道新が謝罪した件(ここ,ここ参照)に関連して,労働組合が報告書を発行しているようだ。その報告書は,問題となった道警の泳がせ捜査記事に関する道新内部の対応が裏金疑惑報道を取材した記者たちの異動があった7月1日前後で大きく変わり,7月以降は一気に弱気になり,さらに,道新の売上金着服問題(※)のため,道警との手打ちに至ったということを示唆している内容らしい。
6月までは道警の道新に対する抗議に対して,もし道警が訴えてきたら堂々と受けて立つという考えだった。社内的に記事内容,取材経過などを検討した結果だっという。
ところが,7月に入ってから情勢が変わり,道新内部に調査チームを設けて,取材した記者から聴き取りが行われた。この聴き取りの際,記者が聴き取られた結果は道新内部に止まるのか,それとも,部外者である道警にも伝わるのかについて確認をしたところ,社内限りの保障がされなかったという。
その結果,記者の多くは聴取を拒んだというのだ。
そのような「不十分な」社内調査の結果を受けて,道新が【社内調査では、一連の取材経過などについて検証しました。その結果、捜査関係者の証言の多くは伝聞に基づくものであり、警察と税関との緊密な協力のもとで、十分な監視のために多数の捜査員や職員を投入するのが一般的な、麻薬特例法に基づいた組織的な「泳がせ捜査」が行われたとの確証は得られませんでした。 稲葉元警部が暴露し、記事にも明示した「覚せい剤130キロ、大麻2トン」という莫大(ばくだい)な道内への流入量についても、元警部の証言以外に十分な根拠はなく、流入後の行方も不明のままです。 こうした点についていずれも裏付け取材が不十分でした。】(道新)と安易に結論づけたのだとするとそれは非常に由々しきことだ。
労働組合の報告書では,本来は全く関係ないはずの広告費問題と泳がせ捜査記事の二つが道警の手の中で一つにされてしまったことが今回の調査,そして謝罪につながったのではないかと分析されているという。
内部のこのような意見について,道新幹部はどう受け止めるのか?
道新記者はこの困難にいかに立ち向かおうとしているのか?道民はどう判断するのか?
そして,私たちはこの問題から何を教訓とするべきなのだろうか?
記者に対する処分という最悪の事態は避けられたような感じもするが,道新は【社内処分については「するかしないかも含めて検討する」(経営企画室)】とのコメントを出している(朝日)。
560万道民をはじめ私たち市民は,スクープした記者を守りきれるだろうか?まさに表現の自由を傷つけるナイフが私たち市民の喉元に突きつけられているような感じがする。
※←訂正しました。勘違いしており失礼しました。
【北海道新聞社(菊池育夫社長、本社・札幌市)の元東京支社営業部長=6月に依願退職=が経費から約500万円を着服した問題で、元営業部長に支払われた退職金約2000万円全額を、同社の取締役以上の役員が会社に穴埋めすることを決めた。元営業部長に正規の退職金を支払ったことについて道新労組が「特別背任の疑いもある」と追及していた。同社は毎日新聞の取材に対し、「役員の自主的な行動でコメントすることはない」(経営企画室)と説明した。】(毎日)
6月までは道警の道新に対する抗議に対して,もし道警が訴えてきたら堂々と受けて立つという考えだった。社内的に記事内容,取材経過などを検討した結果だっという。
ところが,7月に入ってから情勢が変わり,道新内部に調査チームを設けて,取材した記者から聴き取りが行われた。この聴き取りの際,記者が聴き取られた結果は道新内部に止まるのか,それとも,部外者である道警にも伝わるのかについて確認をしたところ,社内限りの保障がされなかったという。
その結果,記者の多くは聴取を拒んだというのだ。
そのような「不十分な」社内調査の結果を受けて,道新が【社内調査では、一連の取材経過などについて検証しました。その結果、捜査関係者の証言の多くは伝聞に基づくものであり、警察と税関との緊密な協力のもとで、十分な監視のために多数の捜査員や職員を投入するのが一般的な、麻薬特例法に基づいた組織的な「泳がせ捜査」が行われたとの確証は得られませんでした。 稲葉元警部が暴露し、記事にも明示した「覚せい剤130キロ、大麻2トン」という莫大(ばくだい)な道内への流入量についても、元警部の証言以外に十分な根拠はなく、流入後の行方も不明のままです。 こうした点についていずれも裏付け取材が不十分でした。】(道新)と安易に結論づけたのだとするとそれは非常に由々しきことだ。
労働組合の報告書では,本来は全く関係ないはずの広告費問題と泳がせ捜査記事の二つが道警の手の中で一つにされてしまったことが今回の調査,そして謝罪につながったのではないかと分析されているという。
内部のこのような意見について,道新幹部はどう受け止めるのか?
道新記者はこの困難にいかに立ち向かおうとしているのか?道民はどう判断するのか?
そして,私たちはこの問題から何を教訓とするべきなのだろうか?
記者に対する処分という最悪の事態は避けられたような感じもするが,道新は【社内処分については「するかしないかも含めて検討する」(経営企画室)】とのコメントを出している(朝日)。
560万道民をはじめ私たち市民は,スクープした記者を守りきれるだろうか?まさに表現の自由を傷つけるナイフが私たち市民の喉元に突きつけられているような感じがする。
※←訂正しました。勘違いしており失礼しました。
【北海道新聞社(菊池育夫社長、本社・札幌市)の元東京支社営業部長=6月に依願退職=が経費から約500万円を着服した問題で、元営業部長に支払われた退職金約2000万円全額を、同社の取締役以上の役員が会社に穴埋めすることを決めた。元営業部長に正規の退職金を支払ったことについて道新労組が「特別背任の疑いもある」と追及していた。同社は毎日新聞の取材に対し、「役員の自主的な行動でコメントすることはない」(経営企画室)と説明した。】(毎日)