こんばんわ。
必ず行政書士と司法書士事務所を開設する千葉県茂原市茂原市在住の山本 徹です。
今日、相殺の過去問を2周目学習としてしたのですが、全く分かっていません「悔しい、腹立つ、情けな~い、しっかり復習するしよう、でもわかるかなぁ~。」といった色んな複雑な感情が湧いています。
・ブログを使っての復習です。
(相殺の要件等)
第505条 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2項 前項の規定にかかわらず、当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる。
第 506 条 相殺は当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。
一 悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務
二 人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務(前号に掲げるものを除く。)
(履行地の異なる債務の相殺)
第 507 条 相殺は、双方の債務の履行地が異なるときであっても、することができる。この場合において、相殺をする当事者は、相手方に対し、これによって生じた損害を賠償しなければならない。
(時効により消滅した債権を自働債権とする相殺)
第508条 時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる。
(不法行為等により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止)
第 509 条 次に掲げる債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。ただし、その債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときは、この限りでない。
一 悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務
二 人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務(前号に掲げるものを除く。)
(差押えを受けた債権を受働債権とする相殺の禁止)
第511条 差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。
2 前項の規定にかかわらず、差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは、その第三債務者は、その債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができる。ただし、第三債務者が差押え後に他人の債権
を取得したときは、この限りでない。
(相殺の充当)
第512条 債権者が債務者に対して有する一個又は数個の債権と、債権者が債務者に対して負担する一個又は数個の債務について、債権者が相殺の意思表示をした場合において、当事者が別段の合意をしなかったときは、債権者の有する債権と
その負担する債務は、相殺に適するようになった時期の順序に従って、その対当額について相殺によって消滅する。
2項 前項の場合において、相殺をする債権者の有する債権がその負担する債務の全部を消滅させるのに足りないときであって、当事者が別段の合意をしなかったときは、次に掲げるところによる。
一 債権者が数個の債務を負担するとき(次号に規定する場合を除く。)は、第488条第4項第2号から第4号までの規定を準用する。
二 債権者が負担する一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべきときは、第489条の規定を準用する。この場合において、同条第2項中「前条」とあるのは,「前条第4項第2号から第4号まで」と読み替えるものとする。
3項 第1項の場合において、相殺をする債権者の負担する債務がその有する債権の全部を消滅させるのに足りないときは、前項の規定を準用する。
第512条の2 債権者が債務者に対して有する債権に、一個の債権の弁済として数個の給付をすべきものがある場合における相殺については、前条の規定を準用する。債権者が債務者に対して負担する債務に、一個の債務の弁済として数個の給
付をすべきものがある場合における相殺についても、同様とする。
(更改)
第513条 当事者が従前の債務に代えて、新たな債務であって次に掲げるものを発生させる契約をしたときは、従前の債務は,更改によって消滅する。
一 従前の給付の内容について重要な変更をするもの
二 従前の債務者が第三者と交替するもの
三 従前の債権者が第三者と交替するもの
(債務者の交替による更改)
第514条 債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。この場合において、更改は、債権者が更改前の債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる。
2項 債務者の交替による更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得しない。
(債権者の交替による更改)
第515条 債権者の交替による更改は、更改前の債権者、更改後に債権者となる者及び債務者の契約によってすることができる。
2項 債権者の交替による更改は、確定日付のある証書によってしなければ、第三者に対抗することができない。
(更改後の債務への担保の移転)
第518条 債権者(債権者の交替による更改にあっては、更改前の債権者)は、更改前の債務の目的の限度において、その債務の担保として設定された質権又は抵当権を更改後の債務に移すことができる。ただし、第三者がこれを設定した場合
には、その承諾を得なければならない。
2項 前項の質権又は抵当権の移転は、あらかじめ又は同時に更改の相手方(債権者の交替による更改にあっては、債務者)に対してする意思表示によってしなければならない。
・実際に相殺適状にあり、かつ、相殺禁止に当たらないことが必要。(将来発生する債務に対する相殺:✖)
・自働債権は、原則として、相殺者自身が被相殺者に対して有する債権であることを要する。⇒ 相手方の第三者に対する債権を受働債権として、自己の相手方に対する債権で相殺は、できない。(理由:相殺の担保的機能をからすれば、債務者が債権者に対して有する債権の担保を第三者に消滅させられてしまうの妥当とはいえない。)
・債権が弁済期にあること。⇒自働債権は、相手方の期限の利益を一方的に奪うことはできないから、常に弁済期にあることを要する。受働債権は、相殺者は原則として期限の利益を放棄できるので、弁済期が未到来でも、相殺ができる。
1)自働債権について期限の定めがないときは、いつでも履行を請求できるから、直ちに相殺できる(大判昭8.9.8)
・ 両債権が性質上相殺を許さないものでないこと。
(1) 現実に履行をしなければ意味のないもの ex. なす債務(例えば、働くとか、何かを作るとか、楽器の演奏をする とか、債務者自体の行為が給付の内容になっていることがある。 これを「な す債務」という。)、不作為債務(金銭銭支払いを求めない債務や裁判を起こさない債務など何も行動を起こさないことが内容となった債務)
(2) 抗弁権の付着した債権 :自働債権に抗弁権(同時履行の抗弁権,催告・検索の抗弁権)が付着している場合、相手方の抗弁権を奪うことになるため相殺ができない。⇒自己の反対債務の履の提供をして、債務者の同時履行の抗弁権を消滅させることができる。
・相殺の禁止
①当事者は、相殺を禁止することができる。ただし、善意・無重過失の第三者には相殺禁止を対抗できない。
② 不法行為債権を受働債権とする相殺の禁止:不法行為の被害者に対して、現実の弁済により損害のてん補を受けさせるとともに、不法行為の誘発を防止するために、悪意の不法行為による損害賠償請求権を受働債権とする相殺を禁止した。しかし、不法行為により生じた債権であっても、過失による物的損害に基づく損害賠償債権のような場合は相殺できる。
人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権は、不法行為に基づくものに限らず債務不履行に基づくものであっても、これを受働債権とする相殺を禁止した。被害者に現実に弁済を受けさせてその保護を図る必要性は、不法行為に基づく損害賠償請求権と同様に認められるからである。
1) 被害者側からの相殺,すなわち、不法行為に基づく損害賠償債権を自働債権とし、不法行為による損害賠償債権以外の債権を受働債権とする相殺は許される(最判昭 42.11.30)。この場合は、不法行為を誘発するということはない。
2) 自働債権と受働債権が共に悪意の不法行為によって生じたものであるときには、相殺は許されない。
3) 相殺契約によって不法行為による損害賠償請求権を受働債権とする相殺をすることは許される(大判大元.12.16)
なお、その債務に係る債権が他人に譲渡された場合は、被害者保護を図る必要がなくなることから、相殺は禁止されない(509 条柱書ただし書)。
・更改契約の解除
新債務の不履行を理由とする更改契約の解除は可能。(大判昭3.3.10)更改も1つの契約であるから、契約解除の一般原則により更改契約を解除できる。 新旧両債務が当事者間にのみ存した場合には旧債務が復活するが(大判昭3.3.10)、旧債務が新債務の当事者以外との間に存した場合は、旧債務は復活しない(大判大5.5.8)。