「ちまちま」のゲーム日記。

現在は、シャープX1と、レトロPC&ゲームの記事が中心です。

PC-DR311の修理-その2

2018年03月17日 22時14分41秒 | レトロゲーム

PC-DR311の修理の続きです。

整備をして一度は読めるようになったものの全く安定していないご様子。
色々調整しても中々読む様にならない場合、どんどんドツボにハマって行きそうな感じですね。

しかし、まだ諦めきれないっ!


●ピンチローラーの修復を試みる
そこで、今後も必要になってくると思うので、元々付いている純正ピンチローラーの復活を試みます。
現在は代替えのピンチローラーが付いている状態です。

まずは一旦ゴム部分だけになるまで再び分解してみます。
ペンチで押し潰してみると、明らかにローラー面が硬化して亀裂が入っているのが分かります。
まずは、これを何とかしよう。


一応以前に色々調べた時に、ピンチローラーを清掃復活させる溶剤的な物で
とても評判が良い製品がありましてアメリカ製?で「S-721H」と言う品番らしいのですが、
輸入でしか買えない様で結構良い値段するんですよね。118mLで6500円とか...
結構刺激臭がある様なので、日本で買えない薬品が入ってるとかあるのでしょうか?
CZ-8RL1の様な高価な物ならまだしも、タダ同然のジャンク品に使うにはちょっと勿体ない気がするので、別の手で行きましょう。

まぁ、あとはひたすら削るしか無いんですけどね...
幸い、カセットを入れずに再生を押す事で、キャプスタンがピンチローラーを回してくれる為
そこにペーパーを当てれば削れて行くので楽と言えば楽。
なかなかのヒビだったので、取り貯めした夏目友人帳を見ながら削る事1時間...
最初にあった波打った感じが無くなり、硬いゴムが削られ柔らかいゴムが出てきた感じです。

さて、テストです。ゼビウスですがインフォメーションブロックは通過しました。
「ぬぐぐぅ、PCG定義前のチェックサムでダメだorz」
やはり硬化してしまったピンチローラーの修復は一筋縄には行かないらしい。


●ピンチローラー以外の原因も考えてみる

最初のピンチローラーでは全くロード出来ませんが、代替えローラーでは時々ロード出来るので
再び代替えピンチローラーに替えてチャレンジ。

再生速度や波形をDR320と見比べても大差はありません
強いて違いがあるとすれば、DR311は全体的にボリュームが大きく
只でさえ電源を入れただけでノイズが発生するこの機種では結構致命的なのかもしれません。

起動した時は何をするとロード出来る様になったか?

何度もボリュームを微調整しながらロードし易い位置を探った結果
「ボリュームをミリだけしか上げない...」ってのが、一番ロードし易いみたいです。
0でも1メモリでもダメ、気持ち動かす事でどうやらロード可能になるようです。
一度だけIPLの文字がバグった状態で通過したので、やはりノイズによる微妙なズレが生じているのでしょうか?

あとは再生速度の微調整で、ゼビウスのPCG定義までは高確率で通過する様になりました。
しかし、ステージデータで結構ミスる...

やはり音量がバカデカい感じで、音が割れてしまっている気がします。
ロード出来る時はボリューム0かそれに近い感じなのでボリュームスイッチが壊れているのでしょうか?
レベル0にしてもウルサイぐらいの大音量で、これが原因である可能性もあると思われます。


アンプが壊れて音量が出ないのは分かるけど、大きくなるのは何?


と言う訳で、1台では正常なのか異常なのか判断が付かない所まで来たので
追加でもう1台購入しました。こちらも格安なのでダメかもしれませんが....

長くなってきたので今までの過程を纏めておくと、
最初に購入したものはピンチローラーが歪んでいたのが原因で正常にロードできませんでした。
代替えローラーを付けてある程度は読むようになったものの完全に安定する所まで行きませんでした。
調整出来る所を色々調整しても症状が改善されず、現状で不具合が出ている所を見極める為に2台目を購入しました。
2台触ると色々と違いが見えて、X1マニアタイプ(CZ-800C)の時もそうでしたが割と簡単に悪い所が見つかるんですよね。

今回のデレコはめっちゃ汚い...
 
レストアのし甲斐はありますが、ちょっとは拭いて売りに出せば値段付くかもしれないのに大きなお世話でしょうか?
と思ったら、この汚れが結構頑固でした。
しかし、ジャンカーに落とせない汚れはないっ!(たまに塗装まで剥がしてしまいますが...)

初期掃除で10分ほどザッと掃除して、何とか普通の中古レベルまでマシになりました。

この分だと中が心配w

どうせバラすならケース丸洗いした方が早いです。
まぁバラす行程がドロドロだと滅入るので粗拭きは必要な手順。

中身を軽くみてみると、ベルトも掛かってるしコンデンサの漏れも無さそうだし
予想に反して、状態は結構良い気がしないでもない。
 
少し動作テストしてみましょう。
前回の機体で気になってた「ボリュームが0でもウルサイ」検証。

結果:音量0で音は出ない!!つまり1台目はボリューム廻りが故障してる!!

なんてこったいorz
必死に頑張ってた1台目ですが、そりゃ中々読まないわな...


●1台目のボリューム廻りを調べる
色々比べる為に、2台目はバラバラ状態で待機。

アンプの故障とか疑っても解析能力の無い自分には判断が付かないので
まずは簡単なボリュームの可変抵抗をテスト。

端子が3本あって、0側~中央~MAX側で中央を起点に計測してみると
正常な2台目の方は0Ω~10kΩ、MAX側も同じく0Ω~10kΩ
1台目のウルサイ方は4kΩ~14kΩ、MAX側は500Ω~14kΩ...orz

そらウルサイはなw
0付近でも常に1/4ぐらいレバーを上げた音量で鳴っている事になります。

さて、スライド可変抵抗で同じのを探すのは大変なので、今回もスイッチ分解修理を試みます。


分解して、バネを強くして、金属接点を磨いて、接点グリスを塗って組み直してみます。

ん~このままの状態で計っても変わらず...むむぅ...

何がダメなのかテスターを当てながら色々触っていると
写真赤丸の端子を押さえると若干抵抗値が下がる気がする...
 
裏側がリベット止め見たいになってるんですよね。
試しにハンダが乗らないか当ててみるもバリアに弾かれます。

小ボリューム側の端子はホボ導通が無い感じで
大ボリューム側は完全に0までは行きませんが500Ωぐらいまで下がるので
端子と内部抵抗部分の接触不良が故障の原因である可能性が高いです。

色々試行錯誤してみるも、どうやっても抵抗値を下げる事が出来ず...
もうこのスイッチの復活は難しそうです。

どの道このままでは使えないので、スイッチを裏返す改造を施します。
ボリューム0にすれば500Ωなので多少はマシなはず?
これでどうなるかのテスト。
  
見ため的にはギリギリのライン。足の位置変更はコレしか方法が思い浮かびませんでした。

  
何とか音量調整出来る様になった事で色々起動するようにはなりました。

 
別の日にテストしてみても問題なさそうですが、音量設定が完全では無いので100%ロード可能かは微妙な所ですね。



●まとめ

かなりダラダラの長い記事を見て頂き、ありがとう御座いました。
初期状態からある程度は覚悟していましたが、ここまで”ごてる”とは思いませんでしたね。


今回の教訓-その1:ピンチローラーの修復には限界がある!!

表面の硬化は削れば何とかなるかもしれませんが
ヘッドが上がったまま放置されて段差が出来たり、円形自体が崩れてしまって楕円になっている物は修復不可能な確率が高いです。
後半でロード出来ている分は、代替えのピンチローラーでのロードです。

メモ当時の自分ではこれ以上の事は出来ませんでしたが
今の自分のレベルで修正出来ないか、再びピンチローラーの修復にチャレンジしてみました。
どうも土台のローラーのプラスチックが欠け一部が盛り上がってキレイに回転していなかった可能性が浮上。
なので、土台を少し削りました。(修正後の写真は無かった...)



ピンチローラー側も深いヒビが入った状態なので削り直します。
ヒビがかなり深く、いつものサンドペーパー方式では半日以上かかりそうだったので
カッターナイフでゴリゴリ削ってみる事にしました。
 
ヒビが無くなるまでガッツリ削ったので、クズが凄い...

ヒビが大体消えたのですが、真っ直ぐ削れてないみたいで実際にテープを回しても巻き込んでしまいます。
これはもう実際にやって経験値を上げるしか無いと判断して追加でカッターナイフでゴリゴリゴリ...
 
仕上げは目の細かいサンドペーパーで気持ち程度の整地。

既にワカメと化したテープを回してみても、巻き込む気配は無し。

早速削ったピンチローラーでロードテストしてみました。
いつもの、テスト3兄弟「JODAN-DOS」「ゼビウス」「ばってんタヌキ」が無事に一発起動。
  
と言うか、毎回同じ画面だから本当に分からなくなりそう...ロードが頃合いのゲームって案外少ないんですよね。

タララタッタッタン♪
「ちまちま は、” ピンチローラー削り(中級) ” を覚えた」

なかなか良いスキルを覚えましたよ。
結構ピンチローラーがガタガタな個体は多いので、この技は今後も凄く使える気がします。


今回の教訓-その2:スライド式のボリュームは色々とヤヴァイ!!

これがかなり曲者だったようで、リベット部分の接触抵抗が増えてしまっては、もうお手上げ状態。
たとえ物理的な故障であっても特殊な組付けの物は修理出来ないですね。
このタイプの可変抵抗の使い方は、劣化による故障を考慮して最近では使われる事は無い様です。
そりゃ普通のオーディオでこの故障が起こったら、爆音で鼓膜破壊まで行きますから危険過ぎます...


デレコの機械部品で重要な要素は「回転速度」「ピンチローラー」「アジマス」
このうちのドレか一つでも劣化や狂ってたりしているとプログラムが走りません。

アジマスはネジが固定されている事が多く、そうそう狂う事はありませんが
ピンチローラーはゴムの為に硬化や変形し易いですし、
モーターの回転速度の調整はモーター内の可変抵抗で行っているので
経年劣化によって内部抵抗値が変化して、回転速度が変わってしまう事がある様です。

モーターの可変抵抗の劣化の場合は一旦は調整しても、また抵抗値が変化すると微妙なズレが発生してしまうので
劣化したモーターはマメに速度確認をする必要があり大変そうですね。

特に安価な音楽テープデッキなどは回転速度に意外とルーズで速度がマチマチです。
何台か見てますが30年経ってもベルトの交換のみで読めるシャープX1シリーズのデレコが凄いのは、
この「モーターの回転速度が狂わないから」なのかもしれませんね。

また、RQ-8100やMR-33DRの様な、モーターや基盤に速度調整用の可変抵抗を持たない機体もあり
ベルトの状態によって微妙に速度が変化してしまう様なので、良い事ばかりではありませんが
可変抵抗の経年による速度変化が起こり難い為、中古で買う場合は意外とオススメなのかもしれません。


やはり同じ機体を2台ぐらい整備しないと、色々分からない事だらけですね。
レアものは1台買うのもそれなりの出費なので、なかなか厳しいです。

ボリュームスイッチの改造とピンチローラーの修復を行ってから6連続でロード出来ているので
修理出来たと言っちゃいたい所ですが、やはりスイッチを交換するまで修理完了とは言えないと思います。
今回はボリュームスイッチのパーツが無くて、完全に修理する事は出来ませんでしたが
ジャンクで似たようなスイッチがあったら交換にチャレンジしてみたいです。
色々故障探求して行く過程も楽しいので、デレコ修理はまたチャレンジしてみたいと思いました。


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2 コメント

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Unknown (たんぼ)
2020-01-28 13:34:11
大変興味深く読ませていただきました。この機種には手を出さない方が良いなと感じました。ちまちま様、さすがです。
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Unknown (ちまちま)
2020-01-28 19:58:36
いえ、単に自分の引きが弱いだけなのですよw 修理出来ない個所があると、パーツ取りするしか無いですからねぇ。
返信する

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