A君「あの~さきは寝つきが悪くて中々寝ないんだけど、さっき何したの?」
Bさん「そう!いつも寝かしつけるのに大変で毎回帰るときは泣かれてしまうんです」
自分「だから、魔法だよ(笑)」
A君「その魔法ってなんなのさ?」
自分「そうカリカリしないって(笑)」
「魔法は信じる心にしか効き目が無いんだから、
理論理屈が聞きたいんじゃないでしょ?」
「さて、本題に入ろうか!」
「さきちゃんは自分の病気の事は詳しくは知らないんだよね?」
Bさん「はい、さきはまだ幼いので話すべきではないし、
話したところで理解できないと思うので・・・」
自分「なら、親の顔色で自分の病気の現状を判断するしかないわけだ!」
ギクッとした表情!
自分「キツいこと言うけど、子供に隠して幸せな家庭を演じようとしているうちに子供にその心を見透かされていない?」
談話室に何とも言えない静寂が漂う
A君、Bさん「確かに、私たち夫婦はあまり仲は良くないかもしれません、でも、子供を助けたいんです。子供の前だけは、幸せな家族でいようとしているんです!」
涙ながらに語り出す夫婦の心は今にも崩れ落ちそうで、これまでどんなに辛く、苦しいかを容易に想像できた。
自分「なら、君たちはさきちゃんの病気を子供の中の病気と認識している?それとも、病気の中の子供って認識している?」
A君、Bさん「え?どういう事?」
自分「そのままの意味だよ?
①大きい丸をさきちゃんとしてその中に小さな丸を病気とするか
②大きな丸を病気にして小さな丸をさきちゃんにするかって話!」
A君、Bさん「それが何の関係が?」
自分「俺は、それが病気が治らない原因やと思ってる!」
A君、Bさん「それは、もちろんさきの中の・・・」
言葉を言いかけ、はっとした感じで言葉につまる両親
そう、彼らは、子供を見ているようで見ていない
子供の中の病気ばかりを気にして、悪いところばかり治そうとして
子供自身の存在よりも子供の中の病気の存在の方がいつのまにか大きくなってしまっているのだ!
自分「そう、いつのまにか何をするにも病気の心配ばかりしてたんじゃない?
いつのまにか、子供自身の事よりも病気を中心にする生活になってきて、病気に力ばかり与えていない?
子供は純粋だからそういうところすぐ見抜いちゃうよ?見抜いて自分がどういう立ち位置で居たらいいのか無意識に演じさせていない?」
これはこの家族だけの話ではなく、病人を持つ全ての家族にも言えることなのかもしれない
病名を医師から告げられた瞬間からその人とその家族は病気という厄介者であるはずの存在を生活の中心に置いてしまう
腫れ物が落ちたような二人に今後のアドバイスをしてさきちゃんの寝ている病室へと戻った
スヤスヤと寝息をたてる寝顔はとても愛くるしくて、それを見守る両親の顔つきは不安や恐れを顔には出さないようにしていた先程とは別人のようだった。
病気に苦しめられるのは本人ももちろんだが、その家族も苦しめてしまう。
だが、どんなに悲惨な病気でも病気を中心に置きさえしなければ、その病気は力を失い、やがて消えていくものだと思う
病気に限った事でもなく、何かを中心に置きさえしなければそれに苦しめられたり悩まされたりしないで済むはずなのにどうしても何かを置いてしまうそんな時は、
置いてしまっている自分に気づくことから始めてほしい(^-^)