(今日士幌の現場から撮影)
昨日も十勝管外、天気がいまいちのようなので、こうなったら「ここ行くしかないでしょ!」ってことで行ってきました。
「十勝幌尻岳 1846m」
最終民家除雪地点から出発。夜に10cmほどの降雪。出発時には星が出て晴れていた。なにやら良さげな予感。
駐車地点には車が一台。しかし雪が被っている。前日からの出発か?ナンバーは富山?はてはて?
この日から「オスプレー キャンバー32」
先行者のトレースもほぼ埋まってる。踝ラッセル。やはりここも災害でやられている。夏はしばらく厳しいだろう。北日高の十勝側から登る山はしばらく冬にしか登れないかもしれない。
トレースのおかげで、災害場所の渡渉や回避は楽だった。先行者はオピリネップ林道には入らず、まだ先に進んでいた。戸蔦別ヒュッテにでも泊まっているのだろうか?
かすかに残るトレースはpakuminとDELTAFOXのものだろうか?
他にもここへ来た人がいるのだろうか?
ここからはほんとの林道ラッセルだ。すでに脛まである。帰りを考え登山口まで行きその後小尾根に取り付くつもりだったが、登山口近くで林道全面が洗掘されている。山側に回避しようと思ったが、疎林のその小尾根を詰めて行くことにした。
この頃はまだ天気を期待してた
先週の伏美岳と違いここは雪が多い。そして柔らかい。尾根の3分の1は脛ラッセル、強引に直登できたがその上は雪が多く膝ラッセル。吹きだまり系は腰ラッセル。そのほとんどが柔らかいためジグを切っても少しでも板が上を向くと板の先が雪から上がってこない。「いや~ しんどい!」大幅に時間と体力が奪われる。今日のBCは当たりのようだが、本当にピークまで行けるのか心配になってくる。刻々と時間が経つが全然進まない。心が折れそうになる。
「この尾根だけでもいいか!」
「ここだけでも相当いいぞ!」
と自分をごまかそうとしている・・・
とにかく悪戦苦闘の末なんとか尾根上に出る。地図上では1224。しばらく尾根を進み、1472付近からはピークまで果てしなく雪庇が続く。
怪しげなところもある。そしてかなりうねってる。先はまだ遠い・・・
「どうする俺?大丈夫か?」
時間が押し迫ってる。今日も甘く考えてた。昼までには到底着かない。この頃にはピークには強風で次から次へと雲が流れ込み、ピーク自体が真っ白く覆われる時もある。
「ここから沢に落とすか?」
「いやいや、ここまで来たんだ、雪庇を走破してピークから落とそう!」
またまた自分の中で葛藤が始める。天気はいまいちになったが、危険を感じるほどではない。帰りが遅くなってもなんとかピークから落とすことにする。
うねっている雪庇を1つ1つ越えていく。どう見ても危なそうなところは尾根側に回るが、板をのせたとたん1度雪庇が落ちた。ビックリして尾根側に飛び上がりひっくり返った。板と板がからまって立てない。ビンディングを外して立ち上がる。ピークに近づくほど雪庇下の斜面が急になる。ビビってしまい雪庇の上を歩けない。最後はシートラにしてピークにやっとの思いで立った。
今日も強風で眺望はない。
晴れ予報だが今週も同じ。晴れてはいない。時より日が射す程度。今日月曜日は超快晴だ。現場からも「カチポロ」がきれいに見える。北日高の山々が手に取るように見える。先週も同じ月曜日はいい天気。
「何で1日ズレないかなぁ…」
とうに昼は越えてしまった。
ピーク直下からドロップイン、雪庇を回り込んで板を落とす。視界はあるものの、雪面はわからない。何ターンかしたら雪が顔に飛んでくる。思ったとおり雪は深い。「最高!」苦労して来たかいがあった!
だがっ!だがっ!
雪が舞い上がり過ぎて前が見えないどころか、呼吸が苦しくなる。おまけに口に雪は入るわ、周りが見えなくなり、バランスがとれなくなる。最高のパウダーを滑っているのに、まるでホワイトアウトの中を滑っているみたいだ。
行ける所まで行く!
途中斜度がなくなってくると、板が沈んでいく。だんだんと雪が重くなりターンをすると失速しそうだ。最後はちょっかって下りていく。
河床に下りる手前まで滑り下りた。
高度差 960m
河床まで下りると渡渉も大変だが、林道に合流するのも厳しそうなので、一旦小尾根を登りトラバって河床に下りないように高度を下げていく。
夢のようなライディングの後は、下りでもラッセルだ・・・
とほっ!!!
登山口まで出て、林道を帰ってきた。
登山口は無事だったようだ
車に着いたら暗くなっていた・・・
これで2月のBCは終了。
結局2月は十勝管内から出なかった。
来月は峠を越えてのBCに期待したい!!!
それでは
動画です
またまた,ロングコース,しかも,激ラッセル! ご苦労様でした
激パウダーを味わうには,激ラッセルするしかないものね
私も十勝幌尻岳はねらっていたんですが,雪の深い時期には無理かな~
春の雪が締まった時期に考えたいと思います
しかし,このブログを見て,途中まで偵察に行ってみるということもありかと思いました
1224あたりからだと,滑り降りる斜面としてはどうでしょうか
よさそうな斜面はありましたか?
良さげな斜面があれば,残雪期前にも,偵察に行ってみたいと思います
※最近,BCでの事故も時々,報道されています
くれぐれも雪庇踏み抜きなどには注意しましょう
では,また
激ラッセルにやられましたが、ピークからの滑走は激パウダーでした。もう少し天気が良ければ言うことなしでした。
1224に上がる小尾根はそこそこ斜度もあり上部と下部は疎林です。中間部は一部木が密になりますが藪というわけではありませんでした。過度に飛ばさなければ十分滑走可能です。
やはりピーク近くにならないと滑れそうな斜面は少なそうです。
hIdekinさんも色々なところに行かれて、とっても参考になってます。いよいよ3月になりますね。残り少ないパウダーシーズン狙って行きましょう!
それではお気をつけて!