TPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加を支持する (その3)
1、いずれにしても転換が迫られている日本農業 (その1で掲載)
2、医療分野など、個別分野への懸念 (その2で掲載)
3、環太平洋経済連携は中国、インドのバランサー
日本は、シンガポール、タイ、マレイシア、インドネシア、フィリピン、ブルネイと経済連携協定(EPA)を締結し、2国間の連携を維持している。しかしアジアには中国(人口13万人)、インド(人口12万人)という新興国家経済体が台頭しており、独自の巨大市場を形成しつつある。世界は、世界貿易機構(WTO)のもとでグローバルな関税引き下げ交渉を継続しているが、欧州連合(EU、人口4.9億人)、北米自由貿易取決め(NAFTA、人口4.6億人)や東南アジア諸国連合(ASEAN、人口5.8億人)などの地域グループが存在する。
日本とASEANとの地域グループが形成されれば、人口7.1億人の経済グループになる。しかし1990年代初頭に、マレイシアのマハテイール首相(当時)がASEANと日本などで形成する東アジア経済共同体(EAEC)構想を提案したところであるが、米国が入らないこのような構想に対し米国政府が強く難色を示し、日本政府はこれに同調し実現しなかった経緯がある。鳩山元首相が中国を含む東アジア共同体構想を表明したが、動いていない。中国は、国内総生産において世界第2の経済大国に成長したが、自由化や各種の国際基準などにおいて発展途上にあり、TPP交渉には参加しない趣である。他方中国は、ロシア、カザフスタン、キルギススタンなど6カ国との上海協力機構(人口15億人)を形成し、地域協力を模索している。このような中にあってTPPは経済自由化の促進を目的とする太平洋を取り巻く地域グループとしてバランサーとしての役割を持つことが期待される。
カナダは、2010年に交渉参加を表明したが、酪農品などの市場開放が不十分として参加を断られており、再度交渉参加を行う予定である。日本も交渉参加を表明しても受け入れられない可能性がある。しかし上記の理由などから、交渉参加を表明することが望まれる。(2011.10.20.)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
1、いずれにしても転換が迫られている日本農業 (その1で掲載)
2、医療分野など、個別分野への懸念 (その2で掲載)
3、環太平洋経済連携は中国、インドのバランサー
日本は、シンガポール、タイ、マレイシア、インドネシア、フィリピン、ブルネイと経済連携協定(EPA)を締結し、2国間の連携を維持している。しかしアジアには中国(人口13万人)、インド(人口12万人)という新興国家経済体が台頭しており、独自の巨大市場を形成しつつある。世界は、世界貿易機構(WTO)のもとでグローバルな関税引き下げ交渉を継続しているが、欧州連合(EU、人口4.9億人)、北米自由貿易取決め(NAFTA、人口4.6億人)や東南アジア諸国連合(ASEAN、人口5.8億人)などの地域グループが存在する。
日本とASEANとの地域グループが形成されれば、人口7.1億人の経済グループになる。しかし1990年代初頭に、マレイシアのマハテイール首相(当時)がASEANと日本などで形成する東アジア経済共同体(EAEC)構想を提案したところであるが、米国が入らないこのような構想に対し米国政府が強く難色を示し、日本政府はこれに同調し実現しなかった経緯がある。鳩山元首相が中国を含む東アジア共同体構想を表明したが、動いていない。中国は、国内総生産において世界第2の経済大国に成長したが、自由化や各種の国際基準などにおいて発展途上にあり、TPP交渉には参加しない趣である。他方中国は、ロシア、カザフスタン、キルギススタンなど6カ国との上海協力機構(人口15億人)を形成し、地域協力を模索している。このような中にあってTPPは経済自由化の促進を目的とする太平洋を取り巻く地域グループとしてバランサーとしての役割を持つことが期待される。
カナダは、2010年に交渉参加を表明したが、酪農品などの市場開放が不十分として参加を断られており、再度交渉参加を行う予定である。日本も交渉参加を表明しても受け入れられない可能性がある。しかし上記の理由などから、交渉参加を表明することが望まれる。(2011.10.20.)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)