昨日はどこも天気が微妙なので、近場の日勝に行くことに。
強風予報だが、視界があれば久々に「沙流岳」に行って見ようと思った。BC復帰後になぜかここには行っていない・・・
峠を登って行くとやはり強風・・・国道から上は白く、上部はほぼ見えない。
「やっぱりか!・・・」
珍しく十勝側の国道も圧雪アイスバーン。トレーラーがチェーンを付けていた。
日勝トンネルP帯でしばらく様子を見たが、強風は変わらない。日勝ピークも中腹から上は見えない。また疎林だけ滑ろうかとも思ったが、強風時には自分の中で決めている場所がある。そちらに移動。
日勝ピークも労山も実際には日高側。十勝側は稜線の東側になるためにいくらか風当たりは弱くなる。おまけに標高も下がるので視界が効くこともある。それでもダメな場合は清泉覆道下という選択もある。
清泉覆道の下り側には車は入れなかったため、石山トンネルの下り側に車を停めた。
ここからでもいくつもの斜面が滑れる。距離はないがお手軽BCになる。ただし、藪覚悟だが・・・
久々に1359に行って見ることにした。
ここは石山トンネルの登り側出口から沢を登るのと、石山トンネルの上を登り稜線越しに1359に行く方法がある。また1359は熊見トンネルの下側から取り付くこともできる。
上部がやはり微妙なため沢から行くことにした。
下り側石山トンネルを歩いて渡り、注意して道路を横断して、沢に下りる。
ここは数年前の災害時に決壊した場所だ。災害後は初めて来たことになる。沢筋は荒れているようだ。災害前のようなきれいなシュートにはなっていなかった。
だが雪はめちゃめちゃ深かった。
1359からの沢筋に取り付こうとしたが、地形が変わったようだ。本流沢がかなり掘れてしまったようで、取り付きがめっちゃ急になっていた。取り付いてしまえば前とあまり変わらないように感じた。比較的急斜面をジグを切って登って行く。
比較的オープン気味の斜面がカーブしていくと1359がチラッと見えるのだが、この日は見えたり見えなかったりだ。とりあえず視界の効くところまで行くことに。視界が効かないことには1359直下も本流沢を上部からも落とすことはできない。
次期に雪が割れだした。この時点では積雪は一定してないが深いところは30㎝はある。オープンを避け疎林に逃げることにした。
雪の薄いところを通り疎林に足を踏み入れると、吹きだまっているのだろう40~50㎝はある場所を通り過ぎようと思った時、2mぐらい上の雪が割れたのがわかった瞬間、自分自身が流されていた。雪崩に巻き込まれた。
前兆もなしにいきなりだった。どうすることもできない。体はどうなっているのかわからないぐらいに、もてあそばれているようだ。ポールはすぐに手放しゴロゴロ流されるが足が骨折しないように無理に踏ん張ることを止め流されるまま落ちて行った。
窒息する危険はないような気がしたが、けがは免れないような気がした。足さえ折らなければ帰還できるとそれだけ祈った。頭の中は滑落した時の光景がフラッシュバックしていた。
たぶん10秒ちょいのことだったのかもしれないが、物凄く長い時間に感じた。
すると、体に物凄い衝撃が走った。
体は止まったが、雪が体を押し付けながら流れていった。雪の流れも収まり視界が出てきたときに、木にぶつかって止まったのがやっとわかった。パニックと恐怖のためか呼吸が荒い。流されている途中は呼吸ができていたのかもわからない。
正気に戻るとわき腹と大腿骨が痛いのがやっとわかった。あとはそうでもないこともわかった。しばらくそのままの体勢で呼吸を整えた。とにかく早く落ち着くこと。起きてしまったことはもうどうしようもない。そのあとにどうしたらいいのかが重要。
幾度も危険な場面を経験している。とにかく重要なのは呼吸を整えて冷静になって、対処を考えること。
足は折れていない。板同士は絡んでいたが足を引き寄せ、体を起こしてみる。わき腹と大腿骨は痛いが、起き上がることができた。 大丈夫! 帰れる!
持ち物を確認。帰るための物はある。板も大丈夫。ビンディングも壊れていない。ザックも確認。ザックも大丈夫。ただ、ザックに入りきらない3mの自撮り棒が紛失。
結局失ったものは、3mの自撮り棒、ポール、サングラスぐらいだった。
シールを剥がし、板をセットアップして、座って体を休めた。
改めて流された斜面を振り返る。
こうしてみると、どこが雪崩れたのかわからないぐらいだ。
後でログを見ると40~50mぐらい流されたみたい。
流された斜面の下には止まった木しか無く、この木で止まらなかったら、本流の沢まで流されていたようだ。そうすると200m弱はありそうだった。 結果的にはラッキーだったのかもしれない・・・
パニックや恐怖のせいなのか、急激に体が冷えてきた。もう少し休みたいと思ったが、滑り下りることに。
わかりずらいが雪崩れた場所
幅は10mほど。狭い沢を流れている。
雪は物凄く良かった。
無事にトンネルまで帰って来た。
石山トンネルの下り側を歩いて帰って、早々に家路に着いた。
家に帰って気づいたのは・・・
顔中、傷だらけになっていた・・・
動画の編集しているときに、思い出したことがある。
それはBC を始めたころ、日勝ピークで出会った地元のベテラン山スキーの方が言ってたことだ・・・
「かなりの降雪があった時は、しばらくは十勝側に入ってはいけない」
「かならず雪崩れるのは十勝側だからな・・・・・わかったか! おにいちゃん」
降雪が少なくなった日勝エリアで忘れかけていた一言であった。
もう20年も前のことだ・・・
・・・反省・・・
それでは
来週辺り日勝方面に行く計画です。
気を付けて楽しんでください。
今回は危なかったなぁ
降雪,強風,東斜面という条件の時は,急激に雪が溜まって危険なんだね
斜面が緩ければ別だけど,ペケレ東斜面を滑るときなんかも,いつも雪崩の心配をしています
樹木があれば何となく安心感があるけれど,今回は木のあるところでしょう
木があっても安全ではないということだね
雪崩,滑落,穴への落下…想像するだけでゾッとするけど,雪山にはいつもその危険があるということを,忘れてはいけないね
ケガをしたり命を失っては,もう楽しめません
気を引き締めて,安全第一で山に入りましょう
それにしても,無事でよかったです
しかし,今回は運がよかったのだということ,忘れないようにね
では,また
まさかの雪崩でした。
実際には、どんなところであっても、まさかは起こりえるということです。オープンを避けて、疎林帯に入った瞬間でした。まさか登りでとは・・・
降雪、吹き溜まり、斜度、下層の状態、どんな場合でも雪崩の危険があるということを肝に銘じてこれからは一層慎重に行動したいと思います。
hidekinさんもお気を付けて!
より急峻な斜面を滑りたいのはわかるが、同時に雪崩の危険がどんどん増していく。
せっかく命拾いしたのだから、今後は更に慎重にな!
とりあえず病院に行け!
いいことも、悪いことも、投稿してます。
自分を慕ってくれるスノーボーダーのためにも、悪い見本を見せて危険なことを知らせなければと思ってます。
今後はより一層慎重に行動したいと思ってます。それなりの歳の行動ができればいいんでしょうけど・・・