い研究者を育てるということではないのか。

 研究論文に間違いがあることは決して望ましいことではないが、間違いが見つかったら訂正すれば良い。何故小保方氏を含め著者や指導官が集まり、点検の上、ネイチャー誌に訂正を申し入れなかったのか。間違いは誰にでもある。ましてや若手の研究者であり、それは本人も認めていることであり、論文の作成につき未熟な点はある。しかし論文の書き方という技術的なことに拘泥し、研究成果自体を否定する事があってはならない。

 こんなことをしていたら、STAP細胞の成果は他の国にもっていかれる恐れがあり、また小保方氏自身も海外に研究の場を移さざるを得なくなる可能性もある。小保方氏は、早急にSTAP細胞のつくり方や“レシピー”などについて特許を取得すべきであろう。

 日本人は、ブランド至上主義、地位や知名度に弱いと言われているが、無名の若い研究者や人材を育成するという重要性を忘れてはならない。(2014.04.10.)(All Rights Reserved.)

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北朝鮮は米韓共同軍事演習への対抗措置を画策か!? (その1)

2014-04-10 | Weblog

北朝鮮は米韓共同軍事演習への対抗措置を画策か!?         (その1)

 北朝鮮は、昨年12月、金正恩体制への反逆行為として張成沢国防副委員長を処刑するなど、その関係者、親族を粛清し、その後の動向が注目されていた。その中で1月16日、北朝鮮国防委員会は、南北朝鮮間に良好な環境を作り出すためとして、旧正月が始まる1月30日以前に相互に批判し挑発し合うことを止め、軍事的な行為を中止するよう提案すると共に、米韓両国の共同軍事演習の中止を訴えた。

 更に1月24日、北朝鮮国防委は、国防委委員長でもある金正恩第一書記の特別な指示として、祖国統一の新たな段階を開くため上記の提案に言及しつつ韓国当局ほか関係方面に宛てた公開書簡を公表した。

 韓国政府はこれを誠意あるものではないとして拒否したが、北朝鮮は池在中国大使が記者会見を行い、この提案は真摯なものであり支持するよう訴えた。中国当局からもプレッシャーが掛けられていることが伺える。

 その後北朝鮮は、韓国との南北離散家族再開事業を実施(2月20日から6日間)した他、日朝間においても、日朝赤十字会談(3月19日)や日朝政府間協議(3月30日、31日)を行うなど、融和姿勢を示す一方、短、中距離のミサイルの日本海向け発射などの示威行為を行い、硬軟両用の姿勢を示しており、その真意が注目されている。

 1、米韓合同軍事演習への反発をあらわにする北朝鮮の狙い

 このような北朝鮮側の米韓共同軍事演習の中止提案に対し、北朝鮮側が張成沢国防副委員長他の血の粛清後国際的に孤立化していることを受けての融和策、或いは経済的困難を回避するための和解姿勢など、ステレオタイプのコメントが多く聞かれた。

 無論そのような狙いがあることは否定するものではない。しかし上記の2度に渡る提案を読み進めると、具体的には次の2点を要求している。

 (1)   南北間に良好な環境を作り出すため、当面、米韓合同軍事演習(フオール・イーグル、及びキー・リゾルブ)を中止すること。

 (2)   北朝鮮としては‘朝鮮半島の非核化’を共通の目標と考えるが、朝鮮半島に‘第3国の核’を持ち込まないこと。北朝鮮の核は米国の核の抑止のためであり、自衛のためにほかならない。

 この要求から分かるように、北朝鮮の当面の狙いは2月下旬から実施されている米韓合同軍事演習の中止である。提案が北朝鮮の軍事委員会の名でなされていることも、軍事的な思惑からであることを物語っている。そもそももし北朝鮮側が、真に韓国側との融和を希望するのであれば、公式ルートを通じ静かに接触し、韓国側が対話に応じた時点で公表するであろう。

 米韓合同軍事演習は、長年に亘り実施されているもので、韓国内及びその周辺で行われる大規模な演習であるが、北朝鮮側はその都度最大級の批判を繰り返して来ている。国内的にも、TVや労働党機関紙その他で米国、及び韓国による北朝鮮侵略の準備であり、北朝鮮はそのような攻撃があれば南を焦土とするなどとして、過剰とも思える反応を行っている。2013年においても同様だ。

 2、北朝鮮の融和姿勢は本当か                       (その2に掲載)

 3、北朝鮮の真の狙いは核、ミサイル開発の促進?!         (その3に掲載)

 (2014.04.5.)(All Rights Reserved.)

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