

宮沢賢治に詳しい方はご存知だと思いますが,
盛一には賢治縁の男子寮“自彊寮”というのがあります。
もう数年前のことになってしまいましたが,
長男が3年間お世話になりました。
自彊量には私も息子も入ってみるまでは知り得なかった
昔から受け継がれた儀式がいくつもありまして,
新入生にとっては恐ろしいものでした。
宿直の先生の寝込みを襲い顔に墨を付けて来るといった可愛いものから
一人ずつギシギシ鳴らさずに廊下を歩かされて少しでも音を立てると
何度でもやり直させられるといった先輩達の厳しい指導があったりと
その他にも数々の試練があったことを息子は今懐かしそうに教えてくれます。
最初の1年間は怯えながら過ごしたようです。
なによりも驚いたのはその寮の古さで
寮生達に踏まれて磨り減った階段や,隙間だらけの窓(ほとんど暖房の効果なし)
壁一面に書かれた歴代の寮生達の落書き
昭和4O年O月X日入寮 OO中学出身 とか
ジョンレノン死すとかその時代に起きた事件など,,,
当時住んでいた住人の息遣いまで感じられてきます。
いつも私達が訪れるたびに帰る際
見えなくなるまで心細そうに見送っていた息子の姿を思い出す度
目頭が熱くなります。
昨年夏,息子が差し入れを持って寮を訪れたところ
たった3名の名前しかボードに書かれていなかったのを聞いて
この伝統ある儀式や自彊寮はどうなってしまうのかなあと案じています。
こんなところにも少子化の波が打ち寄せているのでしょうか

祝盛岡第一高校130周年
ティッシュ de ふらわ~作品


