うつ病は、病ではあるけれど、人がかぜをひくぐらい、あたりまえで、なりやすいものなのだということなのでしょう。
私も今から考えると、うつだったかもしれないと思えるときがありました。
高校受験のとき、人生で一番勉強しました。
試験に落ちたらたいへんと、慣れない勉強をしたのです。
短い期間でしたが、受験のことで頭がいっぱいになりました。
試験に落ちれば、高校に行けないという、私にとって、はじめて現実の厳しさに直面したのですね。
受験のことしか考えられなくなっていました。
勉強のこと以外に、関心がなくなり、感情も動かなくなっていました。
一種のうつに近いものだったと思います。
慣れない勉強をしすぎたんですね。
うつ病がかぜをひくぐらい当たり前のことであっても、油断はできません。
ふっと、引き込まれるように死にたくなることがあると、聞きました。
うつ病に詳しいわけでもない私が、何でこんなことを書いているのかというと、うつはとても、スピリチュアルな病気ではないかと思っているからです。
わたしのささやかな経験からすると、うつ状態のときは感情の起伏がなく、まるで心のエネルギーが枯渇(こかつ)しているような感覚だった気がします。
私たちは普段気がつかないのですが、身体の管理には注意しても、心の管理はなかなかできないものです。
私たちは、心の本体であるたましいが喜べは、力がわいてきます。
でも、たましいが喜べない、わくわくしないことであっても、それをしなければならないというようなことも(人生には)あるでしょう。
もちろん、しかたのないことなのですが、それが長引くと、まるでエネルギーが枯れたようになってしまう。
それがうつ病の正体なのかもしれません。
私たちが普段気がつかないけれど、たましいにエネルギーが補充されないと、人は生きていけないのですから、死ぬことも決してまれではないのかもしれません。