ツーリングお知らせ板

バイクとキャンプとご飯のひとりごとです。

F800Sについて色々と

2021年07月09日 | F800S

F800Sはリラックスできるバイクだった。ふらっと走ろうかな?と思うと、いつでも走りにいける気軽さがあった。

セパレートハンドルとはいえ、身体が起きたライディングポジションは視界の良さとリラックスした姿勢をサポートしてくれる。フカフカなシートは乗り心地の良さと適度な腰を備えていて、コーナリング時にもしっかり尻をサポートしながら、地面の様子を身体に伝えてくれる。F800Sのシートは海外版に換装していたのでシート高が少々上がっていた。何センチ上がっていたのかは忘れたが、良いシートだった。

リアサスペンションはオーリンズに換装していた。オーリンズは伸びとプリロード油圧調整はあったが、圧調整がなかった。シビアに調整するようなバイクではないので圧調整がないくらいはまあいいかという気持ち。それより、二人乗りやキャンプ等もしていたためプリロード油圧調整が便利で良かった。赤い車体に黄色いスプリングのオーリンズは見栄えが良かった。

エンジン特性はフラット。回したときに飛行機のプロペラが近くにあるとこのような音になるのかな?と思う回転域があった。レッドゾーン近くまで回していたような気がする。トルクフルではあるのだろうが、トルクをあまり感じさせない。エンジンも回るが、回してもパワーを感じさせない。それでいて、意外と速い。不思議なエンジンの感覚であった。
エンジンの回し方のタイミングとでもいうのか?エンジンが要求するタイミングに合わせてアクセルを捻らないと、不協和音的なノイズを付加し、エンジンの回りっぷりが悪くなる。エンジンが要求するタイミングに合わせてアクセルを捻ると、不思議とスムースで静かな綺麗な回り方をするエンジンだった。思うに、このエンジンの味は慣性バランサーウェイトが大きくかかわっているのではないかと思う。慣性バランサーウェイトの動きはもちろん読めないが、なんとなく慣性バランサーウェイトの動きを意識するとエンジンが気持ちよく回ってくれていた気がする。

F800Sは、並列ツインエンジンながら360度クランクというから面白い。仮想単気筒エンジンとはこのことか?クランクを介して2つのピストンが同タイミングで上下しているわけである。約800ccのビッグピストン単気筒をイメージしつつ走るのが良さそう、だが、このエンジンには慣性バランサーウェイトがある。この組み合わせがF800Sを個性的な並列ツインエンジンにしているのではないかと思う。慣性バランサーウェイトの位置はピストンの位置に対して約90度の角度をもったコンロッドを経由してその先にブラブラ(?)している。詳しい動作は不明だが、慣性バランサーウェイトをもう一つのピストンととらえるとドカティのL字のツインエンジンを前後逆にして搭載しているようにも見える。おおらかに回るF800Sのエンジンは、ピストンの動きと慣性バランサーウェイトの動きによるところが大きいのではないか。



車体デザインは今でこそ古さを感じさせるが、フロントが大きくリアが小さめなフォルムは今のデザインに近い気がする。ヘッドライトデザインとマフラーのデザインを現代風にアレンジすることで今でも充分通用するレトロ新しいデザインではないかと思う。車体を上から眺めても横から眺めても起伏に富んだなまめかしいシルエットを楽しめる。ハーフカウルであることもF800Sでは大変な美点で、エンジンを鑑賞することができ、スポーティな雰囲気を漂わせるのに素晴らしく貢献していた。ツーリング帰宅後に椅子に座りビールを片手にF800Sを眺めていたものである。

マフラー交換は車体の軽量化に大きく貢献する。スリップオンマフラーに交換していたが、これでも車体の押し引き、コーナリングの軽やかさに大変貢献してくれた。マフラー交換はお勧めである。フルエキゾーストに交換するとスリップオン交換時よりも軽くなるため軽量化の効果はてきめんだろう。ノーマルではおとなしい(これがツーリングや街乗りにはとても都合がよく気持ちよい)排気音がマフラー交換により、アイドリング時に低音が割り増しされて、走りだせばレーシーっぽい(そこまで大きくない)気分になる。特にコーナリング時の左右の切り替えしに効果を感じたため、最後までフルエキゾースト交換を悩んだものである。ABSの件がありその気持ちは萎えてしまうのだが。低速時はトルクが薄くなってしまうため、インナーサイレンサーをマフラーの付け根部分に仕込んでいた。これも効果を体感できる良いパーツであったことを付け加えておく。

フロントのアンダーブラケットについているのはステアリングダンパー。これがF800Sのハンドリングを悪化させるとともに美点でもある。非常に重い動きのため、コーナリング初期ではハンドル操作を付け加えることでようやく向き変えできる。セルフステアに頼ると欲しいタイミングのワンテンポもツーテンポも動作が遅れる。コーナリング旋回時はびたーっつと張り付いたような旋回性を見せるのもステアリングダンパーではないかと思う。コーナリングを積極的に楽しみたい向きにはオーリンズのステアリングダンパーに交換し、設定は最弱をお勧めする。ステアリングダンパーを外すことありかと思うが、ステアリングダンパーが無いと節度のない軽さになるため、もともとステアリングダンパー前提でバランスしている車体なのではと思ってしまった。また、二人乗りやキャンプなどでの積載物がリアにある場合、極端にフロントが軽くなる。その対策としてのステアリングダンパーとも思うため、できるだけステアリングダンパーを装着しておくことが安全のために良いと思う。オーリンズのステアリングダンパーはストローク63ミリのもので充分まかなえ、スポーティな走りを味わうことが可能。

ひとつ難を言わせてもらえれば、、、ABSである。ABSの味付けが自分に合わず難儀した。例えばリア。リアは自分の感覚で多少なりとも強く踏むと即ABSが効く。うーん?ロックしてないんだけどなあ?フロント、フルブレーキング時のギャップに対し、即ABSが効く。ギャップで跳ねることでABSが効くのは、どのABSにも言えるだろうが、ABS介入度合いが強く空走距離が長い。峠でよくあるシチュエーションなため、F800Sで走り込むにつれフロントABSが怖くなり、コーナリング手前の突っ込んだブレーキングができなくなってしまっていた。ABSをキャンセルするのが良さそうだが、そこまで走りに注力するオートバイでもない。ABSが合わなかった。。。いつしか、他のバイクを探すようになってしまっていた。

F800Sを特集していたこのサイトが一番面白かった。BMWBIKESという雑誌にも同じ写真やコメントが使われていた。お勧めサイト。
https://www.virginbmw.com/technical/technical03/tc03-01/



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